【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

東京湾でタチウオジギングをした話。

タチウオが食べたくなったので行ってみました。どうも何某です。

なんだか余裕がなかったのか、写真撮るの忘れてました。

東京湾。

夏休み突入

「チームで調整して夏休みをズラして取ってほしい。」

いつもならワガママ言うなと、上司にフェイスロックを極めてるところだが、今回は喜んで受け入れた。
希望した平日に休めるからである。
乗合船ほ土日は混む。これはチャンスとすぐさま予約を入れた。
人生初のタチウオジギングにチャレンジ。
「お金払って釣れなかったらどうすんの?」と酔った勢いで詰め寄る嫁に

『闘う前から負ける事考える馬鹿がどこにいるんだよ‼︎』

と張り手を食らわした。

船宿で準備

時は来た。それだけだ。
思ったよりも早く船宿に着いてしまった。駐車場に車を停め受付をする。

「札取りました?」

この船宿は早い者勝ちで座席を決めるらしい。右舷ミヨシの札が1枚取られてるだけで、あとは残っている。
せっかくなので、左舷のミヨシをいただいた。
ミヨシは自動的に常連が座るものと思っていたが、この船宿はそのようなローカルルールは無いらしい。
荷物を置き準備を始める。
事前に問い合わせた話だと、この時期は100〜150gのジグを用意していればいいそうだ。数本取り出して置いておく。
まだ6時だというのに日が照り始めてきた。
吹き出る汗の量に比例して、夏タチへの期待は徐々に高まっていく。
出船間近になると次々続々と人が乗り込んできた。平日だから余裕だろうと思っていたが、隙間なく埋まっている。こんな状態で釣りになるのだろうか。

夏タチ、幸先良し

タチウオ船団。

猿島沖に船団が出来ている。
どうやら東京湾では8時にならないと、タチウオを釣り始めれない協定があるらしい。ポイント上でドキドキしながら待つ。

「それじゃ始めてくださーい。57mの50〜53mに反応出てるんで、底から15mくらいは誘ってみてくださいねー。」

流石の人気船宿。アナウンスも優しく聞き取りやすい。
とりあえず130gのアンチョビメタルZEROを投入する。アカキンのゼブラカラー。
速めのワンピッチは反応無い。
遅めのワンピッチ。反応無し。
3回目の底付近で何かが触った。アワセるも乗らず。そのまま底まで落としタダ巻きする。
底から2mほどでゴッと魚信がリールに伝わる。乗った。

初タチウオ。

まぁまぁのサイズのタチウオ。人生初タチウオだ。本来ならばキスの一つでもしたいところだが、そんなことをすれば、口が血だらけになってしまうだろう。
その後、立て続けに2本あげる。とりあえず幸先よくほっと一安心。
船内はそれほど釣れてないようだ。初タチウオで竿頭行けるのでは。
がしかし、その後はピタッと止まってしまった。真逆に他の人が釣れ始める。
ジグをあれこれ変える。
アンチョビメタルに反応があまりにも無いので、一回使ってみるかと、部屋に転がっていた謎のジグを使う。重さ以外はゴールドという事しかわからない。
3巻きくらいでドスンと重みが加わる。なんだこれは。重い。ポンピングをして寄せて始める。隣の方が「デカそうですね。」と話し掛けてくれた。その直後にラインが切れる。切り口を見るとナイフで切った様になっていた。恐ろしく切れる歯だ。

スローピッチでもやってみる

反応が全くなくなる。船内もポツポツのようだ。
スローエモーションフラップのタチウオスペックをシャクってみる。ピンクに変えた途端フォールでコツンとアタリが出るようになった。ただフォールで乗せるのが難しい。
トレブルフックではないと厳しいかもと思い始めだ所で、フッと糸ふけがでた。即合わせをすると乗ったようだ。

フラップで。

しかしこの後パタッと止まる。
移動中にラインシステムを組み直したので、部屋に転がっていた謎のジグを投入。
ピンクが入っていて使ってないのがこれしかない。
ゆっくり底から5巻の後小さくシャクって短くフォール。これがハマり3本立て続けに釣る。ただサイズは小さい。
がしかし、また止まってしまった。
常連の方が、今日はパターンがコロコロ変わって釣りづらいとボヤいている。

バカでかいタチウオが釣れる

12時頃。眠気がピークになっていた。
釣れれば目も覚めるのだが。
先ほどのパターンで釣れなくなったので、ジグはそのままにタダ巻きをする。
底から3mほど巻いてきたところで、ドスンと重みが来た。
やっとだなと巻き上げようとすると、全く巻けない。
ロッドにパワーが無いので、ストレートポンピングで引くと上がってくる。
先程サメがかかってトモ側が一掃されたらしい。もしやこれもサメか。その割には引かない。ただただ重いだけだ。
何だろうと上げてみると、前後のフックがガッチリ刺さったデカイタチウオ。
ロッドで持ち上げれないので、リーダーを持って引き抜いた。
後の計測で判明した110cm。とんでもなくデカイ。

「根掛かりかと思って見てましたよ!すげーデカイっすね!」

隣の方達が自分が釣ったかのように興奮している。それにつられて、私も思わず拳を突き出してしまった。

超でかいタチウオが釣れる

「サイズが出てないので、ドラゴンポイントに行きますからね。大きいの釣ってくださいねー。」

それなりに数は出ているらしい。
投入するとすぐさま小さいのが1本釣れた。周りもサイズは伸びないようだ。
急に右舷が慌ただしい。振り向くとタモを持ち出している。歓声があがる。なかなかの大物を釣ったらしい。
私は先程大きいのを釣ったので、あれを越えることは無いだろうなと。
オマツリだけ気を付けながらダラダラと巻く。下から3mほどで巻けなくなった。巻いても巻いてもズルズル滑る。これは流石に根掛かりかと思っていると反対側の右舷に持って行かれる。

「凄い竿曲がってますけど、なんか釣れてます?根掛かりですか?」
『多分、右舷とオマツリしてるんじゃ無いですかねぇ?』

船にラインが擦れているので、できるだけ腕を突き出しストレートポンピングしてくる。無理な体勢だが切れるよりいい。

『ラインが反対に引っ張られるので、右舷の釣れた人にオマツリしたんでしょうねぇ。』

そろそろ上がってくる頃か。オマツリ相手に声をかけようと後ろを振り返る。

「オマツリにしては何かおかしくないですか?」
「あっー!!でけぇ!!やべぇ!!タモだ!タモ!」

その叫びを聞き海面を見ると、見たことない大きさのタチウオが浮かんでいた。
タチウオってこんなにも太くなるのか。これを凍らせたら立派な鈍器だ。
隣の方がタモを持つも、大きすぎて全く入らない。周りがパニックになっている。

「大丈夫?できる?このサイズは普通にやっても入らないんだよ。ちょっと貸してみてー。」

船長がやってきてタモを持ち、フレームの上に乗せたタチウオをバランスを取りながら船の上にポンッと投げ上げた。
その瞬間、左舷ミヨシは全員両手をあげ歓喜の声をあげた。

117cm。

右舷の常連は私のヒットジグを確認し、「ピンクが調子いいみたいですよー!!」と他の方に声をかけていた。彼は常に他の方に気を配っている。私も彼のような釣り人にならなければと思う。

もしかすると

残り15分。そのアナウンスが終わるか終わらないかで、ハンドルが巻けなくなった。間髪入れずにアワせる。
瞬きほどの時間が流れたあと、グッーと下に引っ張られる感じがある。あぁこれはダメだ。

「それさっきよりデカいんじゃないですか?」
『全然竿があがらないです。さっきより重い。』

ストレートポンピングで引き上げるが、油断すると思っている以上にラインが引き出される。確実に先程のより大きいはずだ。
巻いては出され巻いては出されを繰り返していると、引きつけたタイミングでフッと軽くなり、そのまま後ろに倒れこんでしまった。
「あー!!!」と周りから残念そうな声があがる。
ラインを巻き取ってみると、TNノットがナイフで切ったかのようにスパッといかれていた。

「いやー、さっきのよりデカそうでしたね。」

周りの方々が自分のことのように悔しがっている。いい船に乗れて良かった。

俺がチャンピオンだ

11本。

「大きいの釣れた方は計測後に写真撮りたいので頭落としたりとかしないでくださいねー。」

この船長のアナウンスを聞き、隣の方が

「尻尾切らないようにしましょう!気をつけて!計測まで大事にいきましょう!」

と声をかけてきた。
納竿後、船長が釣果を聞いてくる。私は11本。そして計測。結果は117cm。船長は「あと3cm。惜しいねぇ。」と悔しがる。
隣の方が、「これトップですか?」と聞くと、「まだ測ってない後ろにも大きいのあがってるからね。」との返答。
釣った本人より、周りが緊張している。
そして釣果の発表。平均して15本くらいのようだ。竿頭は常連の方で50匹近く釣ってるらしい。そんなに釣果に差が出るのか。

「一番大きいのは117cmでしたね。」

この船長のアナウンスの瞬間、周りは「ヤッター!!!」と両手をあげて喜んでくれた。妙な一体感。まるで自分が釣ったかのように喜んでくれている。
素晴らしい一日を過ごした。
帰りに釣具屋に行き、今日のヒットジグを探すことにした。いつ、どこで買ったかわからないジグだが。
普段行かないタチウオコーナーに行くと、すぐそれは見つかった。
ティムコのオーシャンドーミネータの中山丸カラーのようだ。即買い占める。まぁ次もこれで釣れるかはわからないのだが。
がしかし、11本でもなかなか食べ切れない。早く行きたいが、まずこれを食べきらなければ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

中深海ジギングでもがいている途中の話。

日焼け止め塗っても焼けちゃいます。どうも何某です。

最近、嫁が船を出せうるさいです。いい傾向です。

穏やかな朝。

ジギングの先輩に話を聞く

どうやらスロージギングの先輩の話を聞くと、シロムツが釣れるのはジグが速すぎるからだという。

「アカムツジギングは10cm刻みで棚を調整するくらいの繊細な釣り。俺ならこんな暑い時期は集中力が続かないからオフシーズンだね。」

だというが、なんとかひさぶりに釣りたいとコツを聞いてみた。

  • 基本、目の前のジグしか食わないから、ゆっくり丁寧に探れ。
  • 相模湾のアカムツはジグを飛ばさないほうがいい。駿河湾は飛ばしたほうが良い時が多い。
  • ジグは横向かないと魚には見つからない。きっちり横にしてフォールさせろ。
  • ぶっちゃけジグはなんでもいい。横さえ向けば、なんでも食ってくるから細かいこと気にするな。
  • シャクるとかしなくていい。竿を上げて落とすだけ。
  • この操作できっちりアピールするには、スパイファイブかクランキーが一番楽。
  • 使ってるジグが重すぎ。湘南エリアは潮がゆるいので水深=gでいい。
  • 真下に落としてジグを横に向けるのは難しい。少し斜めに引くとかなり操作が楽なので、もっと軽いジグを使え。

ということらしい。
黎明期から中深海ジギングをやってる方なので、そうとう説得力はある。
『ロッドやラインを専用のに変えてからジグが動き過ぎてる気がする。』
という質問には、「ラインが伸びないのもそうだけど、うねりが高いなどの時はロッドの番手下げたりして調整するものだから。」という返答。
要するに、ラインを変える気が無いなら、ロッドやらジグやらで調整しなさいということらしい。奥が深い。

平日も賑わってる

平日だというのに意外と人がいる。SUPが数人、カヤックも数艇。なんならミニボートも。
軽く話をすると、平日は平日で常連の方々がいるようだ。
今日は試したいことがあるため、一気に沖を目指す。
水深330m付近から開始。この時期のアカムツはもっと浅い気がするが、300m付近で結構釣れているらしい。
がしかし、今日は潮が流れない。風も全く無いのでカヤックも流されない。
困ったな。と思いながらジグをゆっくり上げて落とすを繰り返す。
こんなので食ってくるのだろうか。
中深海ジギングを始めた頃のラインは、ゴムのように伸びる感覚があった。そのため、水中ではほとんどジグは動いていなかったように思う。
今のPEジガーに変えてからは、落ちる速度も、回収も相当速くはなったのだが、変に動きすぎなのだろう。ラインを変えてからアカムツを釣っていないので、必要以上にゆっくりと誘うことにした。
本当に少しだけ潮が動いたかな、というくらいでジグに抵抗が増えた。本命では無いようだがと回収する。

ぎんめだい。

特徴のあるヒゲ。最近買った図鑑で見た魚だ。たしかギンメダイだったような。
小さすぎるなとリリース。

本命のようなアタリ

潮も流れずイマイチだな。とは思いながらも、集中してシャクる。
240m付近。アーク230gを、もうこれは、なんの動きもせず真っ直ぐ落ちてるだろうという速度で落とすと、ググッと竿先が踊った。
あんなので食ってくるのかと驚きながら回収する。定期的にコンコンコンと叩く。もしやこれは本命ではと心が踊る。
期待しながら巻いてきた残り80m。フッと軽くなった。バレた。
ゆっくりゆっくりと巻いてきたつもりだったが。残念だと回収する。

目玉。

なんと、目玉だけあがってきた。なんの目玉だろうか。
なんにせよ、期待が持てる引きだっただけに悔やまれる。

再びデッドスローで誘う

先日アラを釣ったポイントへ移動する。最近お気に入りの場所だ。
同じようにアークをゆっくりゆっくりと落とすと、ゴツンと竿先が引き込まれた。
こいつはデカイのではとアワセてみたが、その後全く引かない。バレたかなと上げてみると、なにやら見たことない魚がついている。

めだい。

ヌルヌルと体液をタレ流す魚体。噂に聞くメダイというやつだろうか。
美味いという話も聞くので持ち帰ることにする。
なんだか騒がしいなと振り向くと、朝方、少しだけ会話したミニボートの方が、大声で鼻唄を歌っている。ご機嫌のようだ。

「おーい。釣れたかー?」

私に気づき声をかけてくれた。
首を振りながら近づき、メダイだけだと返す。

「俺はアカムツ3匹だな。あ?なんだ、ルアーでやってんのか?餌で釣れる日はルアーは釣れないぞ。」

そんなことないとも言えず、鼻唄を背に受けながらパドリングした。

何かが触る

またおまえか。

ポイント移動後、変えたSpec-Zeroにタチモドキがヒットした。
またこいつかと思いながらリリースすると、今日は泳いで行かない。エア抜きが必要だろうかと、回収しようとした刹那、カヤックの下から1mに満たないほどの魚影が飛び出し、「バクンッ」というゆるい音とともに泳いで行った。目を凝らし見るとシイラのようだ。どうやらカヤックの下に隠れていたらしい。
タチモドキには申し訳ないことしたなと思っていると、南風が強くなってきた。
風を利用して浜に戻りながらジグをシャクる。
水深140mほどのポイントだが、やたらと何かが触ってくる。アワせてみても乗ってる感じはない。
落とし直しても、またすぐ触る。モゾモゾとしている感じが伝わる。
さらに風が強くなってきたので、回収して帰ろうとすると、ジグに何かついている。

するめ。

こいつが犯人か。いい土産が出来た。

噂の原因判明

着岸し、情報交換すると、最近ここから出艇するボートが多いらしいという話しに。
どうやら、ボートの聖地とかいうところの駐車場を開ける時間が遅くされてしまったので、他に流れているらしい。
確かにその噂は聞いたことがある。
するとミニボートの方が原因を知っているとのこと。
聞くに、港内はエンジン禁止なのにエンジンをかけた人がおり、挙げ句、潜水している漁師の上を滑走していったのが原因で、漁師が激怒して締め出されたのだとういう。
常連が出艇した後だったため、注意も出来なかったようだ。
漁港はローカルルールが多いため我々も気をつけなければ。
そんな話しをしていると、御老人が立っていた。誰だろうと見ていると、「この人、今朝死体釣ったんだってさ。」とミニボートの方から紹介を受けた。
どうやらボートの横に流れて来たらしく、対応時に釣り針を衣類に引っ掛けて面倒だったらしい。

『じゃ、これから大変なんじゃないですか?』

と聞くと

「ん?調書?もう終わったよ。俺元警視庁だから、慣れてるよね。」

どうりで妙に落ち着いてるなと。

「明日は我が身だから。お互い気をつけないとねー。」

軽く手を上げながら御老人は去っていった。

タイドグラフ

タイドグラフ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

北の渓でとんでもなく爆釣したけどな話。

週末も雨予報ですかね。どうも何某です。

だいぶカヤックに乗ってない気がします。

今年も帰ってきた。

一年ぶりの帰省

前回の帰省以来なので、ちょうど一年ぶりというところか。
一週間ほど前から嫁が

「ちょっと。フライ巻いたの?毎年帰ってから騒ぐんだから、今のうちに巻いておきなさいよ!」

と騒いでいる。
彼女がいなければ、今回の釣行は成り立たなかっただろう。ウェーダーも買い換えなかっただろうし、フライもトラウトガムしか残ってなかったのだから。
よく出来た嫁である。
「あっ!お土産!!」と思い出したかのように声を出した嫁に、そっと湘南クッキーを差し出す。湘南と言えばクッキーなのだ。

「なにこれ?自販機で買ったんじゃないの?」

と、険しい顔をして受け取りながらも、母相手に「地元の有名なクッキーなんですよー。ネットにもよく出てるんですよー。」と笑顔で渡している。
湘南に行ったことすらない母は、「凄いね!ネットで有名なんだ!」と、良いもの貰ったとポクポクしていた。

デイリーポータルZは全ての人を幸せにするのだ。

今年も渓に帰ってきた

夜明け前のコンビニで釣券を購入する。こんな山の中にいつ出来たのか。24時間買えるとは便利になったものだ。
コンビニ前の水深のある場所は、日が昇ったらウェットでも流そうと取っておき、少し上流に車を停めて準備をする。
といっても、ウェーダーを履いてバッグを持つだけだ。この手軽さが最高だ。
車から数歩で渓に降りる。夜明けとともにカディスの#10を結びキャスト。
2〜3mほど流してはキャストを繰り返す。水の流れのノイズがうるさいが、流れるフライに集中しはじめると、これが日常とのいい壁になってくれる。ノイズのおかげで自然と魚と自分だけしかいない空間になるのだ。心地よい。
10mも釣り上がっていくと、感覚を取り戻してくる。こういう時はあそこに着いてるな。あの流れの向こうは、この位置からなら私のスキルでも狙えるな。など。
さて、そろそろ釣ろうか。
狙いすました場所に、カディスがフワッと着水。数センチ流したタイミングでパシャっとフライが消えた。

今年初ヤマメ。

10センチほどだろうか。かわいい山女魚である。1年ぶりの再会にホッとする。
その後も、投げるたびに魚が食ってくる。がしかし、どう見ても小さい。#10ではどうやら口に入らないのか乗らない。
小魚釣ってもなと思いもするが、せっかくなので試してみようと、カディス#14を結んで投げる。

ちびやまめ。

思ったとおり投げれば釣れる、投げれば釣れるの入れ食いである。ただし、全て10cmほどの山女魚。
ドライシェイクするのが面倒になり、沈めてみても食ってくる。かなり活性が高いようだ。

イワイイワナを結ぶ

結局20匹以上のチビ山女魚を釣り上げたが、なんとか持ち帰れるサイズがほしいところ。
カディスも使い切ってしまったので、一旦洗って干すことに。

休憩中。

休憩しながらせっせと作業すると、じっとりと汗が出てきた。だいぶ気温があがったようだ。
このタイミングではないかと、イワイイワナ#10を結ぶ。夏場はやはりこれだ。
もう少し上流に行けば日陰になるのだが、我慢してキャストする。あの流れの向こうにいそうな気がしたのだ。
流芯を越えたところにフライを落とし、すぐメンディングする。上手く流れてくれている。
3mほどだろうか。これ以上はドラッグがかかってしまうというギリギリのところでバシャっと水しぶきがあがった。

『よしっ!』

思わず声が出た。サイズアップはすぐわかったからだ。
ネットにゆっくりと入れる。サイズは18〜19cmというところか。私の手のひらより少し小さい。
とはいえ、今日一番のサイズだ。慎重に水たまりに横たえる。
写真を撮ろうとバッグを漁り、スマホを取り出し顔を戻すと、あろうことかヤマメがいない。
しまった逃げられたか。
がしかし、よく見ると、ヤマメを置いた場所がウネウネと動いている。なんだこれは。
さらに目を凝らすと、極々小さい謎の黒い虫が、びっしりとヤマメを覆い尽くしているのがわかった。
これに驚き、私は払い除けるつもりでヤマメに大量の水を手でかける。すると、水かさを増したのを利用して、ヤマメはスルスルっと泳いで行ってしまった。
やらかしたと思いつつも、今日は活性がいいからと、気を取り直してフライをキャストし続けた。

結局小魚に遊ばれる

ヌメリがついて使い物にならなくなったイワイイワナを外し、カディス#10を結び直す。
やはりカディスは反応がいい。がしかし、やはりサイズアップは望めないようだ。
ふと見上げると、ルアーの方が準備をしている。おそらくこの先に入るのだろう。ギリギリまで行ってもいいが、今日はもう十分だ。ここで納竿とした。
11時頃に実家に戻り、まだ寝てるだろうかと嫁を見に行く。
ドアを開ける音に気づいた嫁は、目を見開いて小さく

「釣れたかい?」

と呟いた。

『30匹くらい釣れたけど、全部小さいよ。』
「そうかい。じゃ、また来年。」

と二度寝してしまった。
毎年人の実家で寝てばかりいるなこいつは。とはいえ、そのほうが釣りに行くには楽でいいか。
などと思いながら、寝てる嫁の横で帰宅する準備をし始めた。
また来年。

© 2024 磁力式駆動 All Rights Reserved.
Theme by hiero