【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

お酉様に力を授けてもらった話。

台風逸れましたね。どうも何某です。こんにちは。

週末の予報はまだ悪いですが、最近は天気予報がアテにならないので、いつでも出れる準備はしておきます。

こんにちは。

アカムツが食べたい

「ちょっと聞いてよ。このアカムツが4,500円だって。ボッタクリじゃない?」

居酒屋をめぐる番組を見ながら、酒場詩人なるものが頼んだ小さいアカムツの塩焼きの値段に驚く嫁。
EAST ENDよろしく。流すように返事をする私。
今年はほとんど中深海をしてない。
コロナの影響もあるのだが、魚探の調子が悪く、電源が入らなかったり、振動子を認識しなかったりしているせいだ。

「やっぱり塩焼きが好きだねぇ。わかってるね。塩焼き美味しいものね。」

たしかに塩焼きは美味しい。
がしかし、個人的には、冷めた時の味の落差にガッカリしてしまうので、2、3口で食べれる大きさだけ焼くのが好きである。串焼きにするのもいい。
なんてことを言ってみると、「よいじゃないか。明日はどうだい。釣れるかい。」などと。
予報は良くなったり悪くなったりを繰り返しているため、直前までわからないが、『行ったら釣れるだろうね。』と見得を切る。

「そう簡単に断言するのは良くないよ。悪いクセだよ。」

『為せば成る、為さねば成らぬなんとかかんとかと言うのだよ。わかるかい。』

「どういう意味だい。」

有言実行シスターズ シュシュトリアンの言葉だね。』

「あぁ、もういいです。」

ベタ凪だが潮が速い

やっぱりホビーのほうが離岸しやすいなと感じる。SUPのように喫水が無いからだろうか。
魚探をセットする。やはり、振動子は認識しないが、海図は出るので問題ない。ポイントに向かう。
荒れるかと思っていたが、ほとんど風は無い。
ディープライナー スピンドル ブルーヌードスポット 270gを落としてみると、真っ直ぐ落ちて行った。潮も緩いのだろうか。
全く流されないので、一旦回収しReals P.J.Ride ブラックハーフグローフルシルバー 180gに変える。
100mほど落としたあたりからラインがだいぶ横に流される。カヤックがほとんど流されてないうえ、最初真下に落ちたところを見ると、中層に速い潮があるようだ。
フリーフォールでは難しいか。一旦糸ふけを取り、サミングしながら落としていく。とはいえ、それでも結構流されてしまうので、ある程度落としたら糸ふけを取りの繰り返しだ。
真下に着底。
曽根というのだろうか。20mほど盛り上がった地点。ちょうど潮が曽根に当たる位置を流れている。狙い通りだ。このままいけば何かしらは結果が出るだろう。

放置プレイ

1/6で小さく4回動かし、10秒ほど放置する。
ちょうど根に差し掛かった時、30秒ほど放置してみるつもりでいた。
カウントアップで20秒を越えたあたりで、ゴゴンッっといい手応えが伝わってくる。
ゆっくり巻き上げると、定期的に暴れる。力強い。
放置して食ってくるのはアカムツの可能性が高い。はずだ。
ゆっくりゆっくり。
残り40m。叩く。叩く。
間違いない。確定だ。

32cm 490g

アカムツを丁寧に取り込み、脳締め、血抜き、神経締めをする。
いつも思うが、手触りがいやらしい。いつまでも触っていたい気にさせる。
口の中を見ると、ツガイのタイノエがいた。軽く挨拶をして海に返す。
しかし、2投目で釣るとは。
今日は予報が悪かったからか、沖には私一人しかいない。一人一匹でいけるかもしれない。

突然の突風

再びサミングしながら同じポイントへ落とす。時間がかかるがしょうがない。
轟音とともに、空気の壁がぶつかってきた。何事か。
その後、少し風が吹いてきた。となると、先程のは突風が吹いたのだな。
後方からガシャガシャ聞こえる。振り向くと自作のフラッグのマウントが折れていた。
ジグ回収中に風はおさまったが、フラッグが折れたとあっては続けることが出来ない。
2回しか落としていないが、成果は出た。今日は帰ろう。

サプライズ晩ごはん

「夕飯はなんだい?魚かい。いっぱいあるものね。何を作ってくれるんだい。」

私が料理してやろうとか無いのだろうか。
ビールを開けようとするのを制止する。

「ユメカサゴって脂が凄いんだねぇ。ノドグロって言うだけあるねぇ。」

バーナーで炙っているのを見ながら、恥知らずな嫁が口を開く。ローストチキンにしてやろうか。
どうやら、今日は帰りが早かったので釣りに行ってないと思っていたらしく、先日釣ったユメカサゴを調理しているのだと思っているらしい。

「凄い良い香りだねぇ。シロムツ焼いてるのかい。楽しみだねえ。」

出来上がるタイミングを見計らって、嫁は冷蔵庫からビールを出し、カウンターに座った。
半身を刺し身、半身を塩焼きでカウンターに置く。

「これは4,500円以上しても許すやつだよ!吉田類もウチに来たほうがいいね。焼酎もいっぱいあるしさ。」

ポクポクしながら飲み食いする嫁を見ながら、もう少し太らせるのも悪くないなと思った。

タックル

スロージギング

キャスティング

タイドグラフ

タイドグラフ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

マグロやサメやクジラでてんこ盛りだった話。

台風が来てるらしいですね。どうも何某です。こんにちは。

カヤックが無事お嫁に行きまして。
安堵していたら、魚探が壊れてしまったので、往って来いになりそうです。

船団。

深海を断念

今日はひさぶりの深海ジギングをしようと準備してきた。
ところがだ、水深500mのポイントに近づくにつれて、ポイント上に船団がいるのに気付く。どうやらカツオらしい。
船団の中に飛び込むのは死を意味する。
仕方無しに中深海に戻ることにした。

底の潮が速い

シーフロアコントロール クランキー ゴールドレッドゼブラグロー 200gを落とす。足漕ぎとラダーで糸が真っ直ぐになるように調整。特に問題なく立てれた。
が、ここからである。
知人が60号で底が取れないと騒いだ。
こちらはラインを立ててるので大丈夫だろう。パドリングで立てるより快適だ。ホビー素晴らしい。
などと思っていると底が取れない。
どうやら底の潮が異様に速いようだ。
ラインは立っているのに底が取れないということは、だいぶ急な角度で流されているのだろうか。どういう状況なのか見てみたい。
釣りにならないので一旦回収してきた、残り5m。
ドンッっとロッドが海面に突き刺さった。
高速回収していたので、持っていかれたロッドのせいで一瞬バランスを崩す。
ググッグッと重みを感じた刹那、軽くなってしまった。

歯型。

回収してみると、ジグが歯でえぐられている。
タチウオでさえもこんな歯型がつくことは無い気がする。一体何がかかったのか。

足漕ぎはナブラに追いつく

「カツオっ!!跳ねてるよ!!」

指差すほうを見ると、ボコボコ跳ねている。
追うには200m以上ジグを回収しなければいけない。間に合うのか。
鳥も寄ってきている。見つけた船団が来たらカヤックは避けなければ死んでしまう。
とりあえず高速回収し、状況を確認した。
ナブラは移動しているが、100mほどの距離。船団は移動する気配はない。
よしとロッドに手を伸ばしながら、全力で漕ぎ始める。
追いついた。すぐさまキャスト。ナブラの真ん中に落ちるが、すぐ移動してしまった。
もう一度漕ぎ始める。キャスト。駄目だ、追いつくが投げる時にはもう遅い。
ハッと気づく。マグロ船に乗った時を思い出した。走りながらキャストしていたじゃないか。
漕ぎながら投げることが、足漕ぎなら出来る。
左手でラダー操作しながら、右手は投げる用意をし、ナブラを追いかける。
ここだ、のタイミングで、ラダーを真っ直ぐにし、漕ぎながら左手を添えたロッドをフルキャストする。
回収しながらも進んでいるので、次のキャストがすぐ出来る。このやり方が正しいようだ。
いけると思ってシンキングミノーのピンテール サゴシチューン 28g東京湾メッキキャンディー を投げ続けるが、全く食ってこない。
ならばと、ナブラのど真ん中をただ沈めてみる。
ドンッっと手応えの後、カヤックが引張られる。
ドラグを緩めるのが正解なのか、どうなのか。とりあえずはポンピングで寄せることが出来るようだ。
やはりカツオは引くなと思っていると、姿が見えた。
なんとキメジ。カツオではない。5kgはないだろうが、カヤックでかけるには大きい。
刹那、バラしてしまう。フックが乗合仕様でバーブレスフックにしていたのだ。
コツを掴んだので、再度沈める。再びドンッ。途中でバレる。
ボイルしてる魚体を見ると、キメジのナブラらしい。
パターン通りに再度沈める。10mほど沈んだだろうか。ジャークを入れた後のポーズで、ひったくられた。
走る走る。パリピのような声が出る。
カヤックの後ろ、右に左に走るため、ミラージュドライブを後進に入れ、ラダー操作をしながら対応する。シーアンカーも無いので、右に左にも楽にかわせる。
一回空気を吸わせる。最初のよりはだいぶ小さい。2kg越えたくらいだろうか。
タモに入れようとした刹那、ヒョイッとかわされ、バラしてしまった。
見回すもすでにナブラは無くなっていたため、皆のところへ戻る。
どうやら500m以上は移動していたようだ。夢中で気づかなかった。
戻ると、一連のやり取りを見ていた方々から、足漕ぎの性能に感動したという声が届いた。
キャスティング船に乗っているようだった。全方向ミヨシの感じが凄かった。と。
こちらも興奮しながら、それに返し、しばらくはこの話で盛り上がった。

模索した結果のノドグロ

深場の200gでは釣りにならないので、ゼスタ スローエモーション スリッピー アカキンゼブラグロー 400gにジグをつけた4ozにかえる。
がしかし、底は取れるのだがとにかく重い。深海ならわかるのだが、水深230mでこれはキツイ。
結局バランスを見て、テイルウォーク ソルティシェイプダッシュ スローピッチジャーク 632ディープライナー スピンドル ブルーヌードスポット 270gに落ち着く。底も問題なくとれる。
今日はかなり渋い。
それでも諦めずに、ゆっくり上げては落としを繰り返していると、SUPの方がアカムツを直前にかけたポイントで、ゴツンとアタリがあった。
定期的に暴れる。隣のカヤックの方も同じようだ。
これはアカムツだろうと、二人で笑顔で巻き上げる。
残り数十メートルで暴れた。確定だ。歓喜の声をあげる。

いいサイズ。

なかなか良いサイズのユメカサゴだ。一応ノドグロですよなどと冗談を言い合う。
するとカヤックの方はガックリと肩を落とした。どうやらスミヤキだったらしい。
その後、小さいユメカサゴを追加する。

ゆめ。

すぐリリースしようと思ったが、エア抜きが上手くいかず失敗したので、丁寧にクーラーボックスにしまった。

釣り船に襲われる

だいぶ距離をとっていたが、油断すると船団が迫ってくる。
カヤックだ、SUPがいるとかは関係無いようだ。カツオやマグロが移動すれば、それにあわせて移動する。こちらに向かってれば、真っ直ぐこちらに向かってくる。
おそらく故意に轢いたとしても、軽い事故で済むのではないだろうか。法はこちらに味方してくれないと思えるほど強気だ。
船のほうが避けてくれるはず。なんて甘い考えは捨てたほうがいい。
カヤックやSUPなんて、浮かんでいるゴミ程度の扱いなのだろう。
遠くから避けるも、明らかに攻撃的に避けた方向に向かってくる船があった。
では、とこちらが方向をかえると、そちらに来る。全力で大きく避けたが、今度は真っ直ぐSUPに向かって行った。
SUPの方はフラッグも高く掲げてるので大丈夫だと思っているのだろうが、知った上で突っ込んでくるので関係ない。
冷や冷やしながら見ていると、スレスレを走り抜けていった。直前で船のほうがかわしたらしい。
青い船体にしっかり名前書いてるのに、よくやるなと思った。
とはいえ、カヤック、SUPは客で来ることも少なそうだし、騒がれても影響が少ないのだろう。
なんなら、釣り客も我々を邪魔だと思っているかもしれない。

サメに襲われかける

「こわっ!こわっ!」

後ろから声がする。
振り向くとインフレータブルSUPの方が、正座している。
何事かと思うと、出ている背ビレの感じから、2mほどだろうか。サメがSUPに向かってゆっくりと迫っていた。
このサイズであれば、カヤックの我々は問題ないが、インフレータブルSUPでは命に関わる。
血抜きなどしたため寄ってきたのだろうか。
直前まで迫ってきたサメは、SUPの数メートルのところで潜っていった。
その後、姿は見ていない。

今日は渋い

アカムツはあがっているようだが、餌の方々もほとんど釣れていない。
さらに深いところを狙ってみる。
急に異様に重くなった回収をしてみると、あがってきたのはユメカサゴのダブル。

ゆめダブル。

煮付けにはちょうどいいサイズか。
おかずは確保したので、釣った魚を美味しくいただく方向に気持ちを切り替えよう。
ユメカサゴは十分美味しい。
切り替えたおかげか、心がポクポクしてきた私の横を、カヤックが通り過ぎていく。
パドリングしてないようだが。何事だろうか。
スゥーっと音無く進んでいくカヤックのロッドは、これでもかと曲がっていた。

「何ですかこれ?すごい重いですね。」

おそらくサメに引っ張られているのだろう。バラムツであればもっと暴れるはずだ。
あがってきたのは、メートル越えの深海サメだったようだ。
私が姿を確認する前に、仕掛けを切られてしまったらしい。

リアル・マッコイ

「バシュー!!」

後ろから、もの凄い音が響く。
何事か、またあの船か。と振り向くと、海上に黒い線が見えた。
その上に鳥山ができている。
なんだあれは。

「クジラだっ!!」

一人が叫ぶ。

「バシュー!!」

黒い線から水飛沫が吹き出す。
本当だ。クジラだ。
我々から200mほどだろうか。浜からは1kmほどだろう。
こんな近くまで来るなんて。
初めて見るクジラに感動しつつ、動画の準備をする。
がしかし、沈んでしまい、撮影は出来なかった。
その後、急に妙な緊張感が走る。
あのクジラ、次はどこに浮上するのだろうか。
もしかすると、カヤックの真下から出てくるのでは。
声を押し殺し、皆で見張るも、その後クジラが姿を見せることはなかった。

おそらくサメ

あと一回落としたら帰ろう。
シャクっていると、ズズズっとゆっくり引っ張る感覚があった。
サメっぽいな、とスプールを抑えてゆっくり煽ってみると、スッと外れた。
おそらくフックが抜けたのだろう。そういう作りにしているので、狙い通りだ。
そのままシャクリ続けると、なかなかいいアタリがあった。
水深350m。手応えはあれだが、こんな深いところにもいるのだろうか。

シロムツ。

なかなか大きいシロムツ。
そしてフックは予想通り抜けていた。

フック抜け成功。

釣果はいまひとつだが、今日はいろいろ刺激的だったのでよしとしよう。
あの船宿以外は。

タックル

スロージギング

キャスティング

タイドグラフ

タイドグラフ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

アジを釣りに行ったら怪魚を見た話。

週末は荒れ予報ですかね。どうも何某です。こんにちは。

ホビーカヤックに乗り始めて、ロードバイクに乗り始めた頃と同じ疲労感、筋肉痛が襲ってきております。

剥かれるジグ。

脂のノッたアジを狙う

どうやらアジが釣れているらしい。そして美味いと。
それならばぜひと仕事前に狙ってみる。
知人らと出てみると、こちらが準備している間にサバが釣れたらしい。幸先がよいか。
前回はシラスが腹にパンパンに詰まっていたとのことで、ジグサビキで狙うことにした。
シャクってみるが特に反応は無い。魚探には何かしらの群れが写っているのだが。

突然の強烈なヒキ

ジグサビキを着底後に、シャクっていると中層に反応が出てきた。
その下にモヤッとしたのが写っているな、ノイズかな、などと思っていると、フォールでトンッと手応えがある。
アワせてみると、横に走り始めた。
その後、バラしたかと思っていると、どうやら食いあげているらしい。急いで早巻きで対応する。
時折反転したが、どうやらクネクネとしている、長物特有のヒキがある。

『タチウオっぽいすね。こないだ釣れてましたよね?』

釣れてるのを見て寄ってきた知人に聞いてみると、確かに釣れていたという。
間違いないか。

99cm 0.6kg

やはりタチウオ。そしてなかなかの大きさだ。
ずいぶん浅いところで釣れるとは聞いていたが、本当に釣れるとは。
振り向くと知人もさらに大きいタチウオを釣っていた。群れが入っているらしい。

アタリ連発

潮が速い。
足漕ぎなのでラインを立てながら釣りが出来きているが、SUPの方々は大変そうだ。
着底から3m以内でアタリが連発する。
がしかし、何度もバラしてしまう。全部タチウオだろう。
もう一本くらいは釣りたい。塩麹漬けとみりん干しを作りたいのだ。
1/2ピッチで誘っていると、竿先が戻ってこない。アワセる。
グンッと重さが乗った後、すかさず食いあげてきた。早巻きで対応する。
残り10mくらいのところで一旦横に走るタチウオ。いなしていると、再度食いあげてきた。
慌てて巻いてくるも、ジグの先にはタチウオはいなかった。
よく見てみると、フロントのアシストフックが切れている。おそらく最後の食いあげの時に切れたのだろう。
さらには、ジグの真ん中がボロボロになっており、コーティングが剥がれていた。
恐るべしタチウオの歯。
どうするかとも思ったが、仕事があるので、そろそろ戻らなければいけない。
替えのアシストフックも持ってきてないので、そのまま落とすことにする。
5mほど落としたところからジグが落ちない。
サビキでもカヤックに引っ掛けたのだろうか。
確認するも、特にそういったことはないようだ。
まさかとアワせてみると、竿先が自分に向かって曲がってくる。ギュギュギュっと絞り込むような音を出してロッドが軋む。
カヤックの後方に向かって、ものすごい勢いで走り始めたのだ。
ヤバいと急いで手首を返し竿先を逃した。
ポジションを整え、覗き込むと白い魚体が走り回っていた。タチウオでは無いようだ。
よしと、残り数mを巻き上げようとした刹那、手元が軽くなる。バラした。
もしかするとショゴだろうか。悔やまれる。
回収すると、サビキが鋭利な刃物で切られたかのように無くなっていた。

怪魚を見る

バラしたなと、落ち込みながら知人を振り向くと、強烈にロッドが曲がっている。

「リベンジしてやる!秘密兵器作ってきたんだ!」

と叫ぶ知人。
他の知人に聞くと、前回、巨大魚の取り込みに失敗し、バラしてしまったのだという。そのための秘密兵器を、今回作って持ってきたと。そういうことらしい。
一体何が釣れてるのかと寄ってみる。
水面まで来た巨大魚を見て驚愕した。なんと立派であろうか。文句なしのサワラ。1m以上は余裕である。
さては、先程私のサビキを切ったのもこいつだな。
胴回りも稲村亜美の太ももくらいの太さがあるのではないだろうか。
かなり美味しそうな太ももである。

『入るタモありますかー?取り込みますよー。』

「大丈夫だよ!秘密兵器あるから!」

なんだろうと見ていると、タモではなく鉄のパイプを持っていた。
インフレータブルSUPなので、ギャフや銛の類ではないだろうとは思っていたが、まさかの鉄パイプとは。
その手を高々と掲げたかと思うやいなや、さらに振りかぶり巨大魚の頭部目掛けて振り下ろした。
一発だけでは効かないと思ったのか、何度もフルスイングで打ち下ろす。
目の前で繰り広げられる神スイング対決。
さすがの巨大魚もこれには参ったのか、ぐったりと水面に浮かんでいた。
次々に祝辞を浴びながらも、彼の顔は険しい。
振り下ろされる鉄パイプ。
どうやら、前回の取り込み失敗がトラウマになっているらしく、まだSUPの上にあげれないでいた。
『エラから手を突っ込んで引き上げればいいじゃないですか。』と声をかけると、なるほどという顔でこっちを見返す。
あの鋭い歯があるので、インフレータブルSUP上で、どうすればとパニックになるのもわかる。
鋭く3発ほど頭部に鉄パイプを打ち付け、エラからバケツか何かの紐を通した。

「今日は終わりだ!このまま曳航していくから!お疲れ!」

満足気に漕いでいく彼の後ろ姿を見ながら、私もリベンジしないとなと誓いながら帰路についた。

タックル

タイドグラフ

タイドグラフ。

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