お腹が減ったら食べる。どうも何某です。こんばんは。
何度もダイエット成功してるから大丈夫。怖くない。
ラーメンが食べたくなったので、ネットで評価の高いつけ麺屋に行ってみる。
客は、僕とほぼ同じに入ったカップルと先客の男性の計4人。
厨房に男性が1人。いらっしゃいませの声からおそらく中国の方と思われる女性がホールに1人。
無難なつけ麺を注文。
待っている間暇なので左隣のカップルの会話に聞き耳を立ててみた。
まぁ、カウンターだけの狭い店内なので、何もしなくても全員に会話が聞こえるのだが。
男「どういう男がタイプなの?」
女「目が細い一重の人がめっちゃくちゃ好きなのね。二重の目パッチリの人が顔近づけてきても全然ドキドキしないのよー!!」
偶然にも僕の目は一重で細い。もしやこの女俺に気があるのか?
喋り方はいささかイラつく感じだが、黙っていれば黒髪が綺麗な清楚な目パッチリのまずまずの美人だ。
これは有りだな。
などと考えながら男を見ると、僕以上に目が細かった。
女「そっちはどんな人がタイプなの?」
男「肩までくらいの黒髪で目が二重で大きい子かな。」
女「えー、私じゃーん。うふふふー。」
茶番だ。
あぶない。完全に噛ませ犬になるところだった。
一瞬でも今夜はイケると思った自分を恥じる。
話の流れからまだ付き合ってはないようだが、まぁ時間の問題だろうなという感じ。
好みのタイプでお互いの容姿をそのまま言い合うなんてもう付き合ってるようなもんだろう。
完全に男はいけると思ってる顔してる。
僕と”カップル”につけ麺が運ばれて来ると同時に、僕の右隣に座っていた男性は席を立つ。
中国人の女性店員が丁寧に片付ける。
女「今日店長に告られちゃってぇ〜。」
男「えっ?」
女「どうしようかと思ってさぁ〜。」
雲行きが怪しくなってきた。
男「働いてるとこの店長だよね?店長って結婚してるよね?」
女「子供もいるのよね。だからどうしたらいいのかなと思ってぇ。」
穏やかじゃない。
いつもは豪快にラーメンをすする僕も、今日ばかりは静かに箸をたぐり寄せる。
しかし、考えればまぁよくある手だ。
男の気を引くために、告られただと気になるっぽい人が出来ただの。
この女、だいぶしたたかだな。
男の顔を見ると、完全に焦っている。
箸は全く進まず、口がパクパクいっている。
女が1人つけ麺食べながら、店長がどんな人で、どういう状況で言われただの勝手に喋っている。
すると男が急に
男「そんな妻子持ちの店長なんかやめて俺と付き合おうよ。」
まさかのラーメン屋で告白。
いや、流れ的にここで言うのも有りか。
カウンターを拭く中国人店員の手がゆっくりになっている。
女「もぉー。冗談ばっかりー!ダメよそういう冗談言っちゃー。」
男「いや、本気なんだよ。ずっと好きだったんだって。」
女「ほんとー!?ありがとー!!すごい嬉しい!!」
男「そんな店長より俺のほうが愛してる。。。本気だよ。。。」
女「。。。。」
男「そんな妻子持ちやめなよ。俺と付き合って。」
女「ん。。。ちょっと。。。私にはその気はぁ。。。無いかなぁ。。。」
女店員「えっ!!!!!?????」
大声で驚く中国人女性店員。一斉に全員が女性店員を見る。
僕の文才が無いから伝わらないかもしれないが、二人の会話、表情から言えば付き合うものと思える感じだったのだ。
驚くのもわからんでもない。いや、僕、店員2人、そして男。女以外の店内にいる全員が想定外の言葉に驚いてた。
女店員「あ。。。え。。。あ。。。すみません。。。」
女「なんかごめんね。そういうつもりじゃなかったから。なんか。」
男「いや、え。。。はははは。。。まぁ。。。ねぇ。。。」
凄い微妙な空気。男の目が完全に泳いでる。
もう早く食べて帰ろう。自分がフラれるのも辛いが他人がフラれるのを見るのも辛い。
結局、黙々と食べる2人を横目にサクッと帰りました。
肝心のつけ麺の味は普通だった気がする。
以上です。