地元の定置網関連で漁師さんとのトラブルが増えてるらしい。どうも何某です。
定置網破損で高額な賠償金だけでなく、漁協が管理している港や浜は閉鎖されてしまう可能性が出てきてるので定置網、地引網などには近寄らないようにしましょう。
無風の朝
予報が怪しい。しかし実際は無風。なんて事だ。急いで準備する。
日の出時間も早くなった。6時前だというのにすっかり明るい。
沖に出るとSUPやインフレータブルカヤックの方が釣りをしていた。
数百メートル離れたところでイカヅノを準備する。最近相模湾でイカが調子良いとのことなので買ってみたのだ。
ところが、カヤック上で取り出してみた仕掛けは想像以上に長い。このままだとカヤックでは扱いづらく使い物にならないか。
なんとか準備が整い顔を上げると、先程見かけた方達のすぐ側まで来ていた。
驚くほど潮が速い。魚探を見るとおよそ1.5km/hで流されている。今日は厳しいかもしれない。
一瞬で荒天に
横波を受ける形で流されている。こういう時はアンカーが効かない。
少し沖に出てシーアンカーを投入する。思ったとおりロープが伸びずアンカーが下に沈んで行く。
イカヅノを落とすも40号程度のオモリでは真横に流されているようだ。
今日は日が悪い。底が取れないのではしょうがない。浅いところで適当にやって帰ろうと片付けていると、少し風が出てきた。
風浪が徐々に大きくなる。約3km/hほどで進む。東北東の風。クロスオフショアというのだろうか。後で確認すると風速4m/s。朝の予報の1.2m/sとはなんだったのか。
エントリーした浜に向かうには向かい風になるが、このくらいならプロフィッシュ45は問題なく進む。
とはいえ、それは現段階での話。これから強くなるようだと帰れなくなるだろう。最悪の場合は流れを使って小田原あたりに着いて電車で帰ってこればいいのだ。とにかく今は安全第一。
SUPでこの状態の場合だと、死ぬ可能性あるなと思いながら注意深く安全な方向へパドリングしていく。
そういえばと見渡すと、インフレータブルカヤックの方達が岸際に戻っていくのが見える。がしかし、全く進んでいないようにも見える。
インフレータブルにはキールが無いのではないだろうか。直進するのが大変だろう。
20分ほど進んでいくと、若干風が弱まった。ここが勝負どころと一気に速度をあげる。残り400mほど。
角度的には、放っておいても浜に流れ着く位置に着いたためほっと一安心。リーシュを外し準備を整える。
岸際で止まり様子を伺うと、形状のせいか、沖からだけでなく左右からも波が打ち寄せ、さらにはクロスして引き波が起こっているようだ。これは沈するかもなと魚探とリールをドライバッグに入れクーラーボックスに放り込む。
沖を向いてタイミングを見図る。それほど高い波では無いが、セットを外さない理由はない。
覚悟を決め波の背に乗るタイミングで着岸するようにパドリング開始。上手いこと行ったと思った刹那。右から波が打ち寄せ左に振られた所を、カウンターで左からの波に襲われた。カヤックが勢いよく右を向く。
この衝撃たるや。海堂晃の双龍脚を食らった時と同じだ。
右を向いたカヤックから飛び降りる。次の波のタイミングを見て瞬時に判断する。
波の力で押されたカヤックは、密着からの状態でも確実に身体を壊すくらいの衝撃がある。例えるなら虎砲と言えばわかり良いか。
師曰く
「虎砲を放って倒せなかった男は、陸奥圓明流千年の歴史の中でも数名しかいない。」
その威力がうかがえよう。
逃げるか、はたまたカヤックを引き上げるか。届く範囲にハンドルがあったため、カヤックの体制を立て直し、波に乗せて一気に引き上げた。おおむね無事成功というところか。
「兄さんならできたはずの技だ。」
そんな言葉が思い出される。
離れた岸に先程のインフレータブルカヤックの方達がいる。よかった皆無事のようだ。
短期決戦でリベンジ
翌朝。前日の予報が外れていたため、どうするか迷ったが結局再度ホームサーフへ。
10時くらいには風が強くなる予報なので、慎重になりながら沖に出る。
カヤック用に短くしたイカヅノを投入するも、すぐ飽きてしまい、新しく買ったスパイファイブを試すことにした。
マイポイントである「鞘師」の上を流しながらシャクっていると、水深200m、底から3mほどの位置でのロングフォール後にガツンとアタリが。
軽めにアワせて巻き上げるが、ドラグが勢いよく鳴る。少し締めながら巻き上げてくる。一体何がかかったのか。
残り60mを切っても引きは収まらない。ドラグはまだまだ鳴る。相当な大物かもしれない。期待が高まる、
勢いよくタモを水中に入れ取り込んだのはマトウダイ。
変わった口と頭に、自作アシストフックが3本しっかりとかかっている。
どまぐれ気質のハスラー。無敵の3本フック。
市販のアシストフック をサンプリングしエデットをかました結果がこれだ。
無事リベンジした直後、若干風が出てきた。昨日の今日。反応も悪いため、早めに納竿とした。
アカムツの生体を探る
今日は高級魚のマトウダイが釣れたよと嫁に告げる。
「知らない魚だ。毒あるんじゃないの?」
眼前に差し出す。
「うわっ。やべーやつだ。毒あるやつ。」
こいつは何も知らないんだな。ラオウを見るトキの目で見ながら、『無知を恥じろ馬鹿野郎。』と罵る。
「美味しの?」の問いに答えるべく検索を始める。
「何だ知らないんじゃん。」の言葉を華麗にスルーしながら検索結果を見ると、何やら釣ったのと違う。
どうやら釣ったのはマトウダイではなく、カガミダイという似ている魚らしい。
我が家には無知しかいない。
こうなったら、さかなクンを捕まえて、ニプルをハードに拘束して飼おうかという提案は秒で却下され、水族館に行こうと返される。
ビールを呑みながら来れば沼津水族館は意外に近い。
「ここで魚に対する知識を高めるんだよ。」と言われ、入るとものすごい人だ。
人混みを嫌う我々は、一歩下がって見て回る。目の前には、なんとしてでも魚を写真に収めてやろうと、スマホをいろいろな角度に傾け試行錯誤している人たちが次々続々と来る。凄い必死な感じに見える。
空いている水槽はないかと見渡すと、大きい水槽の前にはそれほど人がいない。覗くと大きなタカアシガニが歩き回っている。大迫力だ。
なんでこんなに迫力あるのに人がいないんだろう。
「暗いからなんちゃら映えしないんじゃないの。」
と嫁。なるほど。深海水槽は照明が暗い。
水槽の説明を見た嫁がアカムツがいるらしいと教えてくれた。しかし見当たらない。細かく見ていくと、岩場の隙間に3匹密着している。
なるほど。アカムツは1匹釣ったら再度そこで釣れるというのはそういうことか。
しかし動かないな。他の魚は動き回るのに。
結局2人で10分以上眺めていたが、アカムツが動くことはなかった。
帰り際に「マトウダイいなかったねぇ。」と言った嫁はどういうつもりだったのだろうか。