異世界に行って食堂に入ってみたのだがの話。

暖かくなったり寒くなったり。どうも何某です。こんにちは。

アクセス数がここ2年で40分の1に減ってました。
更新しないとここまで落ちるんですね。
気楽ではいいのですが、少し更新頻度あげないと。

部屋の掃除してたら出てきたCD。

異世界に行って食堂に入ってみたのだがの話

「いや、本当だって。何一つ注文が通らないんだって。」

高校の休み時間に、カツムラ君が振り向き語る。
偶然入った「盛萬」という食堂で、注文したものが一つも出てこなかったのだと声を荒げた。

「五目そば頼んだらパフェが出てくるんだよ。」

そんな馬鹿な話があるかと。スゲタ君と私は笑い転げた。

『一文字もあってねーじゃん。ウソ言うなよ。』

「バイト代入ったら行こうぜ。奢ってやるよ。」

しばらく日をおいて、カツムラ君の「バイト代が入った。」の言葉に我々は身構えた。
ついにこの日が来たか。
3人はバイクで数十分ほど移動。
到着した建物には、食堂と寿司屋の入り口が並んでいる。
カツムラ君が迷いなく寿司屋の暖簾をくぐった。
戸惑う我々。どうみても盛萬は隣の食堂だ。

「いいんだよ。入ればわかるから。」

中に入ると、入り口は2つだが、寿司屋と食堂は繋がっているようだった。
薄暗い店内。緑色の水が入った水槽がいくつもあり、エアーのゴボゴボッという音だけが響いている。
見渡すと、寿司屋のカウンター奥の壁には、全てのお品書きが「時価」で並んであり、一段下がって主張強めに「アジ活作り 時価」とあった。
スゲタ君と私は、一番大きな緑色の水槽を凝視した。

「水槽の中のあれって。。。」

スゲタ君が何かを口にするのを遮るかのような、ドンッと大きな音に驚き振り向くと、女性が大きめの急須をテーブルに叩きつけるように置いていた。
とりあえず着席し、メニューを見る。
食堂のメニューはいたって普通の、何処にでもある、ありきたりなもの。
恐る恐る口にした湯呑みは、常温の水道水。なぜ水道水を急須で。
四方八方から響くゴボゴボッ、ゴボゴボッのエアー音に理由無い恐怖を感じたのか、3人の声は小さい。

「俺は五目そば。。。」

「じゃ、俺は天津飯。」

カツムラ君の声に続き、スゲタ君が決める。

『カツカレーにするわ。』

一拍おいて、カツムラ君が「すいませーん。」とかすれた声で女性を呼んだ。
緊張で声が出ないのだ。

「ア?何ダ?」

スゲタ君と私は軽く驚いた。女性は外国人だったのだ。おそらく中国の方だろうか。
当時、田舎で外国人と会うことは稀であったため、より緊張感が高まった。

「五目そばとー」

「ア?テンプラソバ」

のっけから復唱が間違えている。
スゲタ君は椅子から転げ落ちそうなほど驚き、注文したカツムラ君は、「ほら、言ったとおりだろ。」、という顔をしてこちらを見回した。

「天津飯ください。」

「アー。」

天津飯は復唱がない。
これは注文通ってるのかなと、スゲタ君がオロオロしていると、女性が私に向かって『お前は?』と、急にハッキリとした日本語で喋ってきた。

『カ、カツカレーで。。。』

「ノリマキセットデネ。」

事前にありのまま受け止めようと話していた我々は、驚きながらも何も言わなかった。
扉の奥に女性が引っ込むと、口を開くのがはばかれるほどの静寂が流れた。
雑誌や漫画を手にして待つこと20分ほど。

『何も聞こえないけど、料理作ってんだよな?』

私の声にハッとしたカツムラ君は、トイレに行くフリをしながら食堂側の厨房を覗き込んだ。
すると、厨房でオッサンが新聞を読んでいるというのだ。
「どうする?」という相談をしていると、タイミングよく女性が扉から出てきた。

「あの。。。注文は。。。」

「ア?オイ、ツクレヨ」

カツムラ君の問いかけで察した女性が厨房に向かって声をかけると、ガサガサと新聞を畳む音が聞こえてきた。

「カツ揚げるの面倒だからカレーでいい?」

『えっ?』

「油あったまってねーのよ。」

強制的にカツを抜かれてしまった。
カンカンッと鍋を揺する音が響く。この音に何か違和感を感じた。なんだろうか。

「チョコレートパフェ」

「えっ?」

「ダレ?パフェ」

多分俺だろう。そんな顔をしてカツムラ君が手をあげる。
そんな。
復唱した「天ぷら蕎麦」ですらないじゃないか。
そもそも、厨房のオッサンに正式な注文が届いていたのではないのか。
カツカレーのくだりは何だったのか。

「カレー」

カツカレーでは無くなったが、予定通りのカレーが運ばれてきた。
とんでもなく大盛りでカレーが皿から垂れ落ちてはいるが。
続けて女性は、おぼんに乗せた何かを置いた。

「え?これなんですか?」

スゲタ君が思わず質問する。
女性は野菜と炒められたモノを数秒凝視して答える。

「アー。エビ?」

天津飯が、海老と野菜を炒めた何かの定食に変わってしまった。メニューにすら載っていない。
作ってるのは日本人、少なくとも日本語はわかる人のはず。もっと言えば聞こえていたはずなのに、なぜ頼んだものが出ないのか。

「俺、五目そば出るまでやってみるわ。」

まるで10連ガチャでも回すかのように、カツムラ君は宣言する。
そして、運ばれてくるチョコレートパフェ。

「ご、も、く、そ、ば」

「アー?ソバ?」

厨房から「コーヒーゼリーなんて無いよ‼︎」と、怒号ともとれる声が聞こえる。
何がどうなってるのかわからない。
とりあえず食べ終わったスゲタ君と私は、この状況に狂気しか感じず、早く店から出たいと思っていた。

「マグロ!寿司!」

目を見開いて、カツムラ君は厨房に叫ぶ。
高校生の我々にとって、時価というのは10万円くらいするんじゃないのかという不安があったが、行ける所まで突っ込んでやるという状態の彼を止めることは出来なかった。

「申し訳ないね。マグロ無いのよ。時価って、書いてるのは出来ねぇがら。」

振り返りお品書きを眺めながら、「全部じゃねーか。。。」と、カツムラ君の口から絶望の声が漏れた。

『もう帰ろうぜ。。。』

この声を機に、会計をしたわけだが、覗き見た伝票は殴り書きではあるが、「ゴソバ」「テンシハ」「カツカレ」「ゴソバ」と書いてあるのは読めた。
そして、料金は注文通りの金額。五目そば2つ、天津飯、カツカレーできっちり打ってある。

「志村みたいだったな。。。」

ひとみ婆さんよろしくな状況に異世界を感じた私達はどっと疲れてしまった。
それから数年後。
バイト先の先輩と仕事で近くまで行った際に、昼飯の話になった。
「盛萬」の話をすると、ぜひ言ってみたいと盛り上がってしまう。
しょうがなしにお店に入ると、明るい店内は数組の年配夫婦で賑わっていた。
水槽の水も綺麗で、金魚が泳いでいる。
日本人の中年女性が注文を聞きにきた。
さらに驚くことに、注文通り運ばれてきたのである。
「話が違う。」という顔で先輩から睨まれる。
たまらず私は厨房を覗くと、数年前と同じオッサンが調理していた。や、当時より少し生気があるというか、若返ったというか。

『数年前にこちらで働いていた中国人の女性はまだいますか?』

最近入ったからわからないと、中年女性は厨房に行き戻ってきた。

「中国の人っていういうが、外国人が働いだこと無いらしいですよ。」

あまりの私の驚きように、先輩も当時の話が本当にあったかどうかは別として、嘘を言っているわけではないのだなと感じたようで、「凄いよ!これは、オカルトだよ!」と、えらく興奮していた。
あれから25年ほど経った今、何気無しに聞いた「フードデリバリーで頼んだものと、届いた品物が違かった。」という話で盛萬を思い出す。
検索すると、驚いたことに、まだ営業しているらしい。地元民に愛される老舗なのだとか。

『コロナがあけたらさ、行こうよ。盛萬。』

妻に一通り話した後、誘ってみる。

「え、やだよ。ご飯食べるのに不安になるのは良くないよ。」

正面から断られてしまった。「それに、」と妻は続ける。

「話を盛るのは良くないよ。」

真っ直ぐな目で見られた私は、『盛ってないんだよなぁ。』と心の中で思いつつ、異世界転生って本当にあるのかも、などと考えるのであった。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

ハーコージギング納めの話。

急に暑くなりましたね。どうも何某です。こんばんは。

釣り物にあわせてラインを変えるのが面倒です。
やらなきゃいけないのはわかってはいるのですが。
替えスプールが高いので、地道に交換するしかない。。。

900gから。

キンメのお誘い

「1人空きでたのでキンメ行きませんか?」

直前のお誘いに、慌ててラインを巻き直す。
もう今シーズンは終わりかなと判断し、遠征ジギング用にラインを交換していたのだ。
前回の新島キンメは早々にキハダジギングに変わったが、今回はキンメだけでやるらしい。
気温は20℃近くまで上がるみたいだが、出発は深夜。防寒着いるのだろうか。
あぁ、そうだ。防寒着ももう使わないだろうと、冬物の衣装ケースに入れてしまっていた。
面倒だなと思ったが、一応ケースから取り出して15Lのスタッフバッグに詰め込み、バッカンに放り投げた。

船上のストンプ・ザ・ヤード

防寒着を着て乗船する。
まさか10℃を下回るとは。持ってきて良かった。
ベタ凪なので穏やかに船が進む。仮眠が捗る。
かに思えたが、物凄いトイレに行きたい。目が覚めてしまった。
時計を見る。酔い止めのおかげか、思ったより寝ていたようだった。
おそらく凪なので、最悪でも、いつもどおりの時間に着くだろう。となると、長くても後15分ほどか。
早ければ5分。
真っ暗な船室に雑魚寝しているので、トイレに行くには他の方達を踏み潰しながら行くしか無い。
10分ならなんとかいけるだろう。15分なら諦めて放出するしかない。
ひとまずは我慢を選択した。
がしかし、長い。全く時間が進まない。
時計を見ていると、恐ろしく尿意が増すもので、『あぁ、もうダメかもしれないな。』などと覚悟をしだす。
30分に感じる3分を過ごすと、船長の「はい。じゃ準備しましょう。」のアナウンスに飛び起きた。
急いでトイレに行こうとすると、他の方達も我先にとトビウオのように荷物を飛び越しながらトイレに走る。
なるほど。
待ちきれない男達はトイレ前に並び、まるで全盛期の「いまきた加藤」よろしく、それぞれのステップを踏む。
足を前後しながら、尿道を絞り込み塞ぐ。尿意と戦うダンスバトル。
船上のダンス甲子園が今、幕を開けた。今日は俺が「コケコッコー鹿島」だ。

期待するも肩すかし

恒例のジグのグラム数の挨拶を交換し、先頭から順にジグを投下。もう慣れたものである。
今シーズンは、オシアジガー 3000HG Fカスタムのハンドルをゴメクサス 120mm パワー ハンドルに交換して使っているが、これは相当楽である。
これに、ひとまずは最近のパイロットジグとしている、シーフロアコントロール Sレジェンド 900gを選択。
320mからとのことだが、360mほど出ている。
途中潮目が3、4箇所あったので、まあまあ複雑のようだ。
多めに50mほど巻いて再度底取り。
ギッチギチにブレーキをかけ、サミングをするも380mほどまで出る。
はて。

「15mくらいの根があるなー。」

隣から声が聴こえる。見ると早々に根掛かりしたみたいだ。
気をつけながら、底から20mほど緩めのワンピッチでシャクる。がしかし、根掛かり。
スプールロックして待つと勝手に外れた。
確かに、これはだいぶ落差のある根が点在しているようだ。
何度か流し直す度に、ジクをロストする人が増える。
早くも洗礼に参ってしまった顔が並んだ。

深海はキツイ

深場へ。

大きく移動するらしい。「480mの深場やるから。」のアナウンスに慌ててタックルを交換する。
Xesta スローエモーション フレア 1000gをつけ用意する。周りも100gほど重くして様子を見るようだ。

「深場か。。。やりたくないな。。。」

という声がチラホラ漏れる。
身体への負担が、半端ではないのだ。
ジグを落とすと520mほどラインが出て止まった。
さてどうなるか。
底から20mほど探るが反応は無い。
落とし直すと640mほどラインが出る。潮が複雑すぎて、ラインの角度の先にジグがあるのかどうかもわからない。

『これはキツイ。。。』

思わず出た声に、隣の方達も反応する。
回収のアナウンスに汗だくになりながら、ハンドルを回す。巻き上げ終わったら半袖になろう。
気温も20℃近い。
もう一流し。
気づけば半分以上の方が電動リールに持ち替えていた。

なんとかかんとか

浅場に戻ったので900gにタックルを持ちかえる。
とはいえ、崖下にジグを落とすと500mくらいにはなるので、実質深場と変わらないのではあるが、潮はまだこちらの方が緩くはある。
着底後、底取りを再度するために落とし直す。
違和感があり、ベタ底からロッドを煽る。竿先が2回クンックンッと曲がった。

「よしっ!アタッたろ!」

後ろから船長の歓喜の声が上がる。振り向き頷く。
相当渋い状況に船長も焦っていたのだろう。
ゆっくりゆっくり慎重に巻く。
タモ入れを手伝ってもらい無事船上に上げた。

きんめ。

1.2kgとかそのくらいだろうか。あまり大きくはないが、1kg越えてれば、味は文句無しなので嬉しい。
祝福の声がかかる。釣れることがわかり、他の方のやる気スイッチが入ったようだ。

再度深場へ

他の方が続き、船上4匹となったが、またパタリと止まってしまった。
身体が悲鳴をあげている。底の潮が速くなり、ロッドを持ち上げるのもキツイ。
もう一度深場に向かうらしい。
1100gにするか悩んだが、身体がキツイため1000gにすることにした。
500mほどで着底。ロッドを持ち上げようとするが、全く持ち上がらない。異様に潮が速いのでは。
どうしよう。
とりあえず巻いては止め、巻いては止めを繰り返す。
これだけ潮が速ければ、ジグは勝手に動くだろう。
前のほうから、「バラムツかもしれない。」などの声がする。この時期ならば、アブラボウズという可能性もあるか。
何度か流すと、更に重くなった。
最後の流しだが、シャクると身体がビキビキと音をたてる。
もう無理だ回収しよう。
アナウンス前に、ゴリゴリとハンドルを回し店じまい。
結局、1匹で納竿となった。

寝起きのハマタイム

帰宅し、荷物も片付けず仮眠を取った。妻は出かけているらしい。
1時間ほどし、玄関が開く音で目が覚める。
水でも飲んで、片付けを始めようとキッチンへ向かった。

「ケンタッキー!」

カウンター越しに横移動を繰り返す妻。

「ケンタッキー!」

より速い速度、かつ、ガニ股で横移動を繰り返す嫁。
いよいよイカれたか。

「久しぶりにビールを飲んだら酔ってしまったね。ふぃーだよ。」

どうやら、買い物ついでにコンビニでビールを買い、海を眺めながら何本かあけたらしい。
アルコールは人をダメにする。

『ケンタッキーが食べたいのかい?』

「たまにあなたが聴いてるやつだよ。」

『ん?あぁ、MCハマーかい?

「そう、ケンタッキー!」

ベロベロに酔っ払い、キンメを見て「美味しいやつー。」とクルクルと喜びの舞をする妻を見ながら、揉め事もなく幸せな家庭だなと思う反面、うるせーから早く寝てくれないかな、と少しだけ思うのであった。

タックル

〜900g

900g〜

タイドグラフ

タイドグラフ。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

黒潮大蛇行で予定変更になった話。

楽しみにしていた遠征に行けなくなりました。どうも何某です。こんにちは。

毎年計画してはコロナで中止になっていたサクラマスジギングに今年こそは、と思ってたのですが。
僕がコロナになってしまうという、残念なことに。

気合が入る。

ひさぶりのキンメジギングだが

ひさぶりのキンメ。
比較的暖かそうだなと思いながら準備をする。
前回は、大寒波の影響で中止になったが、今回は大丈夫らしい。
がしかし、直前で驚く連絡がくる。

「キハダ狙うかもなので、キハダジギングの用意もしてきてください。」

慌ててシマノ オシアジガー 2000NRHGにPE4号を巻き始めた。
ジグは250〜300gあればとのこと。
急いで選別し、タックルボックスに詰め込む。

『あわわ、あわわ。』

右往左往している私を見た妻が、「どうしたの?」と声をかける。

『ショックリーダーがないの。リーダーがないのよ。』

釣具屋に行かなければならないという話を聞いた妻は、「行きましょう。あなたは明日早いのだから急がなければならない。」と急いで準備してし始めた。
化粧を終えた凛々しい横顔に、『松嶋菜々子よろしく、風を切って行くわよ。』と言ってくれと、餌をねだる雷魚のように哀願するも、ピクリと眉尻を動かすだけで終わる。
とはいえ、理解ある逞しい妻に育ったなとポクポクしていると、道中の電車内で、「この電気屋さんでダイソンの掃除機セールしてるらしいの。」と、ブックマークを見せられるのであった。

朝の挨拶はグラム数

船に乗り込み準備をする。
やはり思ったよりは寒くないようだ。
とはいえ、沖はどうかわからない。準備だけは怠らないように。
皆、大荷物だ。マグロのタックルもあるからであろう。
そこまで大きな船ではないので、何処に荷物を置くかで周りと相談しながら釣り座を作る。
1時間ほどの船中での仮眠。
ポイントに着き、「何グラムからやりますかー?」と言葉を交わす。
新島沖恒例の朝の挨拶。
潮が速いと聞いているので、1000gを選択するようだ。
私はいつも通り900gを選択した。
船長の合図でミヨシから順番にジグを落としていく。
途中潮が乱れているところが結構あるのか、ジグの落ちるスピードが時折緩む。サミングをきっちりしないとバックラッシュしそうだ。
着底。
アナウンスの水深とそこまで出てるラインが変わらないので、たるみはそれほど無いようだ。
ジグも軽々と上がってくる。横になってる手応えもある。
聞いている話と違うな。800gでも余裕なくらい緩そうな潮だ。
船中アタりもなく回収。さらにもう一流ししたが、こちらもアタリが無かった。

「道具しまって。1時間くらい移動するから。」

船長に声をかけられる。
どうやら、黒潮の大蛇行でキンメのポイントの真上に黒潮が来ているらしい。
その影響で、上潮が速く、船が流されてしまうため、船長が狙ったポイントにジグを落とせていないのだという。

キハダジギングに変更

穏やかなのに。

談笑しながら神津島沖までのクルージングを楽しむ。
到着すると、隣の船がちょうどファイト中のようだ。
船長がポイントを探しながら「30kg2本だってよ。」とアナウンス。
ジグを持つ手に力が入る。
「これ流行ってるよねー。」との声が聞こえる。
周りを見るとタナジグ あいや〜ジグ ロングを選択しているようだ。
悩みながら、周りが同じロングジグならば、少し違うのを選択しようと、Reals Spec-Zero 300g ゼブラグローシルバーを選択。
がしかし、1時間ほどシャクルも反応が無い。
魚探を見ると反応は凄いようだが。
あまりにも釣れないので、指定のタナ110〜80mの上下30mほどまで範囲を広げて探る。
ドテラ流しだが、このくらい広げればタナは間違いなくカバー出来るだろう。
ミヨシからサバが釣れたと声があがる。この海域のサバを食べてみたいと思い、より丁寧にゆっくりとしたワンピッチでシャクると、グッと重みが加わった。
聴きアワセすると、4kgに設定したドラグを鳴らして走り出す。
「おっ⁉︎マグロ⁉︎」の声がかかるも、走ったのは一瞬ですぐ止まってしまった。
プルプルとした手応えに、『これサバですね。』と宣言し、ドラグを締めた。
ゴリ巻きして寄せてくると、「カツオだよカツオ。」と後ろから船長がタモ網をさしいれた。

かつお。

ブリブリのいいカツオだ。
少し遅れて船中カツオがさらに2本追加。サバもポツポツあがってきた。
そしてここで、胴の間にキメジが上がり盛り上がる。
これは時合だ。チャンスだと気合いが入るも、ここからが続かない。

驚きの歯ごたえ

眠気が襲い皆無口になってきた。
朦朧としているので、オマツリをアタリと勘違い鬼アワセをする人が増える。
かく言う私も、『よしキタッ!あーサバだー。』と騒いだ挙句に、オマツリだったということがあり、赤面することになった。
「オマツリするとプルプルするから、サバと間違えるよね。」という言葉に救われるも、結局この後は集中力が切れる。
納竿まで寝落ちして竿を落とさないように気をつけるという、修行を続けたが、時間が来て納竿となった。
今回は神津島のほうまで行ったので、当然帰りもそれなりの時間がかかる。
さらには帰路、雪が結構降っていたため、いつもより大幅に遅くなっての帰宅となってしまった。
さっそく、カツオを刺し身とタタキにしする。
赤く充血したボッテリとした身を見た妻は、待ちきれず缶ビールを勢いよく開けた。

ものすごい食感。

『釣りたてのカツオってすごいモチモチした食感で美味いよね。』

などと言いながら、にんにく醤油で口に放り込んだ。
奥歯で挟み込むと、「シャクッ」っと、とてもカツオを食べたとは思えない音がリビングに響く。
隣からも「シャクッ」の音。
二人で顔を見合わせた。

「何これ。カツオ?これカツオ?」

脂はそこまでではないが、旨味が凄い。味は文句なしだ。
が、それ以上に歯ごたえが、まるでちょうどいいシャーベットのような。
りんごをかじったときのような音がするカツオ。
黒潮で揉まれると、ここまでしっかりとした身になるのだろうか。
魚を食ってるのだろうか。しかし味は極上のカツオ。

「何だか不思議な感覚だね。」

と、右斜め上を見ながら箸が止まらぬ妻を見て、私も慌てて自分の分のカツオを確保するのであった。

タックル

キンメジギング

〜900g

900g〜

キハダジギング

タイドグラフ

タイドグラフ。

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