ラグビーを花園ではなく海でやった話。

まぁまぁ忙しく今週末は釣りに行けなさそう。どうも何某です。こんにちは。

いろいろ思うところがあり、キンメ用にリールを買ってしまいました。
使ったらなんか書きます。

今日は書き溜めてたやつです。

ラグビーを花園ではなく海でやった話。

「ラグビーしようぜー。」

無駄に広い田舎の駐車場で「誰が1番上手くダニーッを呼べるか選手権」を開催していた我々の所へ勢いよくR32を横付けしたM氏。
ちなみに「ダニー」とは、ジョジョの奇妙な冒険 第一部に登場するジョースター家で飼われている犬の事である。
両手を広げ「ダニーッ」と叫ぶだけの大会。
20代前半の我々は暇だったのだ。

「何をするだァーッ!」

突然のM氏の登場に、全力で伝説の誤植をするS氏。

「今、ラグビーって魚をぶん投げる釣りが流行ってんだってよー。」

『ラグビーって何や?』

「リュウグウハゼのことを、模様がシマシマだがらラグビーって言うんだってよー。釣って餌にして巻いで来るだけでバカでかいアイナメ釣れるってぞ。」

それは面白そうだと、車から取り出したバスタックルとシーバスタックルを私の車に積み海に向かった。
S氏とH氏が酒を呑みながら「イソメって食えるらしいぞ。」と途中の釣具屋の自販機で購入したイソメを眺めている横で、テキサスリグのバスタックルに、イソメをつけてぶん投げる。
ズルズルと引きずっているとすぐリュウグウハゼが釣れた。

「ブクブク用意してー。おめぇらもラグビーまず釣らねーど。」

H氏とS氏の2人は協力しバケツにエアーポンプをセットした。この中に釣ったリュウグウハゼを活かしておくのだ。
実際は死んでいても問題無いとのことだが、活魚を泳がせる方が釣果につながるらしい。
我々がリュウグウハゼをせっせと釣る横で、ふてくされて無頼派というウィスキーを飲み始めるS氏。

「俺だけドンコしか釣れねーんだもんや。」

『昼にドンコ釣るほうが難しいべ。』

同じ仕掛けで同じ餌。なのに何故だろうか。
1人3匹で4人分は確保したので、とりあえずそれでやろうよとS氏を奮起させる。
重めのテキサスリグのシーバスロッドに、リュウグウハゼをつけて優しく放った。
後はゆっくりと巻くだけである。
活きがいいならリールをフリーにして、糸を多少送りだしておけば勝手に泳ぐのでそれでもいい。
ズルズルと底を引いてくるとゴゴンッと硬いアタリ。
「フィッシュ‼︎」と村田基よろしく叫ぶ。がしかし、噛みちぎられたリュウグウハゼの頭のみが上がってきた。
放置して向こうアワセのほうがいいのかもな、などと話す。
我々が放置しているなか、キャストを繰り返していたM氏の竿が満月に曲がる。 
必死のやり取りを横目に我々は慌てた。タモを用意して無かったのだ。

「おーヒラメだー。」

M氏の歓喜の声が上がる。60cmほどのりっばなヒラメ。
慌ててタモを向けるが、堤防の高さより短く届かない。やってしまったのだ。長いタモは車だ。急いで走る。
戻ってくる頃には堤防をグルっと回して、ヒラメを取り込んでいた。
期待以上の釣果に気合が入る。
少し遠くに投げ、糸フケを取った後、竿先に鈴を付けて様子を見る。
しばらくすると「おっ、食った!」とH氏。まずまずのサイズのアイナメを釣り上げた。
それを眺めながら、やいのやいの言っていると、後方からけたたましく鈴の音が聞こえてきた。
慌てて竿を手に取り、一呼吸置いて大きくアワせる。乗った。
バタバタとした手応えにアイナメを確信する。そこそこ大きい。
タモに入れて取り込むと、50cmほどの黒々としたアイナメ。
ラグビーだとこのサイズが平均だという。
いつものブラーやぶっこみなどで釣っているサイズは25〜40cmくらいなので、いやはやラグビーとは物凄い釣りだなと、4人は驚いていた。

「やっときたぞっ!」

S氏がステラをクルクルと回す。
勢いよく寄せるので、水面から飛び出た20cmほどのアイナメが宙を舞った。

「ラグビーってのは大物ばっかり釣れるらしいぞ。」

ケラケラと笑いながらM氏とH氏がからかった。

「味噌汁に入れるにはちょうどいいサイズだ。」

と無理やり自分を納得させるように言うS氏。
一応は全員釣り、餌も無くなったので帰宅する。
道中、郊外の大きなゲームセンターへ寄ると、UFOキャチャーの中に手のひらより少し大きいかというサイズの伊勢海老がいるのを見つけた。
何故こんなところに伊勢海老が。しかも活きている。と驚きながらも1回づつやってみる。
もちろん、生きているということは動くわけで、そんな簡単には取れないのではあるが、釣果がイマイチのS氏は、ここぞと人一倍突っ込んだ。
4,000円くらい投資した頃だろうか、隣の小綺麗にしたフィリピン女性の「ウワァォ!!アームが弱いわよっ!!オーナーァッ!!アームが弱いわよっ!!」という叫びが響くなか、S氏のアームが伊勢海老をしっかりキャッチし穴の中へ落とした。

「ビタンッ!!。。。。ビタッビタッビタッ。。。」

『えぇ。。。』

あぁ、やはりそうなるのか。
もしや、と思ってはいたのだが。
取り出し口を覗き込むと、ビシャビシャに濡れた伊勢海老が暴れまくっていた。
勇気を出してS氏が手を伸ばすと、掴みそこね床に落としてしまう。
拾おうと一歩踏み出したS氏のつま先は、綺麗に踊り回る伊勢海老にヒットし、「シュルシュルシュル。。。」と回転しながらスロットコーナーに向かってカーリングのように滑っていき、花火を打っていたギャルの足元で止まった。
慌てて拾いに行ったH氏に、隣の彼氏が問う。

「何すか?なんか用?」

「伊勢海老が逃げ出したんだよね。」

「何?エビ?。。。わっ。。。伊勢海老。。。」

去り際に「ザリガニじゃね?」と、ギャルの声が聞こえたらしいが、そのままH氏は店員のところに行き袋に入った伊勢海老を持ってきた。
帰りの道中は、「あんなに汚い環境にいた伊勢海老は食えるのか?」問題でもちきりだった。
翌日S氏に会った私は、伊勢海老がどうなったのか気になり聞いてみる。

「おっとぅが朝に味噌汁にして食ってだのよ。」

聞くと、伊勢海老どころかアイナメ、ドンコもブツ切りにして味噌汁にしていたらしい。しかも完食。
出処がわからない食材を勝手に食すという漢の行動に、「昭和の父親ってのはすげーな。」とただただ驚く2人であった。

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