なんだかんだで昼間はまだまだ暑いですね。どうも何某です。こんにちは。
カヤック乗り換えました。
縄化粧に宿る芸術性を感じて欲しい
『このくらいの肉付きが良いのだ。』
まるで生え揃わぬあの頃のように、下腹のゾワゾワ感が止まらない。
リビドーを隠しもせず、屋根裏部屋から1番長いロープを取ってきた。嫁は不思議そうな顔で見ている。
優しく、時に荒々しく、がしかし丁寧にロープで縛り付けていく。
少し足らないのではと、亀甲から菱縄縛りに変えた。
ちくしょう。やはり縄の長さが足りない。豊満すぎるのだ。
男の欲望そのものが目の前にあるというのに。俺はここまで無力なのか。
「どこ行くの?」
『ロープが足りないんだ。買ってくる。』
「ロープ?何に使うの?」
『縛るために決まってるでしょうが。』
なんだかよくわからないが、さては、またおかしな事やりはじめたな。という顔でこちらを見ている。
『縄化粧という言葉があってだね。もう少しで完成なんだ。』
強めの「やめなさい。」が耳に届く。
「あんたまさか、買ったばかりのカヤックを緊縛しようとしてるんじゃないでしょうね?」と、言葉には出さないが、呆れつつも厳しい目でこちらを見ていた。
や、緊縛なんて言葉は嫁は知らないのだ。がしかし、明らかに我が家にとって、決してプラスにならないことを、旦那がやろうとしている。そして、私は阻止する。という意思が感じられた。
泣きながら戻り、縄を解放する。多少なりとも縄酔いしたのか、肌を赤く染め、グッタリと横たわっていた。
ホビーカヤック アウトバック 購入しました。
進水式
夜明けまでだいぶ時間があるが、楽しみすぎて目が覚めてしまった。
粛々と準備を進める。
慣れた段取りと変わるので、指差し確認で持ち物をチェックする。
夜明け近くなってきたので、寝室に行き声をかけた。
「もうそんな時間かい。。。はい。。。準備します。。。準備します。。。」
ホームサーフに向かう道中、眠そうにしてる嫁に『無理して来なくてもよいのだよ。』と声をかける。
「9月10日ですからね。特別な日ですからね。」
リーダーのイメージカラーを思い出し、それを緊縛しようとしていた自分を恥じる。
高速を降りて134号。
ホームサーフへ着き、進水式の準備をする。
塩をカヤックのミヨシとトモに盛る。ワンカップの蓋を開け嫁に手渡した。
『清めの酒をかけてる写真撮りたいから、お願いしてよいかい。』
うむ。と、嫁はうなずきながら盛り塩に酒をかける。
豪快に塩が流れてしまった。
朝焼けの中、カヤック上に崩れ流れた盛り塩を見下ろし固まる2人。
「これは違う気がする。」
呟く嫁。
まぁ、いいじゃないかと、海に向かい2人並ぶ。
二拍し、声を揃えて『よろしくお願いします!』と頭を下げた。
快適さにビビる
離岸を嫁が見ている。緊張だ。
慣れたプロフィッシュ45なら動きの予測がつくが、初めて乗るカヤック、このアウトバックは波に対してどうなるのか。
嫁の前で沈すれば余計な心配をさせてしまう。
何度も波をやり過ごしているうちに、意外とプロフィッシュ45より制御しやすいなと感じていた。
船底の形の違いが影響しているのだろうか。
パドルで勢いよく出れるのか心配だったため、タイミングをみて押し出し、飛び乗った。
だいぶミヨシ寄り、かつ、正座というエキセントリックな離岸となったが、無事沖には出れたようだ。
体勢を直す。
このアウトバック、一次安定性、つまり、静止時の安定が凄い。海上でも余裕で椅子のポジションを再設定できた。クーラーボックスへの振り向きもしやすい。
魚探をセットし、いよいよミラージュドライブを挿入。
漕ぎ出してみると、スーッと進んでいく。試しにラダーを入れてみると、もの凄い勢いで方向を変えた。船と一緒でスピードが出ている時は、ラダーの扱いに気をつけないといけなさそうだ。
クルクルと試しに回り、いよいよ沖へというタイミングで、嫁に向かって手を振る。
がしかし、すでに帰宅していたようだ。代わりにカメラを構えた老人が、加納典明よろしく、ファインダー越しに私を覗いていた。
カメラを通して脱がされる感覚を覚えながら、交互に踏み込む。3ノット、4ノット、5ノット。凄い。9km/hは出ている。
足が疲れてきた。どうやら頑張りすぎたらしい。巡航速度を探る。
負荷があまりない力加減と踏みシロを模索すると、4.5ノット付近で巡航出来ているようだ。とはいえ、追い潮のようなので参考記録である。
試しに潮に逆らってみる。それでも6〜7km/hほどで進んでいく。
風や波があったとしても、基本的にプロフィッシュ45のほぼ倍の速度で巡航できるとみて間違いないようだ。
や、パドリングで巡航となるともう少し遅くなるか。ミラージュドライブの凄さは、休まずにその速度を維持できるところなのだろう。足漕ぎカヤックの実力を体感。
二次安定性も良く、波にあわせてパドリングする必要も無いので、とにかく自分のペースを維持出来る。素晴らしい。
突然の出現にビビる
数km先のサーフから知人達が出ているのを知っていたので、そこまで行ってみることにした。
追い潮も味方して、あっという間に見えてくる。とんでもなく余裕だ。
会話しながら釣っているSUPの群れに近づく。なんか変なカヤックが来たなと、用心しているようだ。
がしかし、近づくにつれて、驚きの声があがった。カヤックの乗っているのが、そう、私だからだ。
いつもと違うどころか、足漕ぎ。買うも買ったも聞いてないと。
質問に答えながら、後進してみる。
『これ、バックも出来るんですよー。』
スルーされ、別な質問が来る。
『見てくださいよ。バックも出来るんですよ。』
別な質問が来る。
なぜか、カヤックが後進出来ることだけ、皆に聞こえないらしい。呪いだろうか。バックという響きが、家族団らんで見る火野正平のような感じに聞こえるのだろうか。
一旦、釣果などに話題を逃げつつ、ここだというタイミングで放り込む。
『ほら、後ろ!進みますよ!ほらっ!』
目はあっているのに、何故かスルーされてしまった。
なぜ、この話題だけ。謎のまま釣りを開始する。
とりあえず釣る
ジグサビキをとりあえず落としてみる。
仕事があるため、それほど時間は無い。釣ってからの所作、道具の位置などを確認するために、とりあえずサバでもなんでも釣ろうという考えだ。
ひとまず、ハンドル操作のみでシャクる。
アウトバックは海面からだいぶ高さがあるため、竿先が海面を叩くことが無い。
プロフィッシュ45では、喫水があり海面に近いことで安定していたが、それが理由で毎回バシャバシャと叩くため、何気に気になっていた。
スピニングでのジギングで、リールがカヤックに当たってしまうのも改善された。
水深30mに着底した瞬間、何かが食ってきた。
手頃なサイズのホウボウ。
締めながら、タモやボガグリップの位置などを直す。こうやって自分好みに仕立てていくのだ。
初着岸
アンカー無しでもいけるのかを確認しながら流す。
艇のバランスがいいのか、トモ立てのように忙しく操作しなくてもラインが立つ。今日は条件がいいのだろうか。
どちらにせよ、スパンカー必須というような感じでもなさそうだ。作成する準備はしていたのだが、荷物が少ないに越したことはない。しばらく無しでやってみよう。
そろそろということで、周りに挨拶し、戻ることにした。
だいぶ距離はあるが、それほど苦ではない。
着岸ポイントの手前まで行き、荷物を整理する。
ミラージュドライブを引き抜きパドルに切り替えた。
少しパドリングでウロウロし、感覚を掴んだ後、波がブレイクする手前で、前後進、ホバリングを試す。
アウトバックはパドルで進まないというような話を聞いたことがあるが、実際はそんなことは無いようだ。
ただ、ミラージュドライブの挿入口が抵抗になるというのは、あるかもなと感じる。離着岸で問題になるくらいでは無いだろうが。
少し距離を置いて波の背を追ってみる。ミスると派手に沈する波だが、プロフィッシュ45の成功体験をトレース出来る性能は持っている。何も心配がない。
どんどん波が高くなってきていたが、数本小さい波があったので、そのタイミングで着岸した。
急いで浜に上げる。
やはりプロフィッシュ45より20kg近く重いため、陸にあげるには一苦労する。
バルーンタイヤを装着し引っ張る。重い。位置によってだいぶ引きやすさが変わるようだ。純正ではないので位置決めが難しい。
家に着くと嫁が起きてきて、「これからよろしく頼むよ。」とカヤックに声をかける。
我が家に家族が増えたようだ。
タックル
ジギング(ベイト)
- ロッド: テイルウォーク ソルティシェイプダッシュ スローピッチジャーク 632
- リール: アベット SXJ G2 6/4 MC 2-Speed
- ライン: サンライン PEジガーULT スローピッチジャーク専用 1.2号 20LB
- リーダ: クレハ シーガー船ハリス 7号
ジギング(スピニング)
リーダ: クレハ シーガー船ハリス 7号