【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

新島沖でトロキンメをボマイエした話。

あっちに行けば、こっちで釣れる。どうも何某です。こんにちは。

立て続けにそんなことが何件かありました。

穏やかに見えるが。

夜更けのコンデ・コマ

「ちょっと何やってるのよ。」

妻が見下しながら疑問を投げかけてきた。

「何って、グレイシー柔術よ。イメージトレーニングだよ。」

「何それ。」

妻は、眉間にシワを寄せ呆れた顔をしている。
また何かに影響されて変なことはじめたなとでも思っているのだろう。

「コンデ・コマだよ。前田光世。知らない?」

「何言ってるかわかんねーな。会話が成り立ってない。」

妻は不機嫌のようだ。
すかさず私は問いかけた。

「世の中に不満でもあるのかい?あるんだな。そういいう時は誰よりも強くなるんだ。力でねじ伏せろ。やられる前にやる。一緒にやろう。柔術を。」

「何にやられるのよ?」

「やる前から負けること考えるバカがいるかよ!」

ここからはセメントだ。猪木寛至の言葉をチャンスとばかりに浴びせる。
ゴングはすでに鳴っているのだ。

「なんかよくわからないけど、それって全裸でやるものなの。」

「やるものなの。ほら、ブラジルだし。」

「ブラジルだし?」

「こうやって。こう!さぁ!やって!」とマウントポジションを取る練習をしていると、「全裸のおっさんが寝返りうってるようにしか見えないんだけど。」と言いながら、私に向かってマウントポジションを取り、胸に平手を打ち下ろしてきた。

潮がかっ飛んでいる

胸に真紅の赤もみじをお守りとし、いざ新島へ。
まだまだ暖かくて助かる。一応、防寒着を持ってきたが、今日はそこまでではないようだ。日が登れば汗が滲むくらいになるかもしれない。
いつも通り シーフロアコントロール Sレジェンド 900gからスタート。
今日は風もなく穏やかだ。
スルスルとジグが落ちていく。
ただただ落ちていく。
落ちていく。。。

「。。。んー?」

ある程度の時間が過ぎた頃、皆、顔を見合わせる。「ですよね?」という顔。

「船長ぉー!底取れないよー!」

誰かが叫んだ。
その言葉通り、底が取れないのだ。
どうやら途中から強烈な2枚潮、3枚潮になっているらしく、1000gでも底が取れないらしい。

「ダメだー。潮が速い!あげてー!」

たまらず船長がアナウンスした。

重いジグはつらい

「嫌だなぁ。。。」

1200g、あるいは1500gのジグを手に取った我々は自然とネガティブな言葉を発した。
ジグが100g重いと負荷がとんでもなく上がるのだ。ましてや1500gとなると、重さもさることながら、価格がとんでもなく高い。
もし、これをロストしたら。。。そんな思いがよぎる。

「じゃ、僕は1100gでいってみますね。」

という声が聞こえた。どうだろう。1200gないとキツいのでは。でも、1100gで成立するなら助かるなぁ。
悩みながらも Xesta スローエモーションフレア 1200gを選択。

「おっ、底取れた。」

という声がする。確かに取れたが、どうにもおかしい。
スコンッ。ビュッ。スコンッ。ビュッ。という感覚。あれだけ潮が速いと言っていたのに、ジグがちゃんと飛んでいる。
1200gのジグが飛ぶものだから、手元にはなかなか味わえない力強い手応えだ。
「底潮だけトロいパターンですかね。」と隣の方に言ってみると、「なんか手応えが気持ち悪いね。」と、互いに苦笑いしてみせた。
飛ばすのが正解なのかどうなのか。誰か釣って正解を出してくれればいいのだが。

「はい、あげてー。ちょっと移動します。」

船長が大移動を決める。今日の海はなかなか難しいらしい。

待望の一匹

「ここでやってみましょう。ちょっとどうなるかわからないけど。」

さきほど1200gがだいぶ重かったので、一度 シーフロアコントロール Sレジェンド 900gに戻して様子を見る。
よし。底は取れた。
「潮はえーな。」という船長の声が聞こえたが、ラインは立っているのは、船長の技術のおかげなのだろう。
また、途中で何度かフォールを止めて、落ちるのを待ったのも大きいようだ。サミングしなかった方のラインは遥か沖に出ていたりする。
竿先が軽く暴れる。

「きましたよー。ってあれ?」

釣れる希望が聞こえたことで、周りが活気づく。がしかし、どうにも生体反応がない。
とりあえずあげてみる。

極小キンメ。

だいぶ小さい。
途中の潮がだいぶ速いので、なかなか手巻きはキツかったのだが、労力に見合わない大きさ。
とはいえ、900gで釣れることはわかった。ここから巻き返しだ。

トロキンメ天国

2匹目。

次の流しでもすぐ釣れた。だが、まだ小さい。
周りはまだ釣れてない。どうやらまだ1000g以上を使っているようだ。
900gに変えていることを伝えて、次の準備をしていると、あることに気づいた。
どうにも移動時間が長い。戻るのに普段の倍以上かかっている気がする。
同じことを思った方がいたようで、船長に確認すると、2〜3km近く流されているようだ。
とんでもなく潮が速いとのこと。
そんな速い潮でラインが立つのはどういう理屈なのだろう。
船長の腕なのだろうかと思いながらジグを落とす。
移動距離が長いということは、ジグを落とす回数が減るということである。大事にしなければ。
着底後、すぐ根がかりしてしまった。
大事にするとしたばかりなのに、痛恨のミス。
ロッドを海面に向け、スプールロックをしてフックが外れるのを待つ。
フッっと軽くなったと思ったあと、コツンとアタリがあった。
3連続と喜んでいると、他の方々も次々とアタリがあったようだ。皆ゆっくりと回収をはじめる。
あがってきたキンメのサイズはおそらく2kgはある。「デカイッ!」の声に、喜びはするが、次々とあがってくる他の方々の取り込みを手伝ったため、浸っている暇はなかった。
やっとみんな釣れたと喜びながら次の流しの準備をする。
そろそろ終盤に差し掛かるため、電動リールに変えるのだ。
ここでもまた落とすと、すぐ食ってきた。今日のアタリジグはシーフロアコントロール Sレジェンド 900gのようだ。
ここで今日一番慎重になる。過去、電動リールはバラシばかりなのだ。
反省し、対策を持ってきた。
どうにも、数百メートル巻き上げる時、バラすタイミングがあるのではないかと感じていた。
潮が変わる時と、残り100m、キンメの目に光が入るであろうタイミング。
ウネリが高ければ、船の上下する時も入る。
手巻きの場合は、この時に緩めたり遅くしたりなど出来るのだが、電動リールでただただ巻き上げるのでは負荷がかかってしまい、身切れなどし、バレるのではないか。という仮説を立てた。
そして、対策としては、回収時はドラグを緩める。
これで潮の変わり目と、残り100mの暴れ対策は出来る。負荷がかかってもラインが出ていくからだ。
船の上下にもこれで対応出来るが、ただただズルズルとラインを出していては、回収にとんでもなく時間がかかる。
そこで、船がウネリに乗り上がる時には竿を下げて、ラインの負荷を必要以上にあげないように調整し、常にラインを巻き取るように対応することで改善した。

4匹目。

初めて電動リールでキャッチした、新島キンメ。
カイゼンが効果抜群だったのか、安定して巻き上げれた。
やっと道具を使えた気がする。

勢いはとまらず

次の流しは反応が無くなってしまった。
であればジグを変えよう。
ディープライナー スピンドルナロー 900gにジグを交換。

スピンドルナロー。

すぐさまヒットする。
よしよしと思うが、その後の流しはまた反応がなくなった。
次が最後の流しだというので、もう一度 シーフロアコントロール Sレジェンド 900gに戻した。
崖下でフォール中にラインが流れる。即回収。この感じは、間違いなく釣れている。

これもデカイ。

このサイズはまずまず大きい。味が期待出来る。
終わってみれば結果は6匹と絶好調であった。

我が家もスポーツ平和党

家に着き、下処理の準備を始める。6匹となるとだいぶ時間がかかる。嬉しい悲鳴が出そうだ。
缶ビール片手に妻が出てきた。
「すごいじゃないか。大漁だ。」と、鼻の穴を広げて妻は喜びの舞を踊る。
疲れからか、缶ビール1本で上機嫌になってしまった私。
津本式で処理しようと、切り込みを入れ尻尾を折る。

「折ったぞー!!」

私の突然の大声に妻は驚いていた。
続けてそれを6回も叫ぶものだから、流石の妻も声をあげた。

「うるせーっ!なんなの!?」

「えっ?ペールワン戦だけど?」

「何が?」

「キムラロック。猪木寛至よ。」

妻は「わけわからないこと言わないで。」と言いながら、どこかへ行ってしまった。
下処理が終わったキンメを見せながら「まだ怒っているのかい?」と聞くと、小さく妻は頷いた。

「塩麹に漬けたキンメで一杯でもと思ったがどうですかね?」

私の言葉に妻の眉間のシワは緩んでいき、つられて口角も緩む。
我が家の幸せは巌流島を経由して、新島から運ばれてくる。

タックル

〜900g

900g〜

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