【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

ここが楽園かと思った話。

欲しいロッドが売ってない。どうも何某です。こんにちは。

釣りってひとくくりにされますが、実際は細分化されすぎているため、釣りの中でもマイナーなジャンルの道具は手に入りづらいのが理解されないです。

凄い海。

浮かれをスカす

「キャスティングのスキルあげるんだったら、GTやるのがいいよ」

キハダのキャスティング船で、そうアドバイスを受け、半年ほど前に予約した飛行機は、無事、空港を飛び立つ。
子供の頃憧れた沖縄は、驚くほど安くチケットが取れた。ホテルも相当安い。
コロナ禍だったからだろうか。
イヤホンから流れてくる沖縄に高揚を隠せなくなる。
そんな沖縄に突如暗雲が立ち込めたかのように、目の前が真っ暗になった。
何事かと目を凝らすと、隣に座っている中年女性が私の顔前まで身を乗り出し外の景色を眺めていた。
旦那と思われる男性も一緒に窓側に身体を倒す。
何も言わず電子シェードのボタンを押し、外を見れないようにすると、今度は前後の窓に身を乗り出して覗き込んでいた。
私の空間は保たれたと安堵していたが、沖縄上空で前後からの「うわー、凄い綺麗!」の声に反応して外を見ることも出来なくなっていた。
隣の女性は前後の席に飛び込むのではないかというくらいの勢いで覗き込んでいる。
これは流石にこっちに来たらウザいなと思い、調光ボタンに触りかけた手を戻し、読みたくもない村上春樹を広げるのであった。

とりあえず堪能

とりあえず釣り。

ホテルにチェックイン後、すぐ漁港に向かう。
30年近く前に買ったマリアのバイブレーションの後ろを40cmくらいの魚が2、3匹付いてきた。
興奮しながらキャストしたり、八の字したり、ルアーを変えてみたりしてみたが、食ってくる様子はない。
2時間ほど繰り返すがまったく釣れなかったため、気持ちを切り替え晩飯へ。

ヤギ汁。

ヤギ汁。
なるほど。
ヤギね。なるほど。
明日はGTだ。ほどほどにしておこう。

GT講習

船長に挨拶をし船に乗り込む。

「初めてのGTということで、出航まで色々と説明しますね。」

GTとはどんな魚なのか、一般的な技術、かかってからのやりとり。一通り座学を受ける。
ドラグは最初8kgなのだという。レギュレーションを説明されながらのチェック。
バーブレスはもちろんのこと、タックルまで全部チェックされる。ここで合格しないと出航は無い。
予備で使うキハダのタックルを持って来た。最大ドラグが8kgまでなため、深い場所なら問題ないと事前確認はしてあったが、改めて念を押される。
シャローGTは12kgは最低ドラグかけれないと厳しいのだそうだ。

「さて、実際にかかった時の動きなんですが」

と、ルアーを持ってマリーナに降りる船長。
GTがかかったときの練習をするらしい。ロッドを構える。

「はい、ルアーアクションさせますー。あっ!かかったよ!」

ルアーを勢いよく引っ張る船長。船長がルアーに食いついたGTということらしい。
「そこでロッド立ててっ!」の声にあわせて動くが強烈な引きである。ノサれないように腰を落とし踏ん張る。
私の半笑いの顔は一瞬で厳しくなった。

「どうですか。これで20kg後半から30kgくらいの引きです」

喘ぎが止まらない。

「まぁ5分だね。だいたい5分耐えれば何キロでも上がるから」

「えー。これ5分もあるのー」と、まだ薄暗い空を見上げる。

ラインシステム組み直し

これまでキャスティングも独学だった私は、船長にさらなる講習をお願いした。
「2日もやるんだから、今のじゃ身体もたないよ」と、飛距離は20mほど落ちるが疲れないキャスティングを教わる。
確かに練習していたキャストは、数十投もするとヘトヘトになってしまっていた。

「そのロッドはGTもいけるってなってるけど、基本はクロマグロ用のロッドだから、凄い重いのよ。飛距離落ちても1日投げれるやり方がいいよね」

1日目。

出港してしばらくすると、船長が蛇行運転を繰り返す。
何事かと思っていると、「ウミガメがいるから避けるのでー。すいませんー」とのこと。
海面を見ると、ポコポコと何かが飛び出ている。あれがウミガメか。
というかものすごい数がいる。
ゆっくりと船がスピードを落とし「さぁ、やりましょうか」の声。
ベタ凪の海に飛んでいくカーペンター ガンマ90が美しい。

「アクションが駄目だね」との声とともに、再度講習へ。

「そのシステムやめてみない?」

諸先輩方から聞いたおすすめを色々取り入れ、何時間も練習して組んで来たラインシステムをやめろというのだ。
聞けば講習通りやるとエアーノットなどのトラブルは無くなるらしいが、余計なラインシステムを組んでいると、そこからトラブルに発展することが多いとのこと。
出来るならシンプルにしたほうが道具によるトラブルは少なくなり、あとはキャスティング、巻取りの技術を安定させればいいらしい。

「えー。そのトラブル回避のために組んできたのに」

思わずボヤいてしまう。
がしかし、船長は「キャスティング、巻取りが安定すればトラブルは回避出来る。まずは信じて基本を忠実にやってみて」と笑顔で返してきた。
「ノットはこれがいいよ」などアドバイスを受けながら2人でラインシステムを組み直した。

ポッパーを投げ倒す

カーペンター シーフロッグをひたすら投げる。
「ポッパーのほうが釣れるんだよね」の船長の声を信じたからだ。

「スレてるからダイペン、シンペンのほうが釣れるって聞きましたけど」

反論はしてみたが、「やっぱりポッパーのほうが安定して釣れてるよ」との返し。

「ポッパーを一日投げると抵抗あるから凄い疲れるのよ。あとはダイペンのほうがやってて楽しいから、みんなダイペンばっかり投げちゃう。でも、統計とるとポッパーのほうが間違いなく釣れてるね」

そういうものなのか。

「ボッ、ボッ」

キャスティングの合間に船の周りから何かの音が響いてくるのに気づいた。
船長にこの音は何かと聞くと、「ウミガメが呼吸してるの」とのこと。
よくよく見回すと、10匹近いウミガメが船を取り囲んでいる。
イルカと一緒で、ウミガメいると釣れないんじゃなかったか?などと記憶していたが。いやはや、この数はヤバいのではないだろうか。
その心配に答えるように呼吸音が響く。

「プシュー。ボッ」

ついに出た

かなりの移動を繰り返し、ポッパーを一日中投げ倒し、さすがに疲れが出てきた。
せめてアタリでもあれば。

「今日はあと30分くらいだね。出てもおかしくないんだけどなぁ」

船長の声が寂しく響く。
身体が覚えたロッドワークを繰り返していると、「ボゴンッ!!」っとポッパーの周りに小さな水柱があがった。
「出たぞッ!!慌てずやり取り思い出して!!」の声と同時に船のエンジンがかかる。
講習を思い出しながらアワセを入れる。

「いいよー!!はい、竿立ててー」

無我夢中で竿を立てると、突如視界がスローモーションになった。
「あれ?全然竿曲がってないな。」「あの銀色の魚体がGTか。でもちょっと小さいんじゃないか?」「ん?反転?いや、こっち向かってきた?」などと情景にあわせて心でつぶやく。
まるでジョン・ウーの映画のようにゆっくりと流れる。
そのうち鳩でも飛んでいきそうだ。

「あ、やばっ!!」

向かってきたGTの口からルアーが飛び出した。抜けてしまったのだ。その様子もしっかり見える。
船長がすぐ声をかけてきた。
「バラシの理由わかる?」の質問に、こちらに向かってきたのに巻取りが遅れてしまったことではないかと話すと、「ロッドが曲がってれば戻る間に巻き取れる余裕出来るんだけどね」との返し。
10kg無い程度のサイズでは、クロマグロ用の竿は曲げれない。明らかにオーバースペックのタックルだとのこと。

「まぁ狙ってるのはあのサイズじゃないから。30kg、40kg狙っていこう」

納得はするが、悔しい思いのまま1日目は終了する。

幸先がいい

2日目。

「え、何?両方ともポッパーつけたの!?やる気だねぇ!!」

笑顔の船長からはじまった2日目は、数投で水柱が立つ。

「バゴッ!!」

ノったか?や、ノッてない。残念。と思っていると、「止めないで!動かし続けて!」という船長の叫びが聞こえてきた。

「あー。駄目だよ手止めちゃ。アクションし続けたらまた食ってくるかもだから」

びっくりアワセが一番駄目だが、止めても駄目なのだという。
がしかし、朝イチで飛び出した姿を見てモチベーションは上がりまくったのだった。

待望の釣果だが

ホッツ ケイコオーシャンポッパーRVを投げ続けたが、流石に疲れてきた。
カーペンター ガンマ90にルアーチェンジして残り1時間にかける。
丁寧にアクションをつけると、突如水柱が立った。

「ノッた!ノッたよ!!」

パリピ並みにテンションの高い船長の声が聞こえてきた。
赤い。GTでは無さそうだ。

「ポンピングして!ポンピングして!」

いやいや、余裕で寄ってくるし。全然引かないじゃない。ポインピングいるの?などと思いながらクルクルと巻いて寄せてくる。
船長のタモに入ったのは6kgほどのバラフエダイ。沖縄ではアカナーと言うらしい。

「いやー、デカいですね」

「小さいよ。もっと大きくなるから」

とのこと。6kgでも小さいのか。
フックを外し写真を撮るとサッサとリリースしてしまった。
「シガテラあるから食えないよ」とのこと。なるほど。残念。

「ちょっとこれは反省会だね。。。」

私のやり取りを見て不満のようだ。
どうやらポンピングをしないのが問題だったとのこと。普通に巻けるなら巻けばいいのでは、という私の考えは、その後の言葉であっけなく覆される。

「昨日もだけど、巻けるのは操船でサポートしてるからだから。根に当たらないように、巻けるより早く多く巻き取らないと。そのためのポンピングだから。シャローでやる以上どの魚でも同じ」

そして、この言葉を続ける。

「30kgのGTだったらあがってないよ。小物釣りに来たわけじゃないんでしょ」

巻き取れる、巻き取れないじゃない。巻き取るんだ。
力でねじ伏せる釣りをしなければ、目標としてる大物GTは一生あがってこない。
厳しい言葉であるが、逆にGTフィッシングの奥深さを知り、より昂ぶってしまった。
完全に舐めていた。想像以上に技術と体力がいる。
上等じゃないの。絶対釣ってみたい。
がしかし、気づくのが遅かった。2日間の釣行は終了した。

すぐリベンジを誓う

私は天国にいるのではないか。そう錯覚するくらいの美しい場所で2日間釣りをし帰宅。
すぐさま行きつけの釣具屋に行き、船長おすすめのタックルの在庫を確認してもらうが、入荷は早くて1年後だという。
大手チェーン店にも確認してもらったが在庫はない。
とりあえず中古を探してみよう。状態が良いのはあるだろうか。
飛行機を調べると、快適さを選ばなければ相当安く行けるらしい。
更にはホテルの質も落とせばだいぶ安い。
一人で釣りだけを目的とすれば、遠征費用は相当抑えられる。
これは、しばらくはGTのために霞を食って行きていかなければ。
また、あの海で釣りをしたい。
缶コーヒーを買いたい指を折りつつ、あの青い海を思い出すのであった。

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

遠征なのに、うんともすんとも言わなかった話。

台風だ。どうも何某です。こんにちは。

ちょうど遠征から帰って来たんですが、ギリ飛行機飛びました。

景色がすごく良い。

カンパチを釣りたい

奄美大島にカンパチジギングしに来ませんかという誘い。
「もちろん行きますよ」と返事をし、航空券の手配をしようと調べる。
がしかし、あろうことか往復で13万円ほどかかってしまう。しかも、沖縄か鹿児島経由になってしまうらしい。
せっかくだが断って御蔵島に行こう。それなら気楽に3回は行ける。
という話をしようとしたところ、そういえば成田という手があったな、と思い出し、再度検索をした。
すると、LCCで成田から奄美の直行便があり、往復で2万円ちょっとだという。
気がつくと私は航空券を購入し、ホテルの手配まで終わっていた。
ポクポクしながら妻に会うと、「おや。なんか良いことでもあったのかい。」と、すぐわかったようだ。顔に出ている。

「いや、奄美大島に安く行けるんだよ」

「何しに?」

眉間にシワが寄る妻。

「カンパチ釣りにでしょうが。変なこと言うなよ」

「聞いてないけど」

「だと思います」

初めて奄美に行くと聞いた妻の、「うぉー!何だその返しはぁー!何だその返しぃいいい!」と叫びながら地団駄を踏む妻を眺める。
愉快な妻で飽きない。

LCCの罠

最近周りでは宅配ブームが起きている。
釣り道具をまとめて遠征先のホテルに送ってしまうらしい。
確かに凄い楽なので、使わない手はない。
今回の遠征は私しかいないので負担が多いのだが、LCCは何かと追加料金を取られるので、送って楽したほうがいいという判断をした。
釣り竿梱包用のダンボールをヤマト運輸に頂戴しに行ったところ、「170cm以上は送れなくなったんですよ」との話。

「え!?無くなったんですか?じゃ、スキーとかも送れないんです?」

「スキーは送れます」

「え!?じゃ釣り竿は?」

「170cm以上はごめんなさい」

何が違うのか。折れやすいとかなのだろうか。
今回の遠征にスピニングのワンピースジギングロッドを持っていくことにしているが、これが188cmである。170cmには当然納まらない。
とにかくしょうがないと一旦帰宅し、LCCのサイトを覗く。
3辺の和が203cmまでという記載。まぁ追加料金もやむなしかと思っていると、どうやら203cmを越えた荷物は預けることすら出来ないらしい。
ロッドケースに入れないという選択肢はあるが、そんなもの折ってくださいと差し出してるようなものである。
ほとほと困ってしまった。

荷物を送る

長物もいける業者があるということで、荷物を持ち込む。

「釣り竿と荷物で2個ですね。送り先は奄美ですね。って、えッ!?」

対応していた事務員が急に大声をあげる。
その声を聞いた他の事務員が後ろから覗きに来たが、同じように「うぉ!!」っと声をあげていた。
何事かと思っていると、恐る恐る口を開いた。

「あの。。。奄美に私達のルートが無くてですね、つまり、中継料金というのがかかってしまうんですよね。。。」

「はぁ。それって、追加でお金かかるみたいな話ですか?」

頷きながら、さらに申し訳無さそうな顔をする事務員。

「えーと。。。料金がですね。。。釣り竿だけで1万6千円です。。。」

「釣り竿だけで!?」

「はい。。。総額2万円超えます」

「ちょっと考えさせてください」と車に一旦戻り、調べてみることに。
別のLCCならば280cmまでいけるらしい。これなら大丈夫だ。
往復料金は、鹿児島経由で5万円弱。
ドカットの重さは18kgほど。おそらく往復で数千円くらいは超過料金がかかるので、結局は5万円強だろうか。
差額は1万円ほど余計に払ってる状態になるが、乗り換えと荷物運ぶ手間に1万円払ったと思えば安いものか。ロッドケースと20kg近いドカット持ってあるくのは相当しんどい。
何より直行便というのが楽でいい。
営業所に戻り、お金を支払った。果たして私の笑顔は引きつっていただろうか。

無心でシャクる

奄美。

まさか機内持ち込みの荷物は全部で7kgまでとは思わなかった。ちゃんと調べておけば追加料金かからなかったのに。
LCCのチェックインでやたらと揉めてる人達が多かったが、私みたいにうっかりしている人が多いのだろう。
次回から気をつけねば。
船に乗り込み船長に挨拶する。
湾内で手頃なカンパチを釣ってから外洋で大物狙いとの事。気合いが入る。
港を出てすぐのポイントで落としての合図。

「70mからやりましょう」

意外と深いな。
Xesta スローエモーションフレア スリム ケイムラシルバー 250gを落としテンポよくシャクる。
しかい、これは、潮が動いていない。全く動いていない。
「もう少しで潮止まりなので下げ始まるまで厳しいかも」という船長の言葉に一瞬手が止まるが、ジグを動かさないことには釣れない。
無心でシャクる。無心でシャクるのだ。

とりあえずは釣る

「反応はあるんだけどなあ。口使ってくれないねえ」

魚探を眺めながら船長が嘆く。
我慢の時間だ。
などと思った刹那。ジグの周りをヌルんとした感触の後にコンコンとジグが叩かれた。
何かが触った。
手を止めて1/4ピッチで細かく誘うと、コツンというアタリ。

「きましたー」

私の声に注目が集まる。
がしかし、どうにも引かない。「これは。。。サバかも。。。」との声に、「いや、カンパチだな。でも小さいぞ」とタモを持った船長が返す。
ハリのあるロッドではあるため、全く曲がらない。
9kgにドラグを設定したステラのハンドルは軽快にクルクルと回るのだ。
「抜きあげて」の声でわかる通り、1kgほどの個体だろうか。

しょうご。

「このあたりのカンパチって個体差激しいから、このサイズでもめちゃくちゃ脂のってたりもするよ」

なるほど。ではではとキープする事に。

根魚祭り

とりあえず坊主を逃れた私は、外洋に移動のタイミングで色々と試す事に。
ジグを色々変えてみる。
がしかし、全く反応が無い。
原因はわかっている。潮が流れないのだ。
その証拠に、一時、船内がオオモンハタなど根魚が入れ食いになった。

「これ釣れる時はカンパチ厳しいんだよね」

船長のため息混じりの声が響く。
その後、オオモンハタラッシュの後はピッタリと止まってしまう。
後はもう地獄の時間。
休みなくシャクる。
水深200mに400gのジグをスピニングでシャクる。こんな楽にシャくれるのがおかしい。そのくらい潮が流れてない。

「こんな日滅多にない。確率で言えばモンスター釣れる日の方が多いよ。ここまでアタリ無いのは初めてだ」

なんてレアな日を引いてしまったのだ。

無念だが送る

結局ショウゴ1匹で終わる。
ここまで来て無念だ。
それを察したのか、船中のショウゴ、オオモンハタが集まってきた。
送料の方が高いなぁと思い、船長に「持って帰りませんか?」と声をかけると、家に沢山あるからと断られてしまった。
それならと受け取って、道具と一緒に送ってしまう。
4日ほどかかるので冷凍の方がいいよと、宅配業者の事務員さんに勧められた。

「うちはそのまま冷凍しておいて、解凍してから捌いて食べるのよ。刺身も大丈夫よ」

とのこと。エラや腹も何も取らないのだという。
じゃそれでやってみるかと冷凍で発送。
釣り道具の配送料はというと、なぜか1万円ちょっと。

「あの、行きはもっと料金かかったんですが」

「保険とか入ります?」

「いや、なんかラップで巻いたりしてたようですけど、保険とかは特には入って無いです」

「じゃ、この値段です」

行きの中継料金とはなんだったのだろうか。
謎に安いので少し怖いが、ハードケースに入ってるのでまぁ大丈夫だろう

荷物を考える

半分も使っていない。

色々振り返るが、一番は厳選して持ってきた30本ほどのジグの半分も使わないのだなということだ。
確かに毎回利用するジグは何本かしかない。
不安がってあれだこれだと持っていってはみたものの、使う暇がないのだ。
ロッドだって結局ほとんど使ったのはスピニングだけである。
今回はたまたま潮が緩かったのでスピニングの出番があったが、本来であれば4番のベイト1本あれば足りるのだ。
ジギングではないが、近々また遠征がある。
もっと厳選して荷物を軽くしないとなぁと思った。

タックル

ジギング(ベイト)

#3

#4

ジギング(スピニング)

~250g

250g~

【注意】SUP、カヤックフィッシングする方へ

安全のためフラッグは必ず掲げるようにしましょう。(2m推奨)

定置網内へ入る、係留する、仕掛けを引っ掛けるなどが多くなっており、漁師さんとのトラブルが増加してるようです。

SUP、カヤックを排除しようとする動きもあるため、定置網へは近づかないようお願いします。

しょうがなくトンジギに行ったらフルサービスの洗礼を受けた話。

断捨離しないと。どうも何某です。こんにちは。

いつの間にか物が増えてる不思議。

うどん。

とりあえず船を予約

予定が無くなってしまった。さてどうするか。

「200kgのマグロが釣れまくってる!船取ったので乗りませんか!?」

「え!?まだ釣れてるんですか!?もう1ヶ月くらい経ってません!?行きます!!」

PE10号では駄目とのことで、最低12号からなのだというが、糸の細いルアーじゃすぐ切られて話にならないと、徐々にルアー禁止の船が増えて来たのだという。
行くならば今しかない。すぐラインを交換しなければ。
がしかし、出張から帰ってみれば、漁獲量規制を超えたとかで船がキャンセルになったのだ。
釣果を眺めながら、ため息が落ちる。
それを蹴飛ばしながら、他の釣果を眺めていると、ビンナガマグロをジギングで釣る、いわゆるトンジギが調子いいらしい。
やるなら多少時間をかけても釣れているところに行くのが確実。
片道6時間ほど。遠征になってしまうが、まぁしょうがない。釣りモードの身体を鎮めるには行くしか無いのだ。
以前行った人達の話では、とても風が強い地域らしく、2日予約してどちらも出られないことが3回も続いたとのこと。
妻に聞くと「釣れるうちに行ったほうがいいんじゃない?ちょうど私も仕事忙しいし。」だそうだ。

「2日続けて爆釣ってこともあるんでないかい。」

謎のダンスを踊りながら言う妻の後ろ姿に感謝の言葉をかけながら予約した。

支援は場所を選ぶ

数日前に、1日目は風の影響で出れないかもしれないと船宿から連絡が来ていた。
そして前日に、2時間くらい様子見てから出すかどうか決めますが、それでもいいかという連絡。
宿も取ってるため、行くしか無い。
ホテルにつくと、「全国旅行支援は使いますか?」との声。
ワクチン接種証明書と免許証などあれば良いらしい。
よくわかってないが、県内で使えるクーポンが1万円以上もいただけるとのこと。
「この辺りならだいたい使えますよ。」とニッコリ言うので、喜び勇んで外に出る。
がしかし、あろうことか店が無い。
使える使えないではない。そもそもの店が無いのだ。
陸の孤島。
しかたなしに、スーパーで弁当を買ってホテルに戻り、ドラグのチェックをした。

強風大荒れ

あらゆる角度からドラグをチェックした。暇すぎたのだ。
今日は完璧だ。あとは船が出るのを祈るのみ。
現地に着くと、船宿の方が駐車場を案内してくれた。
細かく説明を受けてから乗船する。
釣座はクジ引き。今日はトモ側を選んだ。移動時はトモに全員座るというので、ジグ変えるのが楽そうだなとか、そういう理由である。
30分ほど風待ちしていると、他の船が出船しはじめた。

「他の船の連絡待ってから出るからね。海の状況確認してもらうから。」

船長の声を聞きながら、乗船者同士で会話をする。
ほとんどが初めてのトンジギらしい。
私もトンジギは初めてだが、キハダの経験があるので一応経験者扱いということになったようだ。
初めての方には、船長が細かく指示出すとのこと。
ドカットなどを持ってきてる人は、私ともう1人の経験者組だけのようで、他の方々はレンタルタックルに、バッグから取り出したジグをつけている。
近場で釣れるからなのか、マグロとはいえ結構手軽な釣りの感覚らしい。

「じゃ出ますのでー。最初は風あると思うけど、しばらくすれば大丈夫になると思うよ。」

との船長の声を聞きながら、気を引き締める。いよいよトンジギの開幕だ。
漁港を出て外洋になった刹那。船が大きく揺れた。
なかなかのウネリと強風である。
「やべー。荒れてるー。」と隣の方は身体を固めて必死に耐えていた。

ジグが落ちない

「400gからはじめてみてねー。」との船長の声に、皆ジグをつけ始めた。
私はすでに準備していたため、スピニングタックルを持ち、ジグを投入。
シャウト ランス ゼブラグロー 400gが水面下を流れていく。

「んー?」

皆を眺めて見るが、同じ状況のようだ。

「船長ー。400gじゃジグ落ちないよー。」

声をかけると、慌てて船長が様子を見に来た。

「あちゃー。ダメだなー。一回あげてー。500gじゃないとダメだねー。ジグ変えてー。」

船長が初めての方たちに声をかけまわる。
私もタックルをベイトに持ち替えた。
スミス CB.ムラマサ3S・TS アバロンゼブラ 500gをつけて落とす。
1回目はなんとか落ちるが、シャクってる間に斜めになってしまう。
これでは狙った棚にジグはいない。
毎回落とし直す必要がありそうだ。かなり面倒だなと思っていると、隣の経験者の方と初心者の方がほぼ同時にヒットしていた。
経験者はスッポ抜けたようだが、初心者の方は頑張ってやりとりしている。ゆっくりとトンボがあがってきた。
タモに入るのを確認すると、船上は大いに湧き上がる。
どうなることかと思ったが、今日は期待が持てそうだ。

新島より楽

荒れてる。

「こんな揺れるの初めてですよー。」

場所的に風が強いのはよくあるみたいだが、ここまで揺れる船に乗るのは初めてだと隣の方が言う。
私は、確かにジギングはしづらいけど、新島より楽だな。などと余裕をかましていた。
顔に出ていたのか、「どちらからですか?」と聞かれてしまった。

「新島のウネリは酷い時で倍くらいありますね。このくらいなら、通常運転って感じです。」

「なにその釣り。。。」と驚く姿を見て、やはり新島って特殊な場所なのだと感じた。

あの手この手

ジグを変えたり誘い方を変えたり。そんなこんなで、4時間以上シャクっているが、どうにもその後追加が無い。
他の船も同様のようで、船長はだいぶ焦っていた。
常連の方に聞くと、釣れる時は魚探にマグロの反応がはっきり出るようだ。
会話が聞こえたのか、船長が間に入ってきて、「餌の反応も薄いしすぐ無くなる。」と嘆いてきた。
その影響なのか、「餌は40m。。。前後探ってみて。。。」というような歯切れが悪いアナウンス。
ラインの出方を見ると、他の方々は100mもラインを出していないようだ。
ならばと、タナジグ あいやーロング 黒潮リミテッド BGZケイムラシルバー 450gにジグを変え、200m以上ラインを出してみた。
数回シャクりジグを止める。斜めに出ていくラインを見るに、おそらく水深150mほどにジグはいると思われる。
結構泳いでくれるジグなので、何もせずそのまま泳がせる。アクションもしない。
10秒以上そうやっていただろうか。グンッ、グンッっとラインが引っ張られた。
ラインを思いっきり巻取り、スプールを抑えてロッドを3、4回と引っ張って、力強くアワセを入れる。

「来ましたー!!150mでーす!!」

皆の視線が集まった。
船長は「えっ!?150m?そんな深いの?」と驚く。
よーし。ファーストランはっと。。。と、気を張っているが、どうにも勢いは無い。
ちょっと重いくらいで軽々と寄ってきた。もしかしてビンチョウではないのだろうか。
多少ストレートポンピングをするかしないか程度。
ロッドを曲げるやり取りではないので、周りからは「あれ釣れてんの?」という声が聞こえてきた。
特に困ることもなくすんなりタモに入る。歓声があがった。

トンボ 10kgないくらい。

コトンではあるが、初日は無事釣り上げて終わった。

2日目開始

無風。

「今日は厳しいかもよ。風全く無いから。」

船長の言葉から始まった。ドテラ流しなので風が吹かないのも流れず困るのだそう。
ゼスタ スローエモーションフレア ゼブラグロー 300gをスピニングタックルで落とす。
マグロはフワフワと誘うのが基本と聞いており、ハイピッチで釣るものではないという風に聞いてはいる。
まぁ、キハダがハイピッチで釣れてるのも見たことあるし、とりあえずやってみよう。

「40mくらいかな。んーでもこれマツってるのかも。ジグの反応っぽいな。」

周りを見るが私がいるトモ側は特に問題ないようだ。
100mから40mくらいまでを、ハイピッチでバンバンとシャクってみた。
ラインはほとんど流れない。
3投目。
パシュ、パシュっとハイピッチ特有の水面をラインが叩く音が小気味良く響く中、70mに差し掛かったロッドがドンッと戻らなくなった。

「来たよっ!70mっ!」

これだよ。これ。シャクってドンッってのがたまらない。一気に脳汁が出る。
真下にラインが伸びているのでマツリやすそうな気がする。
そう思っていると、船長が走ってきた。

「前行って!走ってるから前行って!」

ラインは出ていないが、ミヨシ側に浮いてきているようだ。
言われるママにトモから入れ替わっていくが、どうやら今日は初心者の方、後で聞くと船すらはじめてという方々が半数だったため、どう動いていいかわからなかったようだ。
トンボとやり取りしながら、オマツリを外し、ロッドを受け取り後ろに行ってもらってロッドを返す。
4キロくらいに設定していたドラグだが、脇に抱えているとロッドを持っていかれそうになったため、少しドラグを緩めた。
1人、2人と対応しながらミヨシ側へ。
あ、ドラグ緩めなきゃ。
あれ?さっきドラグ緩めたっけ?
なんだかんだいいながらリーダーが入る。
このタイミングですでにオマツリしたラインを巻き込んでいた。おそらくアナウンスされたオマツリはこれだろう。
慌てずもう一週。と思っていたところ、コトンが走りはじめた。

「あれ?なんだ?ドラグ締めて!」

あぁ、やっぱりドラグ緩めすぎてたんだ。1クリック緩めるだけで良かったのに。
バタバタとしてる中で、緩めたのを忘れて2、3回緩めた気がする。
マグロとのやり取りの最中に老化を感じた。痴呆のウネリに飲まれているのだ。
ドラグを締めた。
その後の取り込みは問題なかった。

トンボ 10kgくらい。

あがってきたマグロに船上が湧く。
巻き込んでしまった方々に頭を下げていると、「2日連続とは。やるねぇ。でも、ちょっとドラグ緩めすぎだな。見直しといて。」と船長に指摘されてしまった。当然だ。
再度巻き込んでしまった方々に頭を下げた。
他の方が1匹追加するも、バタバタと船酔いで倒れてしまった。
初めて船に乗るのであればしょうがない。
残った方々で頑張るも、その後は釣果無し。
今日も厳しいとの船長の嘆きを聞きながら沖あがりとなった。

サービスは怖い

帰りの道中ガソリンが無くなりそうだったので、見かけたガソリンスタンドに寄る。

「っしゃっせー。何にしましょう?」

ドアを開けようとすると、店員が立ちはだかった。

「え?何?」

なんだこいつ。なぜ私の邪魔をする。ドアを開けれないではないか。
ははん。あれか。カード作れとかそういうやつか。

「。。。?。。。どうしますか?」

「え?」

「何いれますか?」

何いれるとは。。。
ハッとした。
そうか、フルサービスのガソリンスタンドか。ハメられた。
思えば何十年もセルフ式ガソリンスタンドばかりに通っている。
フルサービスのマナーなんて実家に置いてきているのだ。

「い、いっぱいで!」

「はい?」

満タンと言うつもりが間違えてしまった。

「レギュラー、いっぱい、や、満タンで!」

「うぇーい、満たっりまー。」

後方の窓から、ダンツクダンッっと音がする。
何奴。敵襲か。敵襲なのだろうか。
何事かと振り向くと窓をリズミカルに拭いている音であった。
焦らせやがって。
運転席の窓を拭いた後、ドアが開いた。
なるほど。いつ何時誰の挑戦でも受ける。
脳内でHold outが流れる中、耳を疑う言葉が聞こえる。

「スイガラはありますか?」

何処の国の言葉だろうか。

「え?なんですか?」

「スイガラは大丈夫ですか?」

「え?スイガラ?」

「えぇ、吸殻。。。無いですか?」

そうか。吸殻か。灰皿のことを言っているのか。
心の中の武藤が語る。
「まだ灰にもなってねえや。」と。
武藤の呼びかけに蝶野は答えるのか。それと同じ緊張感が走る。
闘強導夢よろしく。
武藤のエメラルドフロウジョンに私は泣いた。ノアだけはガチなのだ。
思いにふける私を不思議そうに見守る店員。
タバコ。吸わなくなって15年以上経つ。ひさぶりに聞く言葉。吸殻。
思えば今の車に灰皿なんてないのだ。
吸殻という概念さえ無くなっていた自分に驚く。
ドラゴンスクリューからの足四の字をくらった気分だ。

「無いです。。。」

叫んだつもりが、かすれるような声。
ギブアップする高田延彦を彷彿させる弱々しさ。プロレスに負けたのだ。
いや、マインドはプロレスだ。俺がプロレスなのだ。
レシートを引ったくるように奪い、大音量で鶴田コールをしながらハイウェイに乗るのであった。

タックル

ジギング(ベイト)

#3

#4

ジギング(スピニング)

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