ひさぶりに野毛に行ったら、すっかり観光地になってました。どうも何某です。
あんだけ写真禁止とか怒っていた立ち飲み屋が、すっかり丸くなってました。
辛いやつもマイルドな感じになって、飲み歩きもしやすくなっているのが寂しい気がします。
うっかり出遅れる
カーテンの隙間から見える色は、日が短くなったことを知らせてくれた。
なんだか起きる気がなくなり、二度寝を決め込む。
15分後のアラームを機にゴロゴロとベッドから転がるように出た。
リビングのカーテンを開けると、夜明けまで10分ほどの時間ではあるが、外は真っ暗である。核の冬。そんな言葉が浮かぶ。
顔を洗い、着替えて氷を持ち外に出ると、海側はすっかり明るい。やられた。山だろうか、雲か何かの影になって、日が全く当たっていなかったのだ。
ホームサーフへ着くと駐車場はほとんど埋まっている。なんとか停め沖を見ると、すでにSUP、カヤックの方々が大勢浮かんでいた。
ペンペンと遊ぶ
波がないのですんなり離岸が出来た。
昨日近所の方から、でっぷりと太ったカマスが入ってきており、それを追ってカンパチもきているという話を聞いた。今日は浅場でカンパチを狙う。まぁ浅場と言っても水深100mほどはあるわけだが。
ライトジギングロッドを準備をしていると、よくお会いする方が声をかけてきた。
情報交換していると近場でナブラが発生。
急いでパドリングしその勢いのままルアーをキャストする。がしかし着水前にナブラが沈んでしまった。
残念がっていると、真横の潮目でペンペンの群れが漂っているのが見えたので、そこにラピードを通すと連続でアタックしてくる。その中の一匹のバイトが乗り素早くアワセた。連続でジャンプした魚体は30cmほどしかなく可愛いサイズ。4回目のジャンプでフックが外れる。その後も乗らないが連続でアタックしてくるペンペンとしばし戯れた。
魚探の調子が悪い
どうも接点がよろしくないのか、魚探が映らない。一旦放置し青物狙いでジグを落とす。
ワンピッチで素早くシャクってはみるも反応がない。こういう時はサイドビューがあると相当助かるのだが。
大潮だというのに、潮もゆるくほとんど流されない。
結局1時間ほど魚探なくシャクってみるも飽きてしまい、山立てをし中深海を開始。
クランキーを落とすと一投目でゴツンとアタリが。この手応えはアイツだなと巻き上げると、やはりシロムツ。
最近シロムツのフライにハマっているので、ありがたくキープする。
初めてスミヤキ
潮が流れないせいか、どうにも底の反応が悪い。
困ったなと一旦ジグをあげ、魚探をいじってみることにした。
あれやこれやと配線をいじっていると、電源が入る位置を発見。どうにもバッテリー側との接点の問題のようだ。
とりあえず魚探が復活したのでポイントに移動する。しかしやはり潮が流れない。風もないのでどうしたものか。
潮目がたくさんあるので、どこかしらは流れてるだろうと移動を繰り返す。なんとか流れているところを発見。とりあえずスパイファイブ200gを落としてみる。
底から5mを細かく刻むも反応無し。その後、20mまでゆっくりワンピッチでアピールしていく。
そしてテンションフォール中にラインに変化がおきた。
釣行後の浜での会話でもあったのだが、中深海でのアタリは明確に出ないことが多い。ここで言う変化も、何が起きたというのも説明が難しい。
このジグでこの潮なら、この力でシャクったらこのくらいの引き重さだろうだとか、フォールスピードが変わっただとか。
今回の場合の変化というのであれば、フォール中のラインが、まばたきほどの速さで歪んだように見えたとか、数グラム重たくなったとか、そんな小さな違和感。年中同じポイントに通うことで身についた感覚が狂ったような。
とはいえ間違うことも多い。まぁでも回収してジグの様子を見ることは悪いことではないのでと、軽く回収をはじめる。
ゴンゴンゴン。
気持ちよく叩く。今回の違和感は当たりのようだ。
数十回転おきに叩いてくる。気持ちが高ぶる。残り80m。まだ叩く。残り40mとかで叩いてくれれば確定かと慎重に巻くも、その後はすんなりあがってきた。
姿をチラ見すると、なかなかの大きさ。慌ててタモを取り取り込む。
なんという魚だったろうか。初めて釣った気がする。カヤックの幅を考えると70cmほどはあるようだ。
獰猛そうな顔、鋭い歯を見て思い出した。スミヤキだ。正式にはクロシビカマスだったか。
先日地元の居酒屋で骨は多いがすこぶる美味いという話しを聞いていた。思わずガッツポーズする。
潮が流れはじめる
どうにも緩かった潮が徐々に流れてきた。浜に向かっているようなので、このまま流されて納竿しようと考える。
P.J.RIDEを投入するといい感じで斜めに落ちていった。しかし、底から5mは反応無し。落とし直そうと20m付近で大きくシャクったところ、途中でククッと竿先が動いた。
このパターンはシロムツだろうかと巻きあげると、定期的に叩く。がしかし、またしても残り80m付近でおとなしくなった。
水面まで巻き上げると、前回同様スミヤキ。
サイズは大きくないが、嫁と食べる分にはちょうどいい。急いでタモに入れ持ち上げると、スルンとスミヤキがすり抜けていった。
何事だろうか。ついに老眼が来たか。目測を見誤ったか。
ロッドを持ち上げると、網をすり抜けネットイン。
どうやら最初のスミヤキが暴れた際に、ラバーネットを歯で切り裂いたらしく数カ所切れている。ここから抜け落ちたようだ。
鋭利な刃物で切ったようにスッパリいっている。よくラインがスパッと切れているのは、この歯のせいであろう。厄介な歯だ。
血抜きをしながら再度ジグを落とす。着底間際にラインが暴れるので急いでロッドを手に取りサミング。
着底後に糸ふけを取ろうと巻くと、何やら重い。軽くシャクってみるとコンコンと叩いてくる。何か途中で食ってきていたようだ。
またしてもスミヤキ。初の魚が連発するとは。今日はこれしか釣れないのでは。
フックを外そうとすると、アシストラインのPEが切れており、中芯に入れたフロロがむき出しになっていた。
フックを交換しようともしたが、これ以上は消費出来ない。風も強くなってきたので納竿とした。
スミヤキに泣く人もいる
着岸すると、よく会うSUPの方々が話しかけてきた。
聞くと、スミヤキにジグを持っていかれて相当へこんでいるらしい。
毎回数千円もするジグを何本も無くしてしまい、金がかかってしょうがない。どうしたらいいのか。ということらしい。
なんとなく思うに、タチウオと一緒でラインが緩んでる時に歯に当たっているのではないだろうか。
アタリは取れているのか聞くと、ほとんど取れていないのだという。
おそらくそのせいで、気づかないでシャクってしまったりしてる時に、切られてるんじゃないだろうかという話をしたところ、ではどうすればいいのかと。
感度の良いロッドに変える。というようなことを思いついたが、あんなもの、そうそう気楽に買える値段のものではない。
結局、シャクったり、落としたりしている感覚を覚えておいて、ちょっとでも違和感があれば面倒でもすぐ回収したほうがいいと伝える。
「え、あんたそれを毎回手巻きでやってんの?」という顔を一瞬されたが、すぐに「なるほど。」という当たり障りない言葉が返ってきた。
帰宅後嫁に、『手巻きだからこそ伝わってくるものがあるのかもしれないなぁ。』というようなことを言ったところ
「はじめた頃は電動買えばよかったって喚いていたじゃねーか。」
と吐き捨てられた。
『まぁそういう時期もあるよな。』とスミヤキに呟きながら包丁を手にとった。