あけましておめでとうございます。何某です。
なんだかすでに今年はやる気がないです。
あつらえ向きな鯛が必要になる
年の瀬の厳密な時期はわからないが、なんとなく、もう今年も終わりだなと思う頃。昔の同僚から吉報が入った。
どうやら入籍するらしい。
その後の初顔合わせは我が家で半ば強引に開かれる忘年会となるようで、不本意ながらも、それなりのもてなしをしないといけなくなった。
不思議なもので、いよいよ直前ともなると吉報も悪報に変わる。何かのイベントの前に急に面倒になる状態に呼び名はあるのだろうか。
嫁が、めでたいのだから鯛の塩釜がいいのではないか。釜をハンマーで割る作業が共同作業っぽい。とのこと。
レシピを見ると塩で固めてオーブンに突っ込めばいいらしい。楽でいい。
それならばと、オーブンに入る鯛を明日釣って来ますと釣具屋へ。オキアミと弱気にウィリー五目の仕掛けを購入。
無風べた凪でアンカーいらず
翌朝、SUPで沖に出てみる。100mほど漕いだ後、いつものように潮と風の向きを確認する。全く動かない。
フォールディングアンカーを用意してみたものの必要無さそうだ。流し釣りも出来ないので大漁くんで魚影を探しながらビシを落とすのを繰り返す。
アタリが全く無い中奇跡の一匹
とにかくアタリが無い。エサも一回も取られず。5時間は経過している。
ボウズ逃れで購入したウィリー五目だが、ここまで反応が無いとは思わなかった。
あと一回だけ落としたら移動して最後のポイント探しをしよう。
底から3mほどあげシャクる。1回、2回。エサも取られないのでそのまま、おそらく2分ほど放置した。
魚信だ。軽くだが確かにアタリがあった。竿先が3度目震えたタイミングでロッドを煽ってアワせる。どうやら乗ったらしい。
ただ、手応えが無い。いつものホウボウのようだ。
まぁ釣れないよりは良い。これを持って帰って酒呑んで寝よう。
ビシがあるので手元までは巻けない。ロッドを置いてハリスをゆっくり手繰り寄せる。
なんとも手応え無くSUPの上にあがってきたのは、なんとオーブンにちょうど収まるサイズの真鯛だった。
嫁に疑われる
おあつらえ向きとはまさにこのこと。丁寧に血抜きし帰宅する。
やってやりましたよと嫁に差し出すと、びっくりするほど眉間にシワを寄せながら
「買った?」
の一言が出る。
何がだろう。
戸惑ってると、もう一度
「ねぇ、買った?」
つまりは波平よろしく、釣れなかったのでちょうどいいサイズの鯛をどこかで購入してきたのではないか。ということなのである。
これには、さしもの私も怒り心頭。
『種田とフランコどっちがいい?』
SUPのパドルを構えながらケツバットの準備に入ると、どちらもよくわからないのでいいです。とリビングに引っ込んでしまった。
その後ろ姿を眺めながら、心の中で静かに時にこれでもかと罵った後、スッキリした私は丁寧に鯛の下処理をした。