【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

虎の穴に遠征した話。

オーバースペックじゃないの。どうも何某です。こんばんは。

僕もオーバースペックだと思ってましたよ。
やれ、ステラだとか、やれ、レバーブレーキのリールだとか。
なんでリールが10万以上するのよとか。

実際体験してみて、初めて理解するってこと多いです。

島。

ちゃんとリンスするシャンプー

「リンスなんて今見かけないから若い子は言わないよねー。」

TVerでなにかの番組を見ながら妻がつぶやく。

『そうなんだ。じゃ今何ていうの?』

昼間から右手に持った缶ビールをグビーっと喉に流し込んだ後、一泊置いて妻は言う。

「コンディショナー。」

『えぇ!?』

「でもリンスとコンディショナーはまた別ものだから。」

『それじゃ、ちゃん・コン・シャン、になっちゃうよ。ひろ子はどうなるのよ!!』

「ひろ子。」

『朝シャンだって出来なくなっちゃうよ。』

「朝シャン。」

知らない用語が次々出てきて戸惑う妻。

『このわからずや。いいからこれを見てよ。』

iPadに表示されるひろ子。

「キミは寝なくていいのかい。夜中に出るんでしょ。あ、何、またCM?」

『そう、このフレーズが流行りすぎて、商品名が正しく広がらなかったから、こっちのCMを流しはじめたんだ。ほら見て。ひろ子を見てあげて。』

「お願いだから寝てよ。。。」

御蔵島に向かう

迷ったが、4時間ほど寝た。
寝るのに何を迷うのかというところだが、遠征船ということで、船に乗ったあと、ポイントまでの片道5〜6時間ほどの移動があるのだ。
つまり船内でも寝るしかない。目が覚めても、雑魚寝の状態ではスマホを開くこともできず、やることがない。
初めての遠征船、さらには本格的なキハダジギングは初めてだ。緊張でそもそも寝れるのか。
がしかし、船室に入ってからは、意外や意外に寝れるもの。エンジンのノイズが心地いいのかもしれない。
朝日が出る頃になると、皆外にでて準備をしているようだ。
私も続いて準備をする。

キハダの姿を見るも

事前に聞いていた話のジグの重さは200〜300g。400gも準備しておけば安心とのこと。
240gのジグから始めたが、やはり潮が速いようで、2流し目には底が取れなくなった。
ジグをメジャークラフト ジグパラバーチカル ロングスロー ローヘッド 300gに交換し、スローピッチジャークで誘っていく。
1時間ほど船中アタリが無い中、キッチリ飛ばしてフォールをしっかり取るを繰り返していると、ドンッっとロッドが根本から突然曲がった。

『キタッ!』

思わず叫ぶと、周りから「おー!やったねぇ!」との声。
やり取りしようとはするが、船の下をくぐり反対側へ向かって走ってしまう。
一生懸命寄せてみようとするが、体勢が悪く微妙である。
船長から反対側へ回るように指示されたので、寄せながらミヨシ経由で反対へ回った。
時折走り始めるとドラグが鳴り、ラインが20〜30m引き出された。
シマノ オシアジガー2000NRPGのドラグが5kgから7kgほどに強めた状態で引き出すとは凄いなと思いながらやり取りする。
事前にファーストランが終わったら締めるを練習していたので、おそらくドラグ値はあっているだろう。
ちなみに、オシアジガー2000のドラグはカタログ値10kgとのことだったが、どうやら個体差があるらしい。ちなみにこの2000PGは新品の状態に、ラインをフルで巻いて9.5kgなので素晴らしい。
回ってあがってくるキハダの姿。10kg程度だと思うのでキメジか。
やっと見れたと思いながら、船長と取り込みの息をあわせる。
届くか届かないかのところで、身を翻したキメジは一気に20mほど走りはじめた。
刹那。「パンッ!!」っと破裂音。

「あー、残念。」

この船長の声で我に返る。
そうか、高切れか。
ミヨシを回るときに、船底に擦った感じはあったが、すぐ巻き取ったので問題ないと思っていた。
一気に走られたことで、そこまでラインが出ていってしまい、そこでキレてしまったのだ。

ノット抜け、反省

急いで高切れしたラインにノットを組む。
リーダの切ったところにコブを作りたいが、ライターの火が着かない。
なんとか少し炙った程度で、引っ張る。抜けないので大丈夫だろうと、REALS Spec-ZERO 300g ゼブラグローシルバーをシャクる。
「高速巻きとかハイピッチが今日は調子いいみたいよ。」とのアドバイスをもらう。
なるほどと思い、早めのワンピッチをいれてみる。
短いロッドなので、こういった対応もタックル変えずに出来るのがいい。
がしかし、私のスキルの無さなのか、反応は無い。
諦めて、フォールを意識したアクションに変えてみると、一発で反応があった。
ドンッ。ジーッ!スポッ。
こんな感じで手応えが軽くなる。

「抜けた?」

周りから声がかかる。高切れだろうか。
回収してみると、綺麗にノットからリーダが抜けている。
やってしまいましたの顔をする私に、「船上でノット組むのって難しいよね。」と慰めの声がかかった。

巨大マグロとの格闘

今度はしっかり。しっかり。
きつく絞めに絞めてFGノットを組む。
オシアジガー2000PGのドラグも5kgに設定し直した。
Xesta スローエモーション フレアS ゼブラグロー 300gを早めのワンピッチで誘う。
しばらくアタリは無い。
気がつけば周りは、全員スピニングに持ち替えて、テンポよく誘っていた。
アクション変えるかと、ゆっくり頭の上まで持ち上げて、テンションキープでロッドを下ろす。
底から20mほどそれを繰り返していた頃だろうか。
頭まで持ち上げたロッドが、思いっきり下に引きずり下ろされた。
バランスを崩しかけ、腰を落として踏ん張ると、ものすごい音でラインが出ていく。

「こいつはデカイぞっ!」

周りの声に反応したかのように、ロッドがくの字に曲がる。
またしても船の下をくぐって反対側に向かって走っているようだ。
「ヤバいよ。竿が折れるぞ。耐えろ耐えろ。」の声がかかる。できるだけ、変な曲がり方をしないように腕を突き出す。
70〜80mほど引き出されただろうか。
止まったタイミングでドラグを絞めた。ここまでは練習通り。
がしかし、ロッドがくの字に曲がりすぎて、ラインを巻けない。
船長が隣に来て、「前に行こう。竿上げさせたからどんどん糸出していいよ。」と言ってくれた。
時折の強烈な引きに対応しながら、ミヨシでのやり取り。
綱引きを繰り返しながらやり取りする。
「30kgは余裕でありそうな感じだなぁ。」と後ろから声がかかる。
憧れの膝乗せがくるか。
もうアドレナリン全開だ。残り40mのところでドラグを最大にまで絞めてみた。
左回りに浮かんでくるかと思った刹那。ドラグが「ジーッ」っと鳴り始めた。
ラインが出ていく。まぁ何度かこういったやり取りはあったが、20mくらい走れば止まるのだ。
止まったら一気に寄せようと思っているが、全く止まる気配がない。
あれよあれよと30m、40mと引き出されていく。
や、あろうことか、ドンドン勢いが増していくのだ。
止まらない。
ジャアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
こんな音聞いたことがない、という爆音でスプールが回る音が響く。
これ以上ドラグをかけれないので、指で押さえるが、あまりの勢いに耐えきれなく離す。
100mほど出たところで、フッと軽くなってしまった。
周りから落胆の声が出る。
「あげてもらったのにすいません。」と謝りながら回収すると、80lbのショックリーダーが綺麗に切れていた。

「ジグ丸のみだな。飲まれ切れだよ。」

これが噂のハリが飲まれることによって、リーダが歯にあたって切れてしまうやつか。
結構長いジグなのに丸のみとは。どれだけデカイんだ。

『最後ドラグMAXなのに全然止まらなくて。』と上級者に話す。

「オシアジガーはドラグ弱いからねぇ。」

俺のジガーのドラグが弱いだと?何を言っているのだ。
よくよく聞いてみると、オシアジガーのドラグはどれだけ絞めても、一旦走り始めると効かなくなるのだという。
今回のように大物のマグロが走り始めたら、経験上まず止められないのだそうだ。
やるのであれば指ドラグであるが、指ぬきグローブでは、手が擦り切れるのでおすすめしないらしい。
確かに、押さきることが出来なかった。

「だからそっちのレバードラグでのやり取りのほうがいいと思いますよ。」

オーシャンフリークス キャプチャ60HGを指差しアドバイスしてくれた。
実は事前にそういう話は聞いていた。
だけどこれは、俺とオシアジガーの挑戦なんだ。
もう戻ることなんかできない。
バッカンからリーダーを取り出すと、急いでFGノットを組み直す。

『行くぜ!オシアジガーの実力を証明してやる!』

余裕でキャッチ

タックルを3番から4番に持ち替える。
リールはキャプチャ60。
自然の前には、私の意思など意味はなさない。
周りが釣れ始めたので、ノットを組むのをやめて急いで投入したのだ。
時合だと盛り上がっている。
指示棚でXesta スローエモーション スリッピー ゼブラグロー 300gを小さく飛ばし小さくフォールを繰り返す。
ドンッと竿先が曲がった。

「みんな釣ってるからね。全員釣って楽しく終わろう。」

スッと横から船長。
凄いプレッシャーかけてきたなと、思いながらやり取りする。
ただ、今回は安心感があった。
ドラグの効きが違うだけで、これほどまでに余裕があるのか。
走りはじめても、ドラグがしっかり効くのがわかる。
何度かマグロとやり取りして、感覚がわかってきたというのもあるだろうが、それを差し引いても、リールを一つ替えただけで、魚に主導権を渡さないという手応えがある。

キメジ 12.0kg。

最初にバラしたのと同じくらいだろう。
なんとか手にして安堵した。
振り向くと船長も笑っていた。

オープンフィンガーグローブ考案は佐山聡

ジギングでなんとか釣ったので、念の為持っていったキャスティングをしようかとしようかと準備する。
がしかし、断念することになった。
なぜなら右手がボロボロだったからだ。
一日中ハンドルを回していたためか、手の指の皮が何箇所もめくれ上がっているのである。水が溜まっていることも多数あり、ロッドを握ると激痛が走るのだ。

「指抜きの手袋してるからだよ。」

声がかかる。「オフショアは指まで隠れてないとそうなるんだよね。」とのこと。
やっぱり、マグロ、カンパチ、ヒラマサあたりを相手にするとなると、それ相応の装備が必要なのだな。
リールを使いこなせていない件もそうだが、だいぶ大物相手のオフショアを舐めていたようだ。
心の佐山聡が近寄ってくる。

「舐めてるの俺を?舐めてんのかっ!?」

反省をしながらの納竿となった。

喜びのタイガーステップ

中心に。

帰りの船はよほど疲れていたのか、ぐっすり眠り一瞬で着いた。
帰宅後、妻を庭に呼び出す。
何が入っているのかと、訝しげにクーラーボックスを見下ろしている妻を中心にタイガーステップで回る。

『もっと思いっきり蹴ってみ。』

こいつは何をやっているのかと、私の行動を観察している。

『俺がさ、思いっきり蹴れと言ったら思いっきり蹴らないと。』

あー、あれか。思い出した。という顔をしながら、しゃがみ込み、クーラーボックスを開ける。

「凄い大きさじゃないか。何?カンパチ?マグロ?」

『舐めてない?』

「それはもう聞き飽きたのよ。酔っぱらうと毎回言うから。」

残念だ。ここからが盛り上がるとこなのになあ。
などと思いながら、「やだ。凄い臭い。」とボヤく妻と一緒に、横たわるマグロを見下ろすのだった。

タックル

ジギング

#2

#3

#4

キハダキャスティング用

タイドグラフ。

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