【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

世界遺産で釣りをした話。

今年はキャスティングの年にしようと思います。どうも何某です。今年もよろしくお願いします。

ひさぶりの更新です。昨年は仕事が忙しすぎて、釣り行く暇もほとんどありませんでした。
去年の夏から数回しか釣りしてませんが、ゆっくり書いていこうかなと。
ひとまず、夏の思い出から。

かっこいい。

世界遺産での釣りに誘われる

「カラフトマス釣りに行きません?」

急遽そんな声がかかる。
カラフトマス。とにかく見た目がかっこいい。あれはいつか釣りたいな。とは思っていたが、まさかこんな形で声がかかるとは。
聞くと、どうやら企画していたツアーにキャンセルが出たとのこと。
概要はこうだ。
空港に集合し、知床に移動。一泊してカラフトマス釣りに行き、午後からは渓流に入ってオショロコマを釣るらしい。
さらに一泊して、翌日もカラフトマスを釣って、それから空港に行き解散。
なかなかハードだ。

「シーバスタックルとかでいいらしいですよ。」

それなら特に準備も必要ないなと、参加をOKした。
がしかし、ここから問題発生。飛行機のチケットが取れない。これは困った。どうしようかと悩んでいると、妻がやってきて「夏休みを取らないといけないの。」と。

「なるほど。じゃあ夏休みは網走だね。」

突然の旅行計画に妻は、開いた口を塞ぎもせず旅行バッグのチャックを締めたり開けたりを繰り返していた。
前日ならばチケットが取れたため、前乗りで向かうことに。

鹿とキツネをかわしながら

「1人で飛行機乗れるかしら。。。」

青ざめた顔で旅行バッグのチャックを締めたり開けたりしていた嫁を無事見送り、空港でツアーメンバーと合流。
レンタカーに荷物を積み込み出発。
意外に荷物が少ないなと聞くと、ホテルに荷物を送っているらしい。なるほど。そういう手もあったか。

「ドカットってそのまま送れるんだよ。」

なるほど。
遠征慣れしてる方達のテクニックを聞きながら車はまっすぐな道をひたすら走る。
全然着かない。1時間走っているが景色は変わらない。

「あと、2時間ちょっとかなぁ。」

2時間とは、どういうことだろうか。
空港から知床まで3時間以上かかるのだという。さすが北海道。広さを舐めていた。
霧が深くなってきた。どうやら知床半島を横断する道路らしく、半島の山を越えているようだ。

「あ、鹿だ!!」

その声に反応し、指差すほうを見ると、道路沿いに鹿が1頭どころか、5頭以上いる。さらには奥にも鹿がいる。
流石にここまで来るとスケールが違う。

「おぉ!キツネだ!!」

鹿、キツネ、鹿。。。と繰り返し獣達が道路沿いに。
凄い。民家がまったくない。これぞ自然という感じだ。

「なんだろう。通行止めだ。」

警察に停められる。

「鹿と事故でもあったかな?」

しばらくすると、警察官が「ゆっくり気をつけて走ってください。」と車を進めるように言う。
何事かとカーブを回ると、数台のパトカーと、ライフルを持ったオレンジベストの方が数名。

「うわぁ。これ絶対熊だわ。」

「OSO18ってここじゃないですよね?」

などと、急に存在感を現した熊について話し合い始める。
ツアー企画者の1人であり、ここ数年カラフトマスを釣りに通ってる方が一言。

「あ、そうそう。明日の釣りって熊出たらそこで終わりなんで。」

「えっ?」

「渡船で渡った先に熊が出たら、釣りは終わりなので熊がいないことを祈りましょう。」

漁港へ向かう

ホテルで説明された釣りの仕組みはこうだ。
まずは、複数ポイントがあるので乗船前にどこで降りるかを決める。
順番にポイントに着くので、自分のポイントに着いたら船からゴロタの浜に降りる。
サーフでの釣りになるようだ。
深夜2時にはホテルを出発するのだという。
ずいぶん早い。
眠い目をこすりながら車に乗り込み港へ向かう。なんとホテルから1時間以上かかるらしい。
「泊まってるホテルが一番近いんだよね。」と、案内人は笑った。

「あの光なんだろう。。。あ、鹿だ!キツネもいる!」

叫ぶ声に車外を覗くと、鹿がいる。
「わー、鹿ですね。可愛い。」とならないのが世界遺産の凄いところ。
野生の鹿が群れでいるのだ。
道路どころか、民家を取り囲んでいる。
その間にキツネがポツポツと見えるのだが、それでも人口よりキツネのほうが多いのではないか。

「野生動物がこれだけ居住地いるってことは、ヒグマも。。。」

誰かが発した言葉に、皆唾を飲み込んだ。

渡船に乗り込み釣り場へ

世界遺産。

漁船に乗り沖に出ると、風もなく穏やかである。
暗くて景色が見えないのが残念ではあるが。
途中のポイントで何名か降ろし、我々のポイントへ向かう。
渡船は3隻ほどあるのだが、そのうちの1隻が猛スピードで追い越して行った。
40分ほどかけて着いたポイントの先から、先程追い抜いていった船が戻ってくる。
何気無く見ていた私に、案内人が声をかける。

「あの船は先に行ってポイントに熊がいないか見てきてるんだよ。もしいたら別のポイント行くか、帰るかだね。」

皆で熊がいませんようにと祈っていると、着岸の準備にはいったようだ。
「良かったですね。一昨日ここ熊出たって言ってたからヒヤヒヤしてたんですよ。」と案内人も安堵の顔をする。
接岸し、無事皆渡り切ると、猛スピードで我々とは別の集団が走っていった。
何事かと思いながら、我々は足場の悪い浜を歩いていく。
案内人の「ここから20分ちょっと歩くんで。」の声に驚く。
とんでもない場所に来ちゃったなという思いは、道中で更に膨れ上がった。や、爆発しかけたというのが正しいか。

熊の手。

「これ。。。熊の足跡ですよね。。。でけぇ。。。」

同行者が発見した巨大な熊の足跡は、等間隔で砂浜に続いていた。
青ざめながら周囲を警戒していると、「沖の船が熊来たら教えてくれるんで心配しないでいいですよ!早く行きましょう!」と声をかけられた。
急かされながらポイントに着くと、走っていた方々はすでにキャストしている。

「あぁ、そういうことかぁ。。。」

釣り場。

初参戦組は皆、同じ言葉を発した。
ゴロタ浜沖に大きめの石があり、そこにウェーディングし渡って投げるのだが、石に乗れる人数は当然決まっている。
サーフで一列に並んで投げると思っていた我々は、場所取りに敗北したのだ。

「サーフから投げても釣れますから!さぁ、熊が出る前に釣りましょう!」

我々は、案内人の声に震えながら世界遺産を背景に準備をはじめた。

こんな日は滅多に無いらしい

沖石のポイントが取れなかったので、しかたなしにサーフから投げるが、1m間隔で並んでいるので当然のようにクロスする。
がしかし、同行者なので特に揉め事はない。楽しげに声掛けしあって平和だ。
経験者達は10mも投げていない。ほぼ足元に投げている。
そんなに近くていいのかと聞くと、「手前まで回遊してくるから。」とのこと。
疑いながらも、軽いキャストを繰り返す。
周りがバタバタと釣れ始めた。回遊が来たのだ。
ゴンッっと手応えがありアワセると、ドラグが鳴りはじめた。カラフトマスだ。
興奮しながら寄せようとするが、全く寄ってこない。どうにもスレがかりのようで、走りまくっている。
無理やり寄せようと竿を立てると、プンッと竿が弾かれ軽くなった。バラしてしまった。

「空いたからあそこ行って。」

すぐさま案内人が声をかけてきた。沖石に渡れということらしい。
一緒に渡ったあとレクチャーを受ける。

  • 足元まで回遊してくるので、見逃さず目の前を通すこと
  • ゆっくり巻いてレンジはキープ
  • 必ずアワセること

たしかに沖石の足元には群れが入っていた。
目の前を通すと、食ってくるのが見えた。すかさずアワセる。
手応えがあるもすぐバラしてしまった。
その後もバラしが続く。どうやらスレがかりが多く身切れしてるっぽいようだ。
他の方々もほとんどがスレがかりだ。

「アワセ決まらないと口にかからないんだよね。遅いからスレがかりしちゃう。」

わかってはいるが、4バラシ。こんなに私は下手だったか。なかなか技術がいる釣りのようだ。

「こんなに釣れる日はないからいい練習なっているよ。さぁ、そろそろ釣りましょう!」

わかってはいるが。。。

待望の1匹

よく見ると、うちのグループ以外はみんな餌じゃないか。しかも、結構な数釣ってるように見える。

「めちゃくちゃかけてますね。何本ですか?」

同行者に声をかけられる。恥ずかしながらまだですと答えると驚かれた。
驚異の11バラシ。すっかり自信を無くしていた。
渓流用の偏光グラスが見つからず、適当な偏光を持ってきたせいで、日が登ってから全く見えなくなったのである。
どうせ見えないのだからとサーフに戻り軽く遠投してみると、沖石の方たちが一斉に投げ出した。どうやら群れが入ってきたらしい。
ならばと丁寧に デベロップシェル7gをカウントダウンし、デットスローで巻いてみる。
ゴゴンッと手応えがあり、アワセてみるとノッた。
後ろから「あまりロッド立てないほうがバラしにくいかも。」との声がかかったので、そのとおりにしてみる。
少し走られはしたが、寄せてくることに成功。スーッと浅瀬に誘導し待望のキャッチ。

待望の一匹。

立派なオスだ。すごいかっこいい。
「やりましたねー。写真撮りましょう。」との声に答えポーズをとる。
ひとしきり盛り上がったあと、リリースすることにした。
食べようかと思ったが、接岸するカラフトマスは美味しくないとのこと。食するのであれば、夏に沖で釣るしかないとかなんとか。
興奮は冷めないまま、泳いでいくカラフトマスを見送った。

タックル

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

しない、しない、ナツの話。

ジメジメして気持ち悪い。どうも何某です。こんにちは。

車載時にカヤックの位置バランスを誤ってフロントに落としてしまいました。
「修理費が数十万するかも。」と、傷だらけのボンネットを見た車屋さんに言われています。

曇天。

Return to Myself

「ホットサンドでも食べるかい。」

妻が並べられてる食パンを眺めながらつぶやく。
「ジャムは嫌いだから、やっぱりホットサンドかな。」などと独り言を続けた。

『あしたま。』

「ん?何?」

『あしたまだよ。あしたまにあーな。』

「どういう意味?」と妻は、不思議そうな顔でこちらを見ている。

『あしたまにあーなのオープニング曲だよ。sweet strawberry toast、知らない?』

「え?何?食パン買うかどうかの話だけで、知らないテレビの曲がどうとか詰められるわけ?」

モダンチョキチョキズの濱田マリと浜田麻里を勘違いしてるのかな。教えてあげたほうがいいのかな、などと思っていると、妻は半ギレで牛乳売り場へ歩いて行った。
妻の背中を見ながら、乏しい想像力、価値観の違い、夫婦とは一体。問う今日。

タチウオが食べたい

食パンもいいけど、フワフワのタチウオが食べたい。
食べたいなあ。
炙って梅肉乗せたりしてね。
でも釣り船乗るの面倒だなあ。
タチウオの準備をしながら思っていると、釣り仲間からSUPで狙いに行くと連絡があった。
実は先週、カヤックで同じ方面にシーバス狙いで出たのだが、全く釣れずで、リベンジしようと思っていたのだ。
そうか、カヤックでタチウオ狙う手があったか。
私も行きますと宣言して準備を始めた。

凄い釣り人の数

少し早めに現地に着くと、駐車場が開くのを待った車で道路は渋滞している。
片側一車線をほぼ潰した状態。
横を抜ける車が、時折、怒鳴って行くらしい。
気持ちはわかる。我々が通行の邪魔なのだ。
早朝にクラクションを鳴らしながら駆け抜けていく車に罪悪感を感じたのか、後ろの車は移動してしまった。
これは耐えられないなと、私も悩んだが、すぐに後ろに隙間なく2台並ばれてしまったので待つ事にした。
やっと開いた駐車場に停め準備をすると、列の長さの割にはそれほど台数がなく、慌てて来る必要も無かったようだ。
次からは駐車場が開いてから来よう。

開始早々好調

波がほぼ無いので魚探をセットして出る。ホームサーフの緊張感はここには無い。
タチウオのポイントに向かうと、すでに相当な数の釣り人がいた。
それっぽい影にティムコ オーシャンドミネーター センターバランス パープルホロ 100gを落とす。
ワンピッチで誘うが反応は無い。
水深40mの反応がある15〜30mをワンピッチで何度も通すが食ってこない。
ちょっと変えるかと、途中でフォールを入れてみる。ラインがたるむ。すかさずアワセを入れゴリ巻きした。

幸先良い。

指4本無いくらいか。
まぁまぁのサイズ。とりあえず一匹釣って心が落ち着く。
この後、同じパターンのフォールのタイミングでF2サイズを立て続けに2本あげて、今日は魚影が濃いのを確信した。

フォールの釣り

東京湾タチウオジギング船に乗った時は、群れ直撃して引っ掛ける漁みたいな釣りだなと思った。
その話を、行きつけの釣具屋の店主にしたところ、「タチウオの釣りはフォールの釣りだよ。」と教えられた事がある。フォールの誘い方が出来ないと、渋い時釣れないのだと。
今日は渋くは無いが、安定して引っ掛けれるほどでは、無いのだろうか。
状況としては、フォールで全て食っている。ちゃんと口に掛かっているのだ。
なんだかいつもは腹掛かかりばかりなのに。
ちゃんと誘って食ってきてるという事なのだろう。
今日1番の引きを味わっている最中に、フッっと手応えが無くなった。
スナップの上からリーダーが綺麗に切られていた。

多分なんでも釣れる

ジグをロストしたので、ジャッカル アンチョビメタル タイプ2 レッドゴールドストライプ 100gに変更し、よりフォールを意識した釣りに変える。
サクラマス、タチウオ用に購入したゼスタ スローエモーション ショートピッチジャーク B5100がとても心地よい。長さがカヤック向きだ。テンポ良くシャクってフォールを入れる。
アタッた。
すかさずアワセる。
良いサイズ。

アシストフック切れ。

アシストフックが切れている。タチウオの歯の切れ味を思い知らされた。
フロントフックもタチウオ用に作ったワイヤーのフックに交換する。カエシ無しの刺さり重視。
ここから入れ食いが続く。
フォールを入れれば釣れる。早巻きすれば引っかかる。
中層に相当な群れがいるようだ。

サイズ出ず

魚探にノイズが出る。落とすと太刀魚が釣れる。
繰り返すが指2本ほどのサイズばかり。

サイズ出ず。

回収中にも釣れてしまうが腹掛かりが多いため、避けて内蔵が飛び出してしまう。
これでは、小さいからとリリースが出来ない。
干物にしても十分な量があるため、アジ、真鯛狙いに移動した。
さてさてと、タイラバにサビキをつけて落とすと、すぐビクビクとアタリがでた。
がしかし、口が切れたのかすぐバレてしまった。
落とし直すと、だいぶラインが横に流れた。この辺りは潮が速いのか。
改修して落とし直すと、とんでもない土砂降りになった。
これはたまらない。一瞬で全身ずぶ濡れに。
ダメだ。今日はそこまで暖かくない。身体が冷えてしまうと、沖上がりを決める。
エントリーしたサーフが近づくと、釣り仲間もあがるとのことで、鉢合わせとなった。
「え?雨?振ってないけど?」の言葉に驚愕した。
どうやら私のカヤック周りだけの、超局地的ゲリラ豪雨だったようだ。
ついてないなと思い片付けに入った。

凄いパンがあるらしい

ヤマザキパンがコスト無視で作った「ゴールドソフト」というのがあるらしい。
月に2回しか生産しないのだとか。
これを注文すれば、妻の機嫌も良くなるだろうと、山崎パン高井戸工場サンドイッチ班班長ピクルス担当よろしく、ペンギン歩きで意気揚々と妻に歩み寄ると、「そんなにタチウオ釣ってどうするの?食べ切れるの?」と高圧的な態度で申してくるわけでございます。

食べ切れるのか。

『や、この食パン知ってる?凄いんだよ。』と返しますと、妻はハートマン軍曹ばりに眼前に立ち、「食べ切れるの!?」と、再度声を張り上げるのでございます。

『サー、イエス、サー!』

余計は反論などせず、口でクソをたれる前と後にサーをつけながら空を見上げ、北の海を見ながら夏みかんでも食べたいと思う私であった。

タックル

タイドグラフ

タイドグラフ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

遠征したのにどんくらいも釣れなかった話。

最近すぐ眠くなってしまいます。どうも何某です。こんにちは。

トレーニングしないとと思ってるのですが、堕落した精神はなかなか戻りません。

今回はこれで臨む。

毎度おさわがせします

「ねぇ。これ、どんくらい入れるの?」

まかせろと、勢いよくスマホを掴み曲を流す。

「何が?」

スマホを挟んで見つめ合う妻と私。

キミはどんとくらい。

「ん?何が?」

『立花理佐だよ。』

そんなに首をかしげるか、というリアクションをとる妻。
その姿を見て、思わず私の口から言葉が出る。

『ハンさん。あんたまるで漫画だね。笑っちゃうよ。』

「今度はなんなの。」

『燃えよドラゴンのウィリアムスでしょうが。』

「誰よ。」

『ほら、アフロの。じゃ、ウィリアムスが警官殴ってパトカー奪い去るシーンの真似するから観てよ。これならわかるでしょ。』

何故か眉間に皺を寄せる妻。

『キミと、キミと、キミだ。ほら、ミスターハンが連れてきた女の子を選ぶシーンだよ。ほら。わかるでしょ?』

「情報量が多いのよ!やりたいこと全部やらないで!これを、どんくらい入れるのか知りたいだけなの!」

『え?どんくらい?』

再びスマホから流れる、立花理佐のキミはどんとくらい

「ムキーッ‼︎」

秘密兵器登場

昨夜は妻を怒らせてしまった。
まさか、リアルで「ムキー」なんて言う人がいるなんて。
やはり、クイズ年の差なんてのアダルトチーム、ヤングチームくらいの文化の差があるのが問題なのだろうか。
実は、今回の釣行、本来であれば一泊2日で三宅島遠征のはずだったのだが、あいにくの天候で日帰り御蔵島遠征に変わっていた。
三宅島に行けないストレスを妻で発散してしまったのかもしれない。モラハラ夫に認定、三行半待ったなしの危機。
そのプレッシャーを背負いながら、船は5時間以上の移動をする。何がなんでもカンパチを釣り、妻の口にねじ込むのだ。
船の速度が落ちポイント周辺についたので準備する。
ステラからラインを引き出し、シャウト ステイゼブラグロー 300gをつける。
このステラは前回ハイピッチの方達が調子が良かったのを見て、急遽用意したのだ。
がしかし、このコロナ禍でステラが全く手に入らない。
とある大手釣具屋では、8000HGは店頭に並べられるのは全国で2台しかないと言われてしまった。次いつ入るのかは不明だという。
色々回ったが、別のチェーン店や個人店だ全く在庫が無いみたいなので、店員の話は本当なのだろう。
そして、2台のうちの1台が目の前にある。それを奪い取るように購入した。探し回ってなんとか手にしたステラである。

全く底が取れない

「120〜80mに反応でてるよー。」

船長の言葉を無視して底まで落とす。
今回はカンパチ狙いなのだ。
がしかし、ラインは250m出てしまった。潮が速いのだろうか。底が取れない。おそらく、前回と同じポイントだろうから、深くても160mほどだと思うのだが。
止まらない。ヤバイ。フルライン出てしまう。
急いで回収する。
船中アタりなく二流し目。
400g

に変えた。
がしかし、またしても底が取れない。

『何グラムですかー?』

隣の方に声をかける。

「300gですねー。」

『底取れますか?』

「底ですか?船長ー。ここ水深いくつですかー?」

「400mだねー。」

底がどうとかの問題では無かった。400mなんてキンメとかの世界じゃないか。
前回と同じポイントだと思ったが、少し沖だったらしい。
海図を見てみると、確かに急に深くなっていた。
知ってたわ。底なんか取る気なんてサラサラないわよ。
そんな顔をしてジグを300gに戻した。

サッパリ釣れない

鳥山が出来るも反応はない。
船長が言うには、どうやらカツオが入ってきているらしい。
それがどういう影響があるのかはわからないが、船中何人かカツオを釣っただけで、ウンともスンとも言わない。
聞くと、あいやーじぐロング 260gをゆっくり上げてフォールさせるらしい。
300gしか持ってなかったが、急いで変えてみる。がしかし、これにも反応はない。
ベイトに持ち替え、スローピッチで指示棚を刻む。
だがこれにも反応はない。
打つ手なく空を見上げる。

突然のカンパチチャンス

景色はいい。

細かく移動を繰り返す。
どうやら、ベイトが薄く広がっているため、ここぞと言うポイントが無いらしい。

「反応あるからやりましょう。水深160m。底にも反応あるからカンパチも狙ってみて。」

急いでステラのベールを返す。
着底。底が取れた。
集中して、底を攻める。10kgオーバーのカンパチを釣るのだ。

「ダメだなー。移動します。」

船長のアナウンスが響く。また沖に戻ってしまった。

まさかの気絶

全く反応無い時間が続く。
指示棚をスローピッチでシャクるのも疲れてきた。
スプールをフリーにしてジグを落として一息ついた刹那。ガタンッと大きく船が揺れ膝から崩れ落ちた。
慌てて、右手で船縁にしがみつく。何事かと周りを見るが、皆平然としていた。
少し波が出てきたのだろうか。
再度、上までシャクり、スプールをフリーにして一息つく。
フワッと身体が浮いたあと、カクンと膝が曲がった。
危ない。ロッドを落としてしまう。
力強く両手を握り離さないようにする。
後ろに倒れ込んだ身体を支える。
何が起きてる。
周りを見回すがおかしなことはないようだ。
なんだこれは。
少し休憩しようと、ジグを回収して座り、お茶の蓋を開けた。
刹那。手元からペットボトルが消えた。
『えっ。』っと思いながら暗闇で手を開いたり閉じたりする。
何これ。何が起きている。真っ暗だ。
ヤバイ。突発で何か病気にでもなったのか。
『うわっ‼︎マジご勘弁‼︎』などと思いながら、身体を強く捻ると、急に周りが明るくなった。

『やべぇ。寝てた。』

意識せず出た言葉で、初めて自分の状況に気付かされる。
瞬きしたかしないかで、寝落ち、や、気絶していたのだ。
ダメだこれは。
沖上がりを待たずに、1人タックルを片付けて横になった。

上機嫌の妻に癒される

気がつけば港に着いていた。
爆睡という言葉がふさわしいほど寝ていたらしい。
道具を車に乗せ走り始めたらあっという間に夜。
家路へと急ぐ。
玄関を開けて急いでリビングへ向かうと、妻がニコニコしながら私を迎えてくれた。

「無事に帰って来てくれて良かったよー。」

私が船上で気絶していたのを知っていたのだろうか。
今日はやたら無事で嬉しいを繰り返す。
一歩間違えば、海に落ちる危険もあったのだ。そう考えると、妻に会えた喜びもいつも以上だ。

『ビールを失礼するよ。これ呑んだら道具片付けるので。』

「どうぞどうぞ。」と妻は笑顔でいる。
がしかし、ふと気がつくと、私を見下ろして仁王立ちしている妻。

『え?何?どうした?』

「寝るなら寝室で寝なさいよ!ビールも一口でやめてるし!もったいないから飲まないなら開けないで!」

『なんで俺は寝て。。。ま、まさか、盛ったのか?』

「何が?」

どうやら、ビールを一口呑んだあと、ソファに座り直した私はそのまま寝てしまったらしい。
ヤバイなぁ。体力凄い落ちてるじゃないか。
などと考えていると、光の中から「だから、寝室。。。でしょ。。。もぅ。。。知らない。。。」とリバーブがかかった声がする。
なんだか凄い怒られてる気もするが、フワフワと気持ちいいので、多分気のせいだろう。
そう、気のせいなのだ。

タックル

ジギング(ベイト)

#3

#4

ジギング(スピニング)

タイドグラフ

タイドグラフ。

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