【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

ずいぶんサメが多いんだってねの話。

サメも怖いですが船も怖い。どうも何某です。

鳥山が出来るとSUPやカヤックがいても、お構いなしに猛スピードで釣船などがやってくるそうです。
相模湾の風物詩ですが、目立つ格好やフラッグつけて気づかれるようにしておかないと、余裕で轢かれそうですね。
見張りをしっかりして、向かってくるのが見えたら、勿体ないですが離れたほうがいいと思います。

あ、そうそう。結構サメが出てるらしいですよ。
人自体は襲わなくても、ストリンガーごとSUPやカヤックが引きずり込まれることがあるらしいので、ストリンガーは使わないほうがよさげです。
血抜きやトイレも流すタイミングに気をつけましょう。
自分は大丈夫でも、次ポイントに入った人が襲われるかもしれないので。

穏やかに見えるが。

なんだかサメが多いらしい

最近ホーム沖でサメをよく見かけるらしい。
かくゆう私も先日、SUPの周りを3匹のサメにくるくると回られ肝を冷やした。
年々SUPフィッシングをする方が増えており、血抜きやストリンガーでぶら下げる量も増えてるのか、そいつを目当てにやってきている感じもある。
それもあり、最近は早朝のシイラ狙いも中止していた。インフレータブルSUPに食いつかれたらひとたまりもない。
釣りをしたい欲求だけが増える。

副隊長はなべおさみ

「やめなよ。サメいるでしょ?」
『だからだよ。シャークハンター必殺隊発足だ。』

またおかしなことを言ってるなと、嫁は眉間にしわを寄せる。
「ひっくり返されたらどうするの?」と詰め寄る嫁に

『彼は包丁1本持って海に飛び込むような男ですよ。』

と伝えると、一瞬口を開きかけた嫁が、あぁこれはまた私の知らない昔話を延々と聞かされる可能性があるなと、うんざりした顔を見せ酒を手に取った。
やる気があるのかと憤慨した私は『この案件に替え玉は効かないんだよ!』と一喝。
聞く体制が出来たところで、『荒井注の例のカラオケ屋は伊東にあるらしいよ。』と、いつもの流れに持っていく。

一見穏やかに見えるが

少し寝過ごしてしまった。
兵藤ゆきがちくわで食中毒の話まで出るとは。昨夜は盛り上がりすぎである。
前日が時化だったためか、今日はそれほど混んでいない。波も低く、良さそうには見えるが。
波打ち際に行くと、波は低いが間隔が異様に短いのがわかった。これは被るやつだなと覚悟する。
セット後に勢いよく出る。1つ目の波で横を向きかけたのをパドルで制し、2つ目の波に突っ込む。
無事沖に出れたので、スポンジでビルジを掻き出した。
ひととおり準備をしていると、沖が見えないほどのうねりが頻繁にある事に気付く。さらには小さなうねりがたくさん出来ているため、カヤックが不規則に揺れる。

ひさぶりの船酔い

完全に酔ってしまった。まだ1回しか落としてないのに。
今日のために昨夜は酒を抑えて、睡眠を十分とったのに。
回復のため遠くを見ていると、鳥山ができかけてはバラけ、できかけてはバラけを繰り返している。
ジグを落とし直していると、こちらに向かって鳥が何羽か飛んできた。
魚探に小魚の反応が出てるなと思った刹那、ジグが落ちなくなった。急いであわせる。
マイワシが上がってきた。鳥はこの群れを追っていたのだろう。
再び魚探に目をやると群れの後ろに大きな反応が見えた。何かが群れを追っているらしい。
慌ててジグを落とすが、見向きもされなく反応は無くなった。
急いで回収し鳥を追う。ドンドン離されてしまう。やはりシットオンカヤックでは無理か。
だいぶ離されたあたりで、黒い物体が宙を舞うのが見えた。
間違い無い。キハダのライズだ。そこそこ大きい。
マグロは流石に無理だ。諦めて深場へ戻った。

なんとか結果を出す

水分を取っては嘔吐しを繰り返す。ほとんど釣りができていない。
うねりは朝よりはだいぶましになったのだが。
溶けたペットボトル氷の水を頭から被り、15分ほど休憩する。

ギンメダイ。

底に放置していたジグに何故かギンメダイがついていたくらいで、目立った釣果はマイワシ一匹。何かお土産を持って帰らなければ。
風が出てきたのでSpec-ZEROの240gにジグを付け替え、ドテラで流す。
いい感じにラインが斜めに出ている。
以前バラムツをかけたポイントあたりだなと思っていると、底から3m付近でひったくるようなアタリが出た。
意外と引く。これはまぁまぁのサイズかな。嫌な汗が出る。
がしかし、前回と違って、今回はギャフを持ってきている。振り返りをし、改善をしたのだ。
とはいうものの、たまに暴れるくらいですんなりとあがってくる。叩きとはまた違う暴れ方。
これはコアラだなと巻き上げると、やはりコアラ。

アニマル梯団。

我が家で食べるには十分な大きさだ。以前作った熟成アラの寿司は美味かった。これは嫁も喜ぶだろう。

身内に敵がいた

体調もだいぶ回復してきたが、風も強くなってきた。お土産ができたので帰ることにする。
前方に見覚えのある顔が見える。よくここで会う方だ。
釣果などを聞いていると、先日バラムツが浜に打ち上がってるという話しが出た。先日バラしたバラムツだろうか。打ち上がったとしたのであれば、申し訳無いことをした。次からは責任を持って回収しようと思う。
着岸すると、見覚えのある方が数人。ここの知り合いも増えてきた。
帰宅し片付けをしていると、起きてきた嫁に「サメはいたかい?」と声を掛けられる。
『今日は見かけなかったよ。』と答えると、「それが良い。」と頷きながら寝室へ戻っていった。
まさか二度寝を。昼過ぎだぞ。と追いかけようとすると、「魚が食べられるようになったら呼んでおくれ。」とボソボソと言いながらエアコンの温度を下げ、布団に潜っていった。
ストリンガーに群がるサメは家の中にもいたようだ。

タイドグラフ

タイドグラフ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

SUPからシイラを狙ってみた話。

今の時期はSUPしてから出社しようとすると、ちょうど波が高い時間に戻ってこないといけないのですね。どうも何某です。

というわけで今朝は華麗にに沈してしまいました。

あ、そうそう。私のホームサーフの浜から7、800mくらいですかね。
サメが数匹ウロウロしてましたので、皆さんご注意ください。
細長い2mくらいのですが、名前わからないですね。人に危害与えるやつじゃなければいいですが。

朝。

キャスティング練習に行く

今日は昼過ぎから、友人達とサウナの聖地にでも行こうと話していた。
ならばその前にと、新しく購入したシイラ用のタックル一式持って、夜明け前のホームサーフに行く。
キャリアにSUPを乗せて引っ張っていくお気軽スタイルなので、駐車場の心配はしなくてよい。
だが、そのせいで手動ポンプで空気をいれなくてはいけなくなり、準備に30分以上かかってしまった。
夜明けとともに出る予定がだいぶ遅れてしまった。
細かい波が続く面倒な日らしく、軽く波を被るがドライバッグにリールを入れているので問題ない。
無事沖へ出た。

立てない飲めない

まともにSUPで出るのはいつぶりだろうか。
さて潮目はどこかなとSUPに立ったところ、産まれたての子鹿のように、カタカタと下半身が震える。
荷物全てにリーシュをつけてはいるが、沈は面倒だ。
一旦諦めて、水分補給する事にする。
がしかし、ここで重大な事に気づく。ドリンクは冷凍庫の中だ。忘れたのだ。
完全なやらかし。今日も暑くなるぞ。

キャスト練習をする

座りと膝立ちでキャストしてみる。何度か投げるうちにとりあえずは投げれるようになった。
それほど飛ばなくてもなんとかなるだろう。要は狙ったとこに飛べばいいのだ。
ちょうどよく鳥の羽が浮いていたので、サイドキャストで狙ってみる。大きくそれる。
がしかし、目標に竿先を向けるような感じで投げれば、なんとなくいける気がする。
今度こそはと、慎重かつ大胆に振り抜く。

『入れーッ‼︎』

織部金次郎よろしく叫ぶと、ラピードが1m圏内に着水。グリーン上ならバックスピンするので問題ない。

潮目のポテンシャル

前にシイラを釣った時は、レンタルボートの係留用ブイ横を通したら釣れたみたいな感じだったはずだ。
しかし、ここには目立って障害物はない。
なのでここは潮目を探す。膝立ちで見ると、数百メートル先にはっきりとした潮目が見える。
少し遠いが確実そうだ。
優雅にパドリングしていくと、潮目で何かが追われているのが見えた。
潮目に届くかどうかで待ちきれず、ロッドを持ち全力でキャストする。

『行けーッ!飛べーッ!』

オリキンよろしく。
着水と同時にアクションを入れると、ギュンっと音がし、ロッドがしなった。
1投目から食った。ちょっと小さそうだが十分楽しめる引き。

ぺんぺん。

バーブレスなので即リリースする。
その後も小さい、いわゆるペンペンが投げるたび釣れる。

ぺんぺん。

同じような40cmほどばかりだが、それでも中には一瞬のされるような引きをするものもあり、腕がパンパンになる。

大きいのを狙ってみる

少しゆっくり引いてみる。どう反応するのだろうか。
すると、ペンペンの大群がルアーを追ってきた。
バイトしてくるようには見えない。
どうやらダイビングペンシルが潜った時にペンペンは食ってくるようだ。
体調と相談してみる。
水が無い状態では、帰る時間を引くと残り10分もないだろう。結構沖まで来てしまった。
あと数投だな。と、集中し、潜らないようにドッグウォークさせる。
ブランクを入れてもいいのであれば、バス歴30年、トップウォータープラッガー歴20年。
Dr.オリキンのテクニックが炸裂する。
ルアーから2mほど離れたところから、1mあるかないかのシイラがひったくるように飛んできた。
パリピのような声が思わず出る。
水柱があがった直後、沈んだルアーが浮かんでこない。
アワせてみると、ギュンとガイドが鳴りロッドが曲がる。
ドラグが軽く出る。今日一番の引きだ。
アドレナリンを出しながら巻いてくる。

ぺんぺん。

先程見えたシイラは何処へ行ったのか。結局サイズアップならず。

とはいえ、初日としては上出来だ。
やっと私の夏が始まった。

タイドグラフ

タイドグラフ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

相模湾の怪魚と1時間以上格闘した話。

暑い日が続いて嫌ですね。どうも何某です。

今日のは結果から言うと、釣ったとしていいと思ってます。

遅く起きた朝。

運がいい

ダラダラと準備を始める。
仮眠のつもりが、しっかり睡眠を取ってしまった。
7時では駐車場の空きはないかなと思ったが、ちょうど一台だけ空きがあった。
運がいい。
これは今日は釣れちゃうかもな。などと思いながらカヤックを引っ張っていると、すれ違う釣り人が「暑くてやってらんねーよ。」と笑いながら話しかけてきた。
聞くと、カマスが食いきれないくらい釣れたので、満足して帰るらしい。
なるほど。だから駐車場に空きがあったのか。

何か大物がかかる

水深300m付近をクランキー290gを落とす。丁寧に誘うも反応は無い。
早くも相当な暑さだ。タオルを顔に巻いて照り返しを防ぐと、だいぶやわらいだ。
カヤックの周りでさざ波が立つ。何かがゆっくり小魚の後をつけているのだろうか。
届いたばかりのキャスティングタックル一式を、時間がないからと持ってこなかったが失敗だったかもしれない。
スパイファイブ220gに付け替えて、200m付近を流す。
ヒトシャクリめをゆっくり細かく刻む。底3m付近から大きくゆっくりワンピッチからのロングフォール。
3回目のロングフォールで、なんだか余計にテンションがかかってる気はした。
下げきったところから、一気に竿が曲がる。
『おっ、デカイかな?』などと思いながら巻き上げると、意外と素直に上がってきた。
最初だけかと思っていると、底から20m付近で何かがおかしいと気づく。
よく見ると竿先から海面にまでピンと張ったラインが、ゆっくりと小さな円を描いていた。
200m先の魚の動きがこんなに大きく出るのだろうか。
PEジガーの感度の良さのためか、頭を振ったのもラインの動きと手元の感覚でわかる。
底から40m。違和感がありつつも順調に巻いてきた。
やっぱり頭振ってるなぁ。そう思った刹那。
キィーン!
ガイドが鳴る。ギッギッギッっとドラグが苦しそうに悲鳴をあげた。
心臓を鷲掴みにされたような苦しさが襲う。握り潰しにきた掌をゆっくりと押し返すような動きを感じた。
「ドクン。。。」と心臓の音が聞こえたタイミングで、息を無理矢理吐き出す。
急いで息を吸い、再度吐き出す勢いでオシアジガーのスタードラグを思い切り回す。
ジャー!っと物凄い勢いでラインで放出される。
竿尻をカヤックに突き立て、伸ばした左手でしっかりロッドを持ち支える。
スローピッチジャーク用のロッドは、あまり立てると折れると聞く。全神経を左腕に集中し、テンションを抜き入れしながら、右手はクーラーボックスからスポーツドリンクを取り出す。
口でキャップを取りカヤック上に吐き捨て、塩気の強いドリンクを流し込んだ。
40mほどラインが出て行きやっと止まった。また一からやり直しだ。

過去体験したことがないやり取り

相当デカイのは間違いない。のんびりやってきてこんな大物がかかるなんて。やはり今日は運がいい。
メートル近い根魚だろうか。200m底の大物。全く思いつかない。いや、なんとなく可能性があるとすればサメだろうか。
ポンピングで20m巻いては10m引き出されるを繰り返す。いや、しかし確実にあがってはきているのだ。残り110mまできた。
時間を見ると9時を過ぎている。
もう30分も格闘しているのか。
ペットボトルが一本空になった。幸いなぜか今日は2本持ってきているので、クーラボックスに空を投げ入れ、飲み物を取り出した。
一口含み、残り90mまで巻き上げる。
またしてもラインが引き出される。200m底からの恒例行事ではあるが、今回は違った。ラインが走るのをやめない。それどころか20m引き出されたあたりから、さらに勢いを増している。
一気に底に向かって潜っているようだ。
『おぃおぃおぃ。』
呆れて声がでる。諦めてくれればいいものを。
慎重にドラグを締める。が、潜るのをやめてくれない。30分以上やり取りしてるのに、まだそんな体力残ってるのか。
ロッドのテンションを慎重に強くかけることで、やっと潜るのをやめてくれた。
結局160mまで潜られてしまう。
炎天下の中、外にいるだけで体力が削られる。ロッドを支えている左手はもうパンパンだ。
どうする。持ちかえて左腕を回復させるか。ただ、絶妙なやり取りの感覚は左腕の経験値でしか叩き出せない。
ドリンクがどんどん無くなっていく。
ドラグ調整してあれば、ゴリ巻きでいけるのだろうか。なんにせよ、こんなやり取りしたことがない。明らかに準備不足だった。

200m底から怪魚を浮かす

『もう切れてくれないかな。。。』

そう思いながら巻く。20m巻いては10m引き出されるを繰り返す。
もうドリンクが半分も無い。やるしかない。
ドラグを締め、巻き上げる覚悟を決める。
口を湿らすほどのドリンクを含み深呼吸。一気に巻き上げた。
残り50mから一気に残り20mまで。いけると思った刹那。一気に5mほどラインが出ていく。
うるせぇとハンドルに力を入れる。頭を振ったタイミングを見逃さず、一気に残り10mまで浮かせた。
タモを手元に置き、再び持ったハンドルを力まかせに巻く。
徐々に浮かび上がってくる魚影を見て、耳から抜ける心臓の音が聴こえるような感覚になる。
とんでもなくデカイ。
これは巻き上げていいヤツなのか。
カヤックに危険がおよぶヤツなのではないのか。
とりあえず何が釣れたのか確認しよう。水面まで浮かす。
グルン。と大きく円を描いて海上に横たわった顔を見て、歓喜の雄叫びをあげる。
特徴のある目。鋭い歯並び。間違い無い。バラムツだ。
一度は釣ってみたいと思っていた怪魚。人間が消化出来ない脂のため、流通が禁止されており、かつ、3切れ以上食してはいけないと言われるバラムツ。
まさか釣れるとは。
脳内麻薬で意識が飛びまくる中、冷静な自分が身体の異変を教えてくれる。
聞き耳を立てると、呼吸がうまく出来ていない。そこではじめて苦しいのに気づく。
無理やり右手で口と鼻を塞ぎ、水平線を見た。限界まで苦しくなったところで、胸を抑えて一気に吸い込まないよう、ゆっくり息をする。
何度か深呼吸して落ち着き、状況を確認すると、20mほどラインが引き出されていた。

取り込み出来ない

ゆっくりと浮かせ、取り込みの準備に入る。
そこで初めて気づく。このバラムツが入るタモが無い。
深さ40cmほどのタモだが、頭から入れればメートルくらいまでならなんとかなるだろうと思っていた。
しかし、この怪魚をよく観察すると、カヤックの半分近くほどある。
プロフィシュ45が確か14ftくらいだった気がする。それと比べると、2mは越えない気がするが、180cmは間違いなくあるだろう。
旋回してきたバラムツを頭からタモに入れてみる。
ちょっと頭を振っただけで、あっけなく出ていってしまった。
よくよく考えると、自分に、このタモ網をかぶせた状態と変わらないのか。取り込める気がしない。
バス持ちで無理やり。いや、いや、あの歯を見ただろう。手が無くなってしまう。
釣りキチ三平の谷地坊主よろしく、タオルで取り込むか。カヤックでは無理だな。
エラに手を突っ込むか。名案に思ったが、下手にエラを傷つけると死んでしまう。
持ち帰るなら手段を選ばないが、このサイズのバラムツを持ち帰っても、流通させれない以上、我が家では手に余る。
しょうがない。尻尾を持って引き上げよう。
再度旋回してきたバラムツがカヤックと平行になったタイミングで、尾をガッチリ掴んだ。と思ったのだが、手が回らない。がっしりとした男の手首を握ったような、筋肉の動きを感じる。
無理やり引き上げようとしたが、物凄い力で振りほどかれた後、カヤックに2、3度体当たりしてきた。
沈するほど揺れはしないが、このカヤックの向きが軽く変わるほどの力。恐ろしい。

物語の終演

海面まで1時間。それからさらに10分以上格闘している。なかなかバラムツという魚は体力があるようだ。
やっと冷静にバラムツを観察出来るようになってきたが、あらためて見ると、この2m近い魚体をカヤックにあげれる気がしない。
SUPなら滑り上がらせれるような気もするが、カヤックでは無理だ。ギャフがあれば、とりあえずの引き上げは可能そうだが、まさかこんな大物が釣れるとは考えておらず、持っていない。
周りを見ると、300mほど先にミニボートが1艇。試しに助けを求めて、声を出してみるが全く反応は無い。
しょうがない。せめて写真だけでも撮って、最後の取り込みを勝負しようとスマホを取り出そうとするが、右手一本ではうまいこと取り出せない。
ロックを解除してカメラを起動しようとしていたところ、海面で暴れる音がし、フッとロッドが軽くなった。
私は、ゆっくりと海底に戻っていく怪魚を、ただただ呆然と眺めるしかなかった。

タイドグラフ

タイドグラフ。

参考

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