【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

しょうがなくトンジギに行ったらフルサービスの洗礼を受けた話。

断捨離しないと。どうも何某です。こんにちは。

いつの間にか物が増えてる不思議。

うどん。

とりあえず船を予約

予定が無くなってしまった。さてどうするか。

「200kgのマグロが釣れまくってる!船取ったので乗りませんか!?」

「え!?まだ釣れてるんですか!?もう1ヶ月くらい経ってません!?行きます!!」

PE10号では駄目とのことで、最低12号からなのだというが、糸の細いルアーじゃすぐ切られて話にならないと、徐々にルアー禁止の船が増えて来たのだという。
行くならば今しかない。すぐラインを交換しなければ。
がしかし、出張から帰ってみれば、漁獲量規制を超えたとかで船がキャンセルになったのだ。
釣果を眺めながら、ため息が落ちる。
それを蹴飛ばしながら、他の釣果を眺めていると、ビンナガマグロをジギングで釣る、いわゆるトンジギが調子いいらしい。
やるなら多少時間をかけても釣れているところに行くのが確実。
片道6時間ほど。遠征になってしまうが、まぁしょうがない。釣りモードの身体を鎮めるには行くしか無いのだ。
以前行った人達の話では、とても風が強い地域らしく、2日予約してどちらも出られないことが3回も続いたとのこと。
妻に聞くと「釣れるうちに行ったほうがいいんじゃない?ちょうど私も仕事忙しいし。」だそうだ。

「2日続けて爆釣ってこともあるんでないかい。」

謎のダンスを踊りながら言う妻の後ろ姿に感謝の言葉をかけながら予約した。

支援は場所を選ぶ

数日前に、1日目は風の影響で出れないかもしれないと船宿から連絡が来ていた。
そして前日に、2時間くらい様子見てから出すかどうか決めますが、それでもいいかという連絡。
宿も取ってるため、行くしか無い。
ホテルにつくと、「全国旅行支援は使いますか?」との声。
ワクチン接種証明書と免許証などあれば良いらしい。
よくわかってないが、県内で使えるクーポンが1万円以上もいただけるとのこと。
「この辺りならだいたい使えますよ。」とニッコリ言うので、喜び勇んで外に出る。
がしかし、あろうことか店が無い。
使える使えないではない。そもそもの店が無いのだ。
陸の孤島。
しかたなしに、スーパーで弁当を買ってホテルに戻り、ドラグのチェックをした。

強風大荒れ

あらゆる角度からドラグをチェックした。暇すぎたのだ。
今日は完璧だ。あとは船が出るのを祈るのみ。
現地に着くと、船宿の方が駐車場を案内してくれた。
細かく説明を受けてから乗船する。
釣座はクジ引き。今日はトモ側を選んだ。移動時はトモに全員座るというので、ジグ変えるのが楽そうだなとか、そういう理由である。
30分ほど風待ちしていると、他の船が出船しはじめた。

「他の船の連絡待ってから出るからね。海の状況確認してもらうから。」

船長の声を聞きながら、乗船者同士で会話をする。
ほとんどが初めてのトンジギらしい。
私もトンジギは初めてだが、キハダの経験があるので一応経験者扱いということになったようだ。
初めての方には、船長が細かく指示出すとのこと。
ドカットなどを持ってきてる人は、私ともう1人の経験者組だけのようで、他の方々はレンタルタックルに、バッグから取り出したジグをつけている。
近場で釣れるからなのか、マグロとはいえ結構手軽な釣りの感覚らしい。

「じゃ出ますのでー。最初は風あると思うけど、しばらくすれば大丈夫になると思うよ。」

との船長の声を聞きながら、気を引き締める。いよいよトンジギの開幕だ。
漁港を出て外洋になった刹那。船が大きく揺れた。
なかなかのウネリと強風である。
「やべー。荒れてるー。」と隣の方は身体を固めて必死に耐えていた。

ジグが落ちない

「400gからはじめてみてねー。」との船長の声に、皆ジグをつけ始めた。
私はすでに準備していたため、スピニングタックルを持ち、ジグを投入。
シャウト ランス ゼブラグロー 400gが水面下を流れていく。

「んー?」

皆を眺めて見るが、同じ状況のようだ。

「船長ー。400gじゃジグ落ちないよー。」

声をかけると、慌てて船長が様子を見に来た。

「あちゃー。ダメだなー。一回あげてー。500gじゃないとダメだねー。ジグ変えてー。」

船長が初めての方たちに声をかけまわる。
私もタックルをベイトに持ち替えた。
スミス CB.ムラマサ3S・TS アバロンゼブラ 500gをつけて落とす。
1回目はなんとか落ちるが、シャクってる間に斜めになってしまう。
これでは狙った棚にジグはいない。
毎回落とし直す必要がありそうだ。かなり面倒だなと思っていると、隣の経験者の方と初心者の方がほぼ同時にヒットしていた。
経験者はスッポ抜けたようだが、初心者の方は頑張ってやりとりしている。ゆっくりとトンボがあがってきた。
タモに入るのを確認すると、船上は大いに湧き上がる。
どうなることかと思ったが、今日は期待が持てそうだ。

新島より楽

荒れてる。

「こんな揺れるの初めてですよー。」

場所的に風が強いのはよくあるみたいだが、ここまで揺れる船に乗るのは初めてだと隣の方が言う。
私は、確かにジギングはしづらいけど、新島より楽だな。などと余裕をかましていた。
顔に出ていたのか、「どちらからですか?」と聞かれてしまった。

「新島のウネリは酷い時で倍くらいありますね。このくらいなら、通常運転って感じです。」

「なにその釣り。。。」と驚く姿を見て、やはり新島って特殊な場所なのだと感じた。

あの手この手

ジグを変えたり誘い方を変えたり。そんなこんなで、4時間以上シャクっているが、どうにもその後追加が無い。
他の船も同様のようで、船長はだいぶ焦っていた。
常連の方に聞くと、釣れる時は魚探にマグロの反応がはっきり出るようだ。
会話が聞こえたのか、船長が間に入ってきて、「餌の反応も薄いしすぐ無くなる。」と嘆いてきた。
その影響なのか、「餌は40m。。。前後探ってみて。。。」というような歯切れが悪いアナウンス。
ラインの出方を見ると、他の方々は100mもラインを出していないようだ。
ならばと、タナジグ あいやーロング 黒潮リミテッド BGZケイムラシルバー 450gにジグを変え、200m以上ラインを出してみた。
数回シャクりジグを止める。斜めに出ていくラインを見るに、おそらく水深150mほどにジグはいると思われる。
結構泳いでくれるジグなので、何もせずそのまま泳がせる。アクションもしない。
10秒以上そうやっていただろうか。グンッ、グンッっとラインが引っ張られた。
ラインを思いっきり巻取り、スプールを抑えてロッドを3、4回と引っ張って、力強くアワセを入れる。

「来ましたー!!150mでーす!!」

皆の視線が集まった。
船長は「えっ!?150m?そんな深いの?」と驚く。
よーし。ファーストランはっと。。。と、気を張っているが、どうにも勢いは無い。
ちょっと重いくらいで軽々と寄ってきた。もしかしてビンチョウではないのだろうか。
多少ストレートポンピングをするかしないか程度。
ロッドを曲げるやり取りではないので、周りからは「あれ釣れてんの?」という声が聞こえてきた。
特に困ることもなくすんなりタモに入る。歓声があがった。

トンボ 10kgないくらい。

コトンではあるが、初日は無事釣り上げて終わった。

2日目開始

無風。

「今日は厳しいかもよ。風全く無いから。」

船長の言葉から始まった。ドテラ流しなので風が吹かないのも流れず困るのだそう。
ゼスタ スローエモーションフレア ゼブラグロー 300gをスピニングタックルで落とす。
マグロはフワフワと誘うのが基本と聞いており、ハイピッチで釣るものではないという風に聞いてはいる。
まぁ、キハダがハイピッチで釣れてるのも見たことあるし、とりあえずやってみよう。

「40mくらいかな。んーでもこれマツってるのかも。ジグの反応っぽいな。」

周りを見るが私がいるトモ側は特に問題ないようだ。
100mから40mくらいまでを、ハイピッチでバンバンとシャクってみた。
ラインはほとんど流れない。
3投目。
パシュ、パシュっとハイピッチ特有の水面をラインが叩く音が小気味良く響く中、70mに差し掛かったロッドがドンッと戻らなくなった。

「来たよっ!70mっ!」

これだよ。これ。シャクってドンッってのがたまらない。一気に脳汁が出る。
真下にラインが伸びているのでマツリやすそうな気がする。
そう思っていると、船長が走ってきた。

「前行って!走ってるから前行って!」

ラインは出ていないが、ミヨシ側に浮いてきているようだ。
言われるママにトモから入れ替わっていくが、どうやら今日は初心者の方、後で聞くと船すらはじめてという方々が半数だったため、どう動いていいかわからなかったようだ。
トンボとやり取りしながら、オマツリを外し、ロッドを受け取り後ろに行ってもらってロッドを返す。
4キロくらいに設定していたドラグだが、脇に抱えているとロッドを持っていかれそうになったため、少しドラグを緩めた。
1人、2人と対応しながらミヨシ側へ。
あ、ドラグ緩めなきゃ。
あれ?さっきドラグ緩めたっけ?
なんだかんだいいながらリーダーが入る。
このタイミングですでにオマツリしたラインを巻き込んでいた。おそらくアナウンスされたオマツリはこれだろう。
慌てずもう一週。と思っていたところ、コトンが走りはじめた。

「あれ?なんだ?ドラグ締めて!」

あぁ、やっぱりドラグ緩めすぎてたんだ。1クリック緩めるだけで良かったのに。
バタバタとしてる中で、緩めたのを忘れて2、3回緩めた気がする。
マグロとのやり取りの最中に老化を感じた。痴呆のウネリに飲まれているのだ。
ドラグを締めた。
その後の取り込みは問題なかった。

トンボ 10kgくらい。

あがってきたマグロに船上が湧く。
巻き込んでしまった方々に頭を下げていると、「2日連続とは。やるねぇ。でも、ちょっとドラグ緩めすぎだな。見直しといて。」と船長に指摘されてしまった。当然だ。
再度巻き込んでしまった方々に頭を下げた。
他の方が1匹追加するも、バタバタと船酔いで倒れてしまった。
初めて船に乗るのであればしょうがない。
残った方々で頑張るも、その後は釣果無し。
今日も厳しいとの船長の嘆きを聞きながら沖あがりとなった。

サービスは怖い

帰りの道中ガソリンが無くなりそうだったので、見かけたガソリンスタンドに寄る。

「っしゃっせー。何にしましょう?」

ドアを開けようとすると、店員が立ちはだかった。

「え?何?」

なんだこいつ。なぜ私の邪魔をする。ドアを開けれないではないか。
ははん。あれか。カード作れとかそういうやつか。

「。。。?。。。どうしますか?」

「え?」

「何いれますか?」

何いれるとは。。。
ハッとした。
そうか、フルサービスのガソリンスタンドか。ハメられた。
思えば何十年もセルフ式ガソリンスタンドばかりに通っている。
フルサービスのマナーなんて実家に置いてきているのだ。

「い、いっぱいで!」

「はい?」

満タンと言うつもりが間違えてしまった。

「レギュラー、いっぱい、や、満タンで!」

「うぇーい、満たっりまー。」

後方の窓から、ダンツクダンッっと音がする。
何奴。敵襲か。敵襲なのだろうか。
何事かと振り向くと窓をリズミカルに拭いている音であった。
焦らせやがって。
運転席の窓を拭いた後、ドアが開いた。
なるほど。いつ何時誰の挑戦でも受ける。
脳内でHold outが流れる中、耳を疑う言葉が聞こえる。

「スイガラはありますか?」

何処の国の言葉だろうか。

「え?なんですか?」

「スイガラは大丈夫ですか?」

「え?スイガラ?」

「えぇ、吸殻。。。無いですか?」

そうか。吸殻か。灰皿のことを言っているのか。
心の中の武藤が語る。
「まだ灰にもなってねえや。」と。
武藤の呼びかけに蝶野は答えるのか。それと同じ緊張感が走る。
闘強導夢よろしく。
武藤のエメラルドフロウジョンに私は泣いた。ノアだけはガチなのだ。
思いにふける私を不思議そうに見守る店員。
タバコ。吸わなくなって15年以上経つ。ひさぶりに聞く言葉。吸殻。
思えば今の車に灰皿なんてないのだ。
吸殻という概念さえ無くなっていた自分に驚く。
ドラゴンスクリューからの足四の字をくらった気分だ。

「無いです。。。」

叫んだつもりが、かすれるような声。
ギブアップする高田延彦を彷彿させる弱々しさ。プロレスに負けたのだ。
いや、マインドはプロレスだ。俺がプロレスなのだ。
レシートを引ったくるように奪い、大音量で鶴田コールをしながらハイウェイに乗るのであった。

タックル

ジギング(ベイト)

#3

#4

ジギング(スピニング)

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