書くネタがあるうちが華。どうも何某です。
年末年始の釣りはこれで終了。
嫁、釣りに興味を持つ
照英・児島玲子の最強!釣りバカ対決!!という番組を嫁がたいそう気に入っているようだ。
クリームを愛読していた私としては、なんだか元カノを見られているような気がして少し恥ずかしいが、嫁が釣りに興味を持ってくれるのは良い。
『こじれいはお菓子系アイドルなんて言われててだね。それはそれは可愛かったのだよ。』
などと教えてあげても、過去には興味が無いらしい。
嫉妬してるのだろうか。
とにかく、こじれいの解説がわかりやすい。なんだか私でも釣れそうな気になってくる。とのことで、釣り船に一度乗ってみたいとのこと。
気が変わらないうちにと、平塚の船宿を予約する。
最初なので確実に釣れるであろうLTウィリー五目にした。
その後、家の二階から竿を出し、リールの使い方やらビシの使い方、仕掛けの投入、シャクリ方を練習させる。
練習が終わり呑みに行った先でも、時折思い出したかのようにブツブツ言いながら手を動かしいる。
どうやら、湯豆腐のレンゲを持って、ビジにコマセを入れているらしい。仕掛けを投入。着底。
水深10mくらいの想定だろうか。
「シャッ。シャッ。」
何かをつぶやいている。多分脳内ではシャクっているのだと思われる。
勉強熱心な嫁を肴に呑む。
嫁、緊張で無言になる
朝起きてから終始無言である。えらく緊張しているらしい。
どうやら、下手なことをすると船長に怒鳴られるという話を聞いてから、初心者なのに大丈夫かと心配しているとのこと。
さらには、船長の怒りを分散させようと誘った友人が、当日朝ドタキャン。これがより緊張を煽っているようだ。
とはいえ、私も乗合に乗るのは20年振りで、上京してからは一度もない。お互い言葉数少なく夜明け前の平塚新港に向かう。
到着し船宿の前に車をつけると、「荷物を降ろして駐車場に停めて来てください。」と案内される。
慌てて2人で荷物を降ろし、嫁に車を停めて来るからここで待っててと声をかける。
にもかかわらず、私より早く車に乗り込む嫁。
駐車場に車を停め理由を聞くと、皆せわしなく動いていたので、一人でいるのが怖かったとのこと。まぁわからんでもない。
身支度を整えて戻り受付をする。
一人キャンセルになったため、キャンセル料を取られるかと思ったが取られなかった。それどころか、2人だとカップル割なので、3人の時よりだいぶ安くなりますよ。とのこと。助かる。
釣座は勝手に決められた。左舷のミヨシ側。まぁ悪くないが、なかなか混んでるようで、五目船だけで何隻か出ているらしい。嫁はオマツリを心配する。
レンタル予約していた嫁の分の竿とリールを受け取り、トラックの荷台に乗り込んで船に向かった。
無事乗り込み、両脇に挨拶しながら釣座に着き準備をする。
ビシと天秤は船長に直接借りるとのことだったので、嫁に借りてきてと声をかける。
自分の分の準備が終わり、嫁に『天秤は?』と声をかけるが、まだ行ってないと返答。
どうやら船長に怒られるのが怖くて声をかけれないらしい。流石にこのタイミングで怒られたらキチガイすぎるだろうと説得。
無事天秤とビシを持ってきた嫁は、「優しい人で良かったよ。」と。まぁそうだろうなと思いながらも、良かったねと返す。
船長と仲乗りが優しかったので落ち着いたのか、嫁は少し喋るようになった。
嫁、パニックになる
無事船が出港した。
揺れる物を見ているだけで酔ってしまう嫁。がしかし、寝る前と直前に飲んだアネロンが効いてるのか、「気持ちいいねー。」とご満悦の様子。
イメージトレーニング通りにビシにコマセを入れて船長の声を待つ。
「どうぞー。水深26mで下から6mくらいまでシャクってみてください。」
船長から声がかかり一斉に仕掛けを投入する。
嫁はイメトレ通りにできているだろうか。見るとリールを凝視したまま棒立ちしている。ピクリとも動かない。
『どうした?何かあった?』
「無いの。違うのよ。これじゃないの。」
棒立ちの嫁を見て仲乗りが声をかけてくる。
「やり方わかりますかー?」
「あわわわわわ。。。」
「じゃ、ちょっと教えますねー。」
ひと通り教えられ、1、2回落としたことで平静さを取り戻した様子。
何があったのかと聞いてみたところ、練習に使った私のリールとレンタルしたリールではクラッチの位置が違うため、扱い方がわからずパニックになったとのこと。
なるほど。先に教えておけばよかった。私にも余裕が無かったことを反省する。
嫁、アジを釣る
船内は小型のアジが釣れている。私もあっという間に20匹弱釣る。
泳がせの仕掛けを持ってきてはいるがやっていいのだろうか。とはいえ、今日は嫁に楽しんでもらうことが大事である。サポートに徹する。
ミヨシではワラサが数本あがってきた。どうやら泳がせをやってるらしい。多少混んではいるので、周りの仕掛けを巻き込みながらあげている。やはり今日はやめておこう。
嫁はというと黙々とシャクっている。不安げな顔をしながら仕掛けを回収。するとアジが一荷でついていた。
『初めてなのに凄いじゃないか。』
「釣れてたー!わからなかった!!アジっ!アジッ!」
魚に慣れてもらうように、あえて手を出さず見守ってみる。
フィッシュグリップで捕まえてラジオペンチでハリを取ろうとするが、どうにも上手く外れない。
魚を触るのも嫌がっていた嫁が、夢中になってハリを外している。なかなか興奮する光景だ。良い。
やっとのことでハリが外れた嫁は恍惚とした表情で私を見る。私ももちろん恍惚としている。
一人で全てのことが出来るようになり、再び仕掛けを落とした嫁を見届け、私は竿を持ちかえた。
嫁、スランプになる
アジに飽きた私は指示ダナを無視して底ばかり狙っていると、少し強めのヒキの魚を釣る。20cmほどのクロダイ。
ちょっと小さいなとリリースすると、お隣さんが「あぁ、勿体無い。」と呟いた。
流石に小さいでしょうと思いながら続けると、そのお隣さんが同じサイズのクロダイを釣る。
それを見た船長が
「ヘダイもあがりましたよー。美味しいですからねー。狙ってもいいと思いますよー。」
と声をかけてきた。ヘダイだと。聞いたことがない。クロダイじゃないのか。
先程と同じように誘っていると、先程と同じ魚が釣れてきた。
『これってヘダイですか?』と聞いてみると、「そうですね。美味しいから持って帰ったほうがいいですよ。」との返答。なるほど。クロダイではないのか。知らなかった。
とりあえず2目だなと嫁を見ると、仕掛けが絡まっていたのでほどいてあげた。
しかし、しばらくするとまた仕掛けが絡まっていた。
どうやら仕掛けを回収すると絡まってあがってくるらしい。
「なんで絡まるんだろう?スランプだー。もう時間ないのにー。」
なんだかんだでもう時間がない。最後に何か釣らせてあげたいところだが。
ネンブツダイばかり釣れてくるので、私は釣りをやめ嫁を見ることにした。
すると、着底からすぐシャクっているのを発見。おそらくそのタイミングで仕掛けが絡まるのだろう。
着底後に仕掛けが馴染むように少し待ってからシャクってごらんと言ったところ、そんなの意識したことがなかったという。
嫁が言うには、最初の頃は慣れていなかったため、底がとれていなかったので勝手に仕掛けが馴染んでいたのだろうと。なるほど。確かにありえる。
仕掛けが絡まなくなった嫁を横目に片付けていると、時間いっぱいとなった。
回収が終わった嫁が、私に何かを見せてくる。
「何かいる。」
見ると親指ほどのカサゴ。キーホルダーかと思った。
おそらくシャクるまで待ち過ぎたんだろう。うちじゃ飼えないから返してきなさいと伝える。
嫁、大満足だが
自宅に帰りどのくらい釣ったかを数えてみると、アジ43匹、ヘダイ1匹であった。
これを全部捌くのか。と思いながらも、今夜の新年会の準備をする。
南蛮漬けやら刺身やらにして提供し、残りは家用にアジフライにして冷凍するつもりだ。
その様子を眺めている嫁に、楽しかったかい?と聞いてみたところ
「凄い楽しかったけど、趣味としてハマりはしないかな。」
だそうで。
やっぱり気疲れのほうが多かったからとのこと。
しかし、年数回なら行きたいとのことなので、今度は仕立てでキハダでもどうだろうかと提案してみることにする。