【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

伊豆の地磯でなんとか釣った話。

今年の夏はタチウオジギングやってみようかと準備を進めています。どうも何某です。

週末はあんまり良くなかったんですかね。ほかは釣れてたんでしょうか。

地磯の朝。

場所取り争いを制する

先週、カヤックとボートで釣りに行ってはいたのだが、クラド(暗土)というようなゴミが海中に漂っていたらしく、これのせいで全くというほど反応が無かった。
予報では風もあるようなので、週末は伊豆の地磯に行こうと友人に提案するとホイホイと乗ってきた。
首都圏で狙った釣り座に入れるのは稀である。
遠く千葉から3時間かけて来た友人が言うには

「通勤を優先した東京と埼玉の奴らが、休日の覇権も握ろうと夜中から来るからだ。奴らは強欲だ。特に埼玉。」

とのことらしい。千葉埼玉問題は根深い。
彼らに勝つためには、さらに前乗りする必要がある。
夜22時頃に伊豆に行くと無人の磯が広がっていた。流石にこの時期に前日から入る人はいないらしい。無事目的の釣座を確保した。

深夜の磯は釣れる気しかしない

夜の磯は危険しかないため、安全な場所で酒盛りをしながら準備を進める。
4月だというのに蒸し暑く、汗だくになってしまった身体を落ち着かせたあたりで仕掛けを投入。釣り開始。
メジナ用の道具ではあるが、狙いはイサキ。沖に出る潮に長めに乗せ、ある程度まで出たことこでコマセを遠投。狙ったところに飛んでるかはわからないが、まぁ酒を呑めば上手いことやれてる気がするので大丈夫だ。
友人が仕掛けを回収すると、キタマクラがついてきたらしい。
嫁に土産が出来たと、釣り人定番ギャグでひと笑い。酒が効いている。
その後、バケツにキタマクラをキープしているのを見てしまい、『もしかして本気だったのかな?』と新婚の家庭を心配した。

全く釣れない

深夜2時。キタマクラ以外の反応は一切無かった。朝に備えて一旦寝るかということに。
本来であれば、釣れまくって寝る暇さえ無いとう予定だったのだが。
寝てる間に道具捨てられて釣り座を奪われてはかなわんと、車中泊ではなく磯の安全なスペースを確保し横になった。
がしかし、あれほど蒸し暑かった気温は一変。ガタガタと震える気温になる。
寝てるより釣りしてたほうがマシと起き、エギングを開始し身体を動かすことにした。起こさず置いてきた友人は凍死するかもしれないが、私の車で来てるから帰りは問題無い。運を天に任せる。
ショアジギングのほうがこういう時は身体が温まりそうだ。などと考えてるとエギを根掛かりで無くしてしまった。
リーダーを忘れてきてしまっていたので、フカセを再度開始するが、早々にコマセが尽きる。
解凍していたオキアミをバッカンに放り込み手を突っ込むと、尋常じゃないくらいに冷たい。
集魚剤に慌てて手を突っ込み温める。海水に手を浸しては混ぜるを繰り返しなんとかコマセを作った。
気がつくとうっすら夜が明けてきているようだ。

朝マズメからエサ取りが元気

夜明けとともに友人が起きてくる。無事だったのか。
明るくなってから気づいたが、今日は過去に見ないくらい潮が引いているようだ。狙いを大幅に浅くする。

いつもは見えない。

水位が低いせいかサラシも弱い。とりあえずサラシをひたすら撃っていると、ウキが静かに沈んだ。根掛かりかなと回収すると、手のひらサイズのタカノハダイが飛んできた。どうやら根掛かりでは無かったらしい。
よく見ると澄み潮でエサ取りだらけだ。一気にやる気を無くすが、こいつらを交わさなければ本命は釣れない。
針を小さくし、沈むスピードを調整しやすくする。ここからが勝負だ。

時合突入か

コマセを大量に使いながらいろいろ試していると、ウキが勢いよく消し込んだ。
ものすごい引きだ。

『来たぞ!タモ!タモ!』

大声で友人を呼ぶ。慌てて友人がサポートに来る。
水面まで寄せた刹那。フッと軽くなり竿が後ろに勢いよく跳ね上がった。

『あぁバレた。デカかったぞアレは。』

2人で残念がりながらウキを手元に寄せてくると、先に何かついている。

木っ端。

手のひらより小さいメジナ。どうやらスレがかりだったらしい。

「いやー、スレは引くから間違うよね。」

と爆笑しながらも友人はテンションが一気にあがっているようだ。
メジナが出てきたということは、チャンスだと判断したらしい。
確かにそのとおりだと、私も急いで竿を振る。
数投後、再度ウキが消し込む。今度も強烈な引きだ。レバーブレーキをきっちり握りしめて対応する。
澄んだ海中に翻ったメジナを見て歓喜の声が出る。
30cmほどのメジナだ。やってやった。この引きが味わいたかった。

クチブト。

カメノテを餌にする

時合かと思ったがその後ピタッと食いが止まる。結局渋いのか。
海中には木っ端メジナとアイゴが見える。
そういえば釣り人がいない。周りの磯にも1人くらいしか入っていないようだ。あれだけ早く来たのに。
友人のところへ行ってみると、何かをナイフで剥いていた。

『おぉ、カメノテか。美味いよね。』
「らしいね。」

と言いつつ針につけて投げてしまった。食べるわけじゃないのかと聞いてみると、コマセがもう無いので、とりあえず貝をつけてみたとのこと。
これじゃキタマクラしか土産が無いじゃないかということで、コマセを半分あげて、ポイントを譲った。
私は普段確実に波を被るポイントを攻めてみる。こういう穏やかな時ではないと出来ない。
がしかし、全く反応は無い。結局渋いままかとコマセを使い切り戻る。
バッカンを洗う準備をしていると、友人のウキが消し込んだ。もうコマセが無い。これが最後のチャンスだ。慌ててタモを持ち、取り込む。

「良かった。これでまた釣りに行ける。ボウズだったら釣り禁止と言われかねなかった。」

そんな制約の中カメノテを餌にしてたのか。追い込まれていたのだな。
無事ボウズを逃れた2人は、帰宅後、釣り談義をしながら泥酔。
その様子を見た嫁は、ボウズ関係なく釣りに行けなくなるのではと心配していた。

タイドグラフ

タイドグラフ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

釣りがしたすぎて竿を折ってしまった話。

深海用かシイラ用か。何の道具を揃えようか。どうも何某です。

そんなこと思ってたら、痛い出費で先送りです。

うねりがキツイ。

いきなりの判断ミス

前日から準備し夜明け前にホームサーフに到着。
出艇できなさそうなら別の場所に移動する前提。
しばらく見ていると、かなりうねりが高いが、常時波が高いわけではないのでタイミングを測ればなんとかなりそう。
タイミングを見てカヤックに飛び乗りパドリングする。思ったより進まない。2つ向こうの波は少々高いので一旦降りて仕切り直しする。
昨日の時化の影響で、どうやら三方向から波が来ているらしく、複雑な引き潮になっているようだ。
もう一度とじっくりと観察し勢いをつけて飛び乗る。波は小さい。気合を入れてパドリングする。がしかし、全く進まない。
左右にカヤックが小刻みに振れる。小さいながらも波の力は強いらしく、引き波で左右に振れるカヤックでは押し切れないらしい。
もがいているが進まない。これはだめだと飛び降りようとした刹那、左からの引き波でカヤックが横を向いてしまう。急いで次の波を確認する。少々大きいのが来る。どうやっても回避できない。
自分に当たらないようにカヤックの位置を変えるのが精一杯だ。ひっくり返らないように抑えつつ浜に押し上げるが、上から被った波にクーラーボックスが浮かされてしまい、引き波でもっていかれそうだ。
カヤックから浮いたクーラーボックスを掴み浜に投げ捨てる。
被害を確認すると、フットブレイスが片方無くなっている。そして無残にもバキバキに折れたロッド。これ一本しか持っていない。もう今日は終了だ。

折れた。。。

30分もするとだいぶ波は落ち着き、素直な引き波になっている。もう少し待てば。
その頃に出艇されるカヤックの方達を送り出しながら終了とした。

竿を買う

先週釣りができていれば無理はしなかったなぁ。などと思いながら電車に乗る。もう無理はしないと決めていたのに、正常な判断ができなくなっていた。猛省。
最近よく行く釣具屋に開店と同時に飛び込んだ。カヤックで使う竿が折れても心が折れない価格の竿をください。
使っている竿とスタイル、狙う魚など細かく聞いてくる。

「なるほど。それならこれですね。」

7万円弱もするじゃねーか。なんだこの店。と思っていると店主は続ける。

「ただ、折ってもいいという話なら、この値段のほうがいいですね。」

と2万円弱のロッドを教えてくれた。テイルウォーク。聞いたことはある名前だが実物を見るのははじめてだ。
メタルウィッチと比べるとかなり柔らかいので、最初は戸惑うかもしれないが、慣れれば操作はしやすいらしい。
同じ4ozで柔らかいのか。中深海の300gとか大丈夫だろうか。質問すると「問題ないですよ。そのために作られてる竿なので。」とのこと。確かに。
潮が速いところなら5oz使えばいいらしいが、使用場所を言うと4ozで問題ないとのこと。では購入します。
スロージギングのやり方や魚探の使い方など教えてもらい店を後にした。

リベンジ出艇からのサバ地獄

穏やか。

今日はそれほどうねりはない。多少波は被ったが、想定どおり。無事出艇。
ベタ凪の中、水深250mを目指す。
1投目はスピンドルナロー300g。コーヒーを飲みながら富士山を眺める。昨日の事が嘘のように静かである。
そろそろ200mくらいかなと思いラインを見ると、150mくらいで止まっている。何か食っていたようだ。
巻き始めると魚らしい引きを感じる。メタルウィッチより竿先が入るが、力強く巻ける感じだ。ゴリゴリ巻くだけのメタルウィッチより、竿でいなすという感じがあるので、魚を釣ってる感がある。
サバが2匹ついている。一匹マサバかと思ったが、どうやらどちらもゴマサバらしい。

さば。

おかずができたなと、とりあえず安心し再度落とす。また150mくらいで落ちなくなった。サバだろうか。魚探には全く写っていないが。
あげてくるとサバ。40cmほどの大きなゴマサバだ。とはいえ、そんなに持ち帰ってもなとリリースする。
この後、落とすも落とすも150m付近でサバが食ってきてジグが落ちていかない。結局6匹ほどリリースしてジグを交換。

トラブルが続く

ジグを交換している間にサバがいなくなったのか、サバの興味を惹かないのか。スパイファイブ300gは無事底に着いた。
やっとロッドのアクションを確認出来る。それを確認しないことにはメタルウィッチとの比較はできない。
ワンピッチでスッと動かしてみる。竿先が大きくしなり戻ってきた。メタルウィッチより簡単にアクションできてる気がする。まだわからないが。
などと思っていると、ジグが横向いた瞬間にズンっと竿先が入っていく。何かが食ってきたようだ。
なかなかの引きで、途中叩いた時に巻くのをためらう。おそらくメタルウィッチなら気にせず巻いてこれただろうが。
あげてみるとシロムツ。いつものサイズだが、今までで一番引いた。竿でだいぶ変わるのだな。
写真を撮ろうとスマホを取り出すと、電源が入らない。おかしいなと少し置いて立ち上げると、バッテリー無しの表示。充電し忘れていたのか。
1km以上沖に来ている。周りには誰もいない。これはまずいなと思っていると、東風が吹いてきた。風浪が立つ。
おさまりそうな感じはあるが、連絡がとれないのはまずいので、SUPフィッシングの方達がいる辺りまで戻ることにする。
無事岸から300mほどのところまで来たところで風が止み、再度ベタ凪へ。
よしよしと思って見ていると、魚探の画面が点滅して消えてしまった。バッテリー切れだろうか。昨日の半沈で壊れたか。
再度沖に出るか迷ったが、これでは釣りにならない。しょうがないので納竿とした。
帰宅後魚探を確認するとヒューズが切れていた。
週末に向けてまた出費がかさむ。

タイドグラフ

タイドグラフ。

タイドグラフ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

大昔に主を釣った話。

今週末は釣り出来そうですね。どうも何某です。

吉田類がひれ酒を呑んでるのを見て、昔の話を思い出したので書いておきます。

山、籠もる

20歳の頃。私達は暇だった。
地方は仕事もそれほどなく、閑散期には全く仕事がなくなることも多い。そんなものだから、休みたいといえば1週間でも2週間でもどうぞという具合だ。
それだけ時間が有るなら山にでも籠もるか。そう考えてしまうのは必然。
荷物は、最低限の食料と必要以上に持った酒。そして、ビニールシートと釣り道具。
基本的には釣った魚を食べて生きることになる。そう言えばたいそうなサバイバルに聞こえるだろうが、実際は車で1時間も走れば街に出る場所だ。街までは50kmほどだが途中に民家はいくらでもある。郊外にある閑静な住宅街と同じ感覚。
名物である林道のパイプ椅子に座り続けている爺さんに遊漁料を払う。いったい何時から座っているのか。噂では深夜2時にも座っているらしい。

『何台入ってますか?』
「さっき大阪がら来た車1台だなはん。手前でやるって言ってだがら、上さ行げばいいなはん。」
『3日はいるがらその分で。4人ね。』
「先週熊出だがら気をつけでなはん。」

恐ろしいことを言う。
一瞬どうするという空気が流れたが、どっちにしろ熊がいるところに釣りに行くのは今日だけではない。渓流釣りをする以上、熊は切っても切り離せないのだ。日を改める意味はあまりない。
車一台しか通れずガードレールも無い。そんな道を慎重に進む。少し間違えば崖下。緊張感が凄い。
車がギリギリ入るスペースに駐車し渓に降りる。
真夏ということでウェーダーも履かずに飛び込んだS氏がすぐ帰ってきた。山奥の渓流の水は冷たい。しかもほぼ日陰なのだ。何気に防寒が必要になることも多い。
全員でウェーダーを履き山籠もりがはじまった。

順調に釣り上がる

S氏とH氏はルアー。M氏と私はフライで釣り上がる。まだここは川幅があるため、左右に1人づつ入り釣り上がる。
手頃なサイズのイワナがカディスに食いついてくる。平日なので人が入っていないのか反応がいい。
ルアーを追うのも見える。やはり涼しい山奥まで来ると真夏でも魚は元気なようだ。
全員が釣った頃、反応が悪くなってきた。前方を見ると2人ほど先行者が見える。

『こりゃ叩かれてるな。ジイさんが言ってた大阪の人かな?』
「じゃ一回戻ってベース作るべ。」

適当に広い場所を見つけ荷物を降ろし、焚き火をするための枯れ木を集める。
イワナを川で洗い刺し身に。
今考えると、とても恐ろしいことをしているが、当時は新鮮な魚は全て刺し身で大丈夫、綺麗な渓流の水は直接飲んで大丈夫、という間違った知識を持っていた。

「釣り人の特権だな。」

などと言いながら持ってきた日本酒を丼に注ぎあおる。
休んだ後、再び川に入ることにした。その際、自然界に無いものは置かないようにする。一度でも人の食べ物を口に入れた熊は、その味を覚えてしまい人を襲うようになると教えられていたためだ。
2組に分かれてもう少し上まで行こうか、などと言いながらベースを後にする。

川の主釣り

ひぐらしが鳴き始めると、ベース横の水深のある場所でライズが頻繁に発生した。
ルアーにはいまいち反応しないが、昼間釣果を出したアントから変えたメイフライに良く反応する。
がしかし、上手いこと乗らない。楽しくもあるが釣れないもどかしさもある。
S氏が早引きしてきたスプーンを何かが追ってくるが、岸際でクルンと身を翻し潜っていってしまった。
いろいろ試すが、何をやっても食ってはこない。

「あれは主だな。」
「40cmぐらいあんじゃねーのが。」
『最近にしてはデカイな。』

ほんの数年前までは、その辺の川にもサクラマスやら40cmを超えるイワナなど、今では驚くほど泳いでいたものだ。
幅30cmほどのボサ川で48cmのイワナが取れたという話もある。
釣ったのではなく、水位が浅く横たわってたのを獲ったのだそうだ。一体そのイワナはどこから来たのかは謎である。
突如として出現した川の主。皆の気持ちが一気に高まる。

山の主に教わる

あの手この手を使うも全く食ってこない。流石に無理かと諦めていると、山の門番のジイさんがいつの間にか後ろにいた。

「そろそろ門締めるが、本当に帰ぇんねぇのが?」
「大丈夫です。やんべにやってるんで気使わずに。」
「まぁ門っても鍵ねぇがら。釣れだが?」
「大きいイワナいるんですよ、そごに。主ですかね?」

人懐っこいM氏が冗談っぽく話す。

「んだ。主だな。」

ジジイ今なんて言った?とM氏と私は顔を見合わせる。

「アイヅは悪食だがらなはん!!蛇だのイノシシの子っこだの食うぞっ!!」

目を見開き叫んだ後、ジイさんはこう続ける。

「でもな、ほれ、そのトンボ捕まえで、羽もいですぐだぞ。一発だなはん。」

ニヤリとした後、「クマっこさ気をつけでなー。」とジイさんは帰って行った。
そういえば、子供の頃、水辺には怪しい年寄りがよくおり、「水辺に近づくと主に食われるぞ。」と伝説の押し売りをしてきたものである。
今回もその類だろうか。
トンボで釣れるらしいぞとM氏が言うと、H氏が「じゃそれ貸して。」とフライロッドを借り、羽をちぎったトンボをフライにつけて川上から流した。
上手いこと筋を流せず苦労したが、何度か試すと「トプンっ」と水面に大きな波紋が出来た。
次の瞬間リールが逆回転し、ラインが走りはじめる。

「食った!食った!食った!」

4人は大声を出し興奮状態だ。しばらくやり取りした後、上がってきたのは38cmの大きなイワナ。
主と言うには小さい気がするが、渓流でこのサイズは大迫力である。
大満足し初日は納竿とした。

密度の濃い星空と骨酒

焚き火の周りにイワナを刺し焼く。鍋で燗をつけた日本酒を呑みながら、こいつを食すのだ。
昼も夜も同じメニューだが、まだまだ飽きない。
少し小ぶりのイワナはカラカラになるまで長めに焼き、熱めにした日本酒を注いだ丼に投げ入れる。岩魚の骨酒というやつだ。
ふぐのひれ酒のような、系統的には出汁割りみたいなものだろうか。
家で冷静に呑むと臭みがあり好みではないのだが、自分で釣った魚をその場で焼いて作ったとなると、また違うものである。
骨酒をしこたま呑んで気持ちよくなった私達は、ビニールシートに包まり横になった。
ちょうど川の上に木がないため、天の川のように星空の線が出来ている。いや、あまりに星の数が多すぎて、星空というよりも光の帯。田舎育ちでもなかなか見ることがない景色だ。
川の流れる音、虫の声をBGMに眺めていると、光に吸い込まれるような感覚で寝てしまった。

半ばで撤退

深夜も深夜に起こされる。

「おぃ。野犬じゃないか?」

ウォーン、ウォーンと遠吠えが聞こえる。

『ほんとだ。やべぇな。』

高校時代にキャンプで野犬に襲われ、食料全て持っていかれた経験を持つ私は身構えH氏に声をかける。

「人は襲わないだろ。食うものねぇし。大丈夫。」

とH氏は寝てしまった。まぁ4人いればなんとかなるのかもと再び寝るが、その直後、大粒の雨がポツポツと顔を叩いた。
あんなに晴れていたのにと空を見ると、星は出ておらず真っ暗である。山の天気は変わりやすい。
どうするかと明るいうちの記憶を辿るも、雨宿り出来そうな場所は川を渡る必要がある。このまま降り続けて増水すれば帰ってこれない。これは一旦車で寝たほうがよさそうだ。
朝になっても雨は止まず、水かさも増して見えるため、断念し帰ることした。
山の入口まで行くと、勝手に門が開いた。雨天の朝4時だというのにもうジイさんがいる。

「生きてりゃまた来れるがらなはん。」

そう言うとジイさんは合羽を着たまま、雨ざらしのパイプ椅子に座り監視を続けた。

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