週末も雨予報ですかね。どうも何某です。
だいぶカヤックに乗ってない気がします。
一年ぶりの帰省
前回の帰省以来なので、ちょうど一年ぶりというところか。
一週間ほど前から嫁が
「ちょっと。フライ巻いたの?毎年帰ってから騒ぐんだから、今のうちに巻いておきなさいよ!」
と騒いでいる。
彼女がいなければ、今回の釣行は成り立たなかっただろう。ウェーダーも買い換えなかっただろうし、フライもトラウトガムしか残ってなかったのだから。
よく出来た嫁である。
「あっ!お土産!!」と思い出したかのように声を出した嫁に、そっと湘南クッキーを差し出す。湘南と言えばクッキーなのだ。
「なにこれ?自販機で買ったんじゃないの?」
と、険しい顔をして受け取りながらも、母相手に「地元の有名なクッキーなんですよー。ネットにもよく出てるんですよー。」と笑顔で渡している。
湘南に行ったことすらない母は、「凄いね!ネットで有名なんだ!」と、良いもの貰ったとポクポクしていた。
今年も渓に帰ってきた
夜明け前のコンビニで釣券を購入する。こんな山の中にいつ出来たのか。24時間買えるとは便利になったものだ。
コンビニ前の水深のある場所は、日が昇ったらウェットでも流そうと取っておき、少し上流に車を停めて準備をする。
といっても、ウェーダーを履いてバッグを持つだけだ。この手軽さが最高だ。
車から数歩で渓に降りる。夜明けとともにカディスの#10を結びキャスト。
2〜3mほど流してはキャストを繰り返す。水の流れのノイズがうるさいが、流れるフライに集中しはじめると、これが日常とのいい壁になってくれる。ノイズのおかげで自然と魚と自分だけしかいない空間になるのだ。心地よい。
10mも釣り上がっていくと、感覚を取り戻してくる。こういう時はあそこに着いてるな。あの流れの向こうは、この位置からなら私のスキルでも狙えるな。など。
さて、そろそろ釣ろうか。
狙いすました場所に、カディスがフワッと着水。数センチ流したタイミングでパシャっとフライが消えた。
10センチほどだろうか。かわいい山女魚である。1年ぶりの再会にホッとする。
その後も、投げるたびに魚が食ってくる。がしかし、どう見ても小さい。#10ではどうやら口に入らないのか乗らない。
小魚釣ってもなと思いもするが、せっかくなので試してみようと、カディス#14を結んで投げる。
思ったとおり投げれば釣れる、投げれば釣れるの入れ食いである。ただし、全て10cmほどの山女魚。
ドライシェイクするのが面倒になり、沈めてみても食ってくる。かなり活性が高いようだ。
イワイイワナを結ぶ
結局20匹以上のチビ山女魚を釣り上げたが、なんとか持ち帰れるサイズがほしいところ。
カディスも使い切ってしまったので、一旦洗って干すことに。
休憩しながらせっせと作業すると、じっとりと汗が出てきた。だいぶ気温があがったようだ。
このタイミングではないかと、イワイイワナ#10を結ぶ。夏場はやはりこれだ。
もう少し上流に行けば日陰になるのだが、我慢してキャストする。あの流れの向こうにいそうな気がしたのだ。
流芯を越えたところにフライを落とし、すぐメンディングする。上手く流れてくれている。
3mほどだろうか。これ以上はドラッグがかかってしまうというギリギリのところでバシャっと水しぶきがあがった。
『よしっ!』
思わず声が出た。サイズアップはすぐわかったからだ。
ネットにゆっくりと入れる。サイズは18〜19cmというところか。私の手のひらより少し小さい。
とはいえ、今日一番のサイズだ。慎重に水たまりに横たえる。
写真を撮ろうとバッグを漁り、スマホを取り出し顔を戻すと、あろうことかヤマメがいない。
しまった逃げられたか。
がしかし、よく見ると、ヤマメを置いた場所がウネウネと動いている。なんだこれは。
さらに目を凝らすと、極々小さい謎の黒い虫が、びっしりとヤマメを覆い尽くしているのがわかった。
これに驚き、私は払い除けるつもりでヤマメに大量の水を手でかける。すると、水かさを増したのを利用して、ヤマメはスルスルっと泳いで行ってしまった。
やらかしたと思いつつも、今日は活性がいいからと、気を取り直してフライをキャストし続けた。
結局小魚に遊ばれる
ヌメリがついて使い物にならなくなったイワイイワナを外し、カディス#10を結び直す。
やはりカディスは反応がいい。がしかし、やはりサイズアップは望めないようだ。
ふと見上げると、ルアーの方が準備をしている。おそらくこの先に入るのだろう。ギリギリまで行ってもいいが、今日はもう十分だ。ここで納竿とした。
11時頃に実家に戻り、まだ寝てるだろうかと嫁を見に行く。
ドアを開ける音に気づいた嫁は、目を見開いて小さく
「釣れたかい?」
と呟いた。
『30匹くらい釣れたけど、全部小さいよ。』
「そうかい。じゃ、また来年。」
と二度寝してしまった。
毎年人の実家で寝てばかりいるなこいつは。とはいえ、そのほうが釣りに行くには楽でいいか。
などと思いながら、寝てる嫁の横で帰宅する準備をし始めた。
また来年。