くさやの夢を見たと言われた話。

猛暑ですよ猛暑。どうも何某です。

使いたいワードを無理やりねじ込むスタイルで書いてます。

いつもの渓。

毎年恒例の帰省を兼ねた釣り

今年もこの時期がやってきた。梅雨があけるかあけないかで実家へ帰省する。
嫁は

「今年もこの時期がやってきたね。お土産持っていかないとね。」

実家は神奈川の海沿いからでは相当遠く、高速を使っても7、8時間はかかる。長時間も運転するのかなどとゲンナリしている私の気など知らず、嫁はお土産のことばかり言っている。
面倒だ面倒だと言いながらも私が毎年帰るのは、通い慣れた渓があるから。遡ればフライフィシングを始めた時期からなので20年以上通っていることになる。とはいえ、毎日のように通っていたのは上京するまでで、上京後は年に1、2回振る程度。素人同然の腕前。しかしそれでも釣れるのが田舎のいいところで、今年も帰ろうかという気になってしまう。

フライがない

さぁ行こうかと準備を終え、何気なくフライボックスを開けてみた。たしか、としまえんでフライフィッシングをしてみた話。の時に巻いたのが残っていたはずだな。でも何残ってたかな。トラウトガムは渓流じゃ使えないだろうな。
見て驚愕した。フライが全くないのである。や、厳密に言えばシルバーマーチブラウンとビーズアントが1つづつ。果たしてこれはいつ巻いたやつだろう。ウェットは20年近く巻いてないはずだが。
急いで嫁に、舘ひろしよろしく、フライがない!と伝えたのだが、自分でなんとかしなさいと言われる。
そんなこと言わずハンコ押してくれよ。
しょうがないので、実家で巻こうと素材とタイイングツールをバッグに詰め実家に向かった。

カディス#12のみで勝負

ほろ酔いの親父を嫁に任せフライをせっせと巻く。5本も巻けば騙し騙しいけるだろう。どうせいつも通りエルクヘアカディスで釣れるのだ。水面に落とせさえ出来れば釣れるのが田舎のいいところ。
マムシやヤマカカシ、スズメバチやらイノシシやら熊などに殺られなければボウズなど無い。先に釣るか殺られるか。
本当のサバイバルが今幕を開けるのだ。

フェルトもない

夜が明けたので遊漁券を買い渓に入った。20年前はもっと下流のヒカリと尺ヤマメがよく入れ食いになる所から釣り上がっていたのだが、入渓ポイントがマムシの巣になっており、流石に今そこを通る体力も気力もない。
ウェーダーを履き歩いていると、何やら足裏に違和感がある。見てみるとフェルトがない。

フェルトがない。

そういえば冬に張り替えようと剥がしたままだった。ハンコ押してくれよの次元ではない。こんな山奥ではフェルトなんて売ってないのだ。なんてことだ。優しいなんてウソだぜ。
しょうがないので、ユージよろしく、そのまま岩木を飛び越えながら進んで行く。時のゆくまま。

滑るなか待望の一匹

苔がある石に足を乗せるとツルッと滑ってしまう。フェルトの偉大さを知る。
どうにもこうにも釣りにならない。移動が怖いのだ。
しょうが無いので攻めない釣りをするが、キャスティングのスキルが無いので狙ったところまで届かない。いつもなら釣れてるはずなのにと思いながら釣り上がっていく。
流れがある所など滑ると命取りなので戻っては迂回戻っては迂回。大幅に時間が削られていく。
幅1メートルほどの流れ箇所に差し掛かる。ウェーディングしなくても河原があるので余裕で狙える。ここだと丁寧にフライを落としていく。
パシャっと水面が割れた。思わず『よしっ』と声が出る。綺麗なパーマーク。可愛いサイズのヤマメだ。
とりあえずの一匹にホッとする。

やまめ。

見えない敵との戦い

何かの骨が落ちている。

骨。

それを見つけた瞬間、自分が自然の中にいることを思い出した。ここはクマが出てもおかしくない山の中なのだ。強奪した大型バイクに跨がりショットガンでも撃てれば勝ち目もあるのだろうが、残念なことに狩猟どころか大型バイクの免許を私は持っていない。
そう、免許がないのである。
熊鈴は忘れた。ラジオも持っていないのでRadikoを再生してみるも電波がよろしくなくすぐ止まる。
急に怖くなりユージとタカのものまねを声を張りながら繰り返す。クマは基本臆病なので人には近づかない。
滑るうえ、クマにも気を使うとなると釣りにならない。ましてや、どんどん暑くなっていく。現在位置で気温を調べると、山奥だといいうのに30℃あるらしい。まだ10時にもなっていない。
20年前に買ったウェーダーの中はビシャビシャに濡れている。流石に買い替えないとなと思いながら獣道を抜け車まで歩いていると、首筋が痛い。手首も痛い。
なんだろうと見るとアブである。車を見ると、あろうことかびっしりとアブが覆っている。
そいつを横山弁護士よろしく、手で払いのけ押しのけするも、全く効果がない。
しょうがないので、ウェーダーのまま車に一気に竿を持って乗り込みドアを閉め走り出した。もちろん盛大にアブが入ってくるので、移動してから窓を全開にし追い出す。
いつもこんなにアブがいただろうか。やはり早めの夏が影響してるのだろうか。

なんだか疲れたので移動はやめて納竿とし、帰宅した。
嫁の姿が見えないなと探すと、もう昼だというのにまだ寝ていた。
よく人の実家で昼まで寝れるな。実はこいつが一番の敵なんじゃないか。などと思いながら、ウェーダー内で発酵した汗びっしょりのTシャツを枕元にそっと置いて寝室を後にした。

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